ブルーシャムロック

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新連載発動

2012-11-27 16:33:14 | 逆襲の藤隆
成瀬君、今度の企劃俺に話しちゃって大丈夫なの?」
私は、先輩漫画家の田口藤九郎氏の自宅兼Studioにいた。
彼は山陰出身で、現在は「kamaboko」という漫画の大ヒットで
建てたそこに住んでいた。
私は成瀬公彦。青森出身。
先日長年続いた連載漫画「銀河傅説age」の連載を終えて
他の雜誌に頼まれた最新企劃を展開するための準備をしていたのだけれども
其れが全く思いつかないのだ。
私は何を血迷ったのか、東京都是羽市に存在する
田口氏の仕事場になぜか足を運んでいた。
「成瀬君、なんで君は私の所に来たんだい。何にも関係ないのに」
と、苦笑された。恥ずかしいのはガッテン承知の助。
だいたい小一時間、彼の仕事場にいただろうか。恥ずかしいとおもって直ぐ立ち去った。
帰り道、驛までの道目立ったのは、新選組ののぼりなどである。
「ここは、新選組のメンバーの出身地でね。漫画家デビューしたての頃、新選組に関する
一巻完結の漫画を描いたことがある。」
と、仕事場で聞いたことを思い出していた。
ここが、新選組揺籃の土地だとしたら、何故、山陰出身の田口氏のような
大井川より西の土地の人間を受け入れる土壌があったのだろうか?
私は青森にいるとき、下町に親戚の居る人間を能く聞いた。
居心地のいいところなのかなとふと考えた。
そんなことを考えていたら、もう駅にたどり着いていた。
電車をPlathomeで待ちながら、今度の最新作に関するMemoを広げていた。
最新作は都道府県擬人化漫画である。
なぜ、物語が難航していたか。
それは東京都代表のキャラが決まらないからである。
普通であるならば、江戸っ子下町風のImageを強調することが多いのだけれども
田口氏が住んでいるこの多摩にある街も東京都なのだ。下町とは全く空気が違うのだ。
程なくして、自分の住んでいる街の近くまで行く電車に乗る。
私の住んでいる大田区も下町ではないな。
そんなことを重いながら、中吊り広告が目に入った。
渋谷に関する話題が掲載された週刊誌の其れと、
アキバを根城にするアイドルの話題が乗っていたテレビ雜誌の其れである。
両方ともいい意味でも悪い意味でも、これらの土地は日本列島の流行の牽引車である。
しかれども、東京都代表の面をするのは下町の方である。
私が下町を捨てたのは、「東北に甘く、西日本の人に厳しい」一面を見たり、
「真の東京・関東は私の中にある」
と言い聞かせる態度が、鄙俗かった
それ故に
周りの關東・東京とは違ったものになっていった下町を東京都代表とするのを
脱却すべきだ。私はそう決意した。
そして、新しい漫画の東京都代表のキャラはアキバと渋谷と多摩のエッセンスの強い
キャラにすることにした。
却而其れがヒットした。
そして、1年後
私は、仕事場のレンタルビデオ屋の近くを通り過ぎた。
「蒲田哀歌」
という蒲田を舞台にした集団就職に取材した映画のビデオがレンタル開始したposter
を見かけた。
私の東京都代表のキャラの影響なのか、多摩の歴史にページを割いた本が出版されたり
あるいは、板橋や大田区を舞台にした映画やテレビドラマがヒットしたりした。
私のあの連載で作った東京都代表のキャラを考えると、
「東京とは、關東とは」
と考えざるを得ないのだ。
おわり
コメント
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