ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

神奈川の道路

2012-11-06 17:50:00 | 信・どんど晴れ
先日、小禄さんの親戚が住んでいる鶴見から私の住んでいる釜利谷まで車を
走らせているとき、大体保土ヶ谷辺りに来たとき、小禄さんが言う。
「そういえば、佳奈ちゃんのクラスメートの宇品だっけ、あいつ無礼だよね。」
ハンドルを握っている手がふるえていた。
「まあ、アイツのことは言うな」
私は恐縮した顔を小禄さんに見せた。
「なんとも、馴れ馴れしいみたいだけれども、見下しているような感じだね。
東北か北海道のひとでしょ。」
小禄さんはいらついていた。
「実家は札幌みたいで母方が弘前みたいだ。うちのRoommateとは、北日本つながりで
結構嬉しそうだが。」
私は、淡淡とした顔をした。
「佳奈ちゃんは、悔しくないわけ?あんなのにバカにされてー。」
小禄が憎々しげに宇品を語るのをみて。
「ああ。そうだな。あいつは同じく私をバカにしている東岡麗美先輩とつるんでいる。
惡の結託という奴だな。」
と私は言う。
「何其の脳天気な表情は?!」
と、アクセルを踏もうとした小禄さん。
「あいつとは腐れ縁。しかし、お前さんほどの理解は出来ない。悲しいかな
他学の人間とこううまくいくのは。」
と私は表情を変えなかった。
「そういうのあるよ。だって佳奈ちゃん知り合いも少なそうだし、私が困っているの
なんやら助言したりしているよね。だから佳奈ちゃんには良くしたい。」
と小禄さんが言った。
私は奄美から、上京してからただ単に状況に押し流されるだけ押し流されてきた。
でも、小禄さんは関東は一過性だと割り切っている事を感じる。
「佳奈ちゃんは奄美に帰るよね。」
小禄さんは言った。
「さあ、どうだか。」
いつもの通り、戯れ言でごまかそうとする。
「佳奈ちゃんは関東では生きられない。奄美で生きることになる。」
確信を持った事をする。
「私は沖縄に帰ったとき、佳奈ちゃんの島に行く。そして佳奈ちゃんを助けてあげたい」
いつもの通りだ、でも確信に満ちた顔は何も言えない。
ラジオから流れていたいきものがかりの曲がいや強くなった。
おわり




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする