保健福祉の現場から

感じるままに

受診抑制、検査抑制、早期治療抑制からの転換を

2020年12月02日 | Weblog
12.1IASR「新型コロナウイルス感染症における積極的疫学調査の結果について(第2回)(2020年10月5日時点:暫定)」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/9994-490p01.html)の表6(https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/2020/12/490p01t06.gif)では「全396例のうち、140例(35%)で抗ウイルス薬投与等の治療介入が行われ、投与薬剤の内訳は、シクレソニド82例、ファビピラビル72例レムデシビル2例」などとある。9.15東洋経済「アビガンがコロナに劇的に効く薬ではない現実 あれだけ注目されたその後はどうなっているか」(https://toyokeizai.net/articles/-/375562)では「首都圏の病院に勤務する感染症専門医が次のように語る。(中略)実際、現在ではほとんど使いません。」(https://toyokeizai.net/articles/-/375562?page=7)と報道されていたが、本当はどうなのであろうか。11.10「新型コロナウイルス感染症対策本部(第45 回)」(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r021110.pdf)p9「新型コロナウイルス感染症に対する治療について」でも「ファビピラビル(アビガン®)」の記載がないが、9.10全国医学部長病院長会議「新型コロナウイルス感染症における重症症例に対する治療実態調査結果」(https://www.ajmc.jp/pdf/20200910_02.pdf)で「Favipiravir(アビガン) 使用378、うち軽快273・死亡74、軽快割合72.75%」、「Remdesivir(ベクルリー) 使用54、うち軽快31・死亡8、軽快割合57.41%」などとあり、レムデシビル(ベクルリー®)以上に多く使用され、成績が良い、「ファビピラビル(アビガン®)」(https://brand.fujifilm.com/covid19/jp/avigan.html)に触れられないのは不思議である。5.27東洋経済「夏以降にコロナ「ワクチン」の成否は見えてくる 専門家会議キーマン・西浦教授が描く展望」(https://toyokeizai.net/articles/-/352744)の「日本の治療薬「アビガン」なども期待されたが、早期投与の効果で目覚ましいものはいまのところはなく、今後1年で出てくるメドは立っていない。部分的な効果かもしれないが、ワクチンの登場のほうが早いだろう。」とあり、このグループからは、4.15時事「新型コロナ、42万人死亡も 対策ない場合の試算公表―重篤85万人・厚労省班」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041500281&g=soc)が出ていた。8.3日本感染症学会「“今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて”の提言に際して」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2008_teigen_influenza_covid19.pdf)p8「インフルエンザは早期診断に基づく、早期治療を⾏うことを推奨します。」に対して、p3「COVID-19 軽症例については、確⽴された治療薬はなく、 多くの薬剤が臨床治験中」とあるように、インフルエンザと新型コロナは正反対の治療方針である。8.21ハーバー・ビジネス・オンライン「PCR検査を阻む「感染症利権」と安倍総理の政策センスのなさ<『ドキュメント感染症利権』著者・山岡淳一郎氏> 」(https://hbol.jp/226488?cx_clicks_art_mdl=2_title)の「レムデシビルという「政治銘柄」」(https://hbol.jp/226488/2)が気になる方が少なくないかもしれない。まさに、「ファビピラビル(アビガン®)」と「レムデシビル(ベクルリー®)」は対照的な扱いといえるかもしれない。医療現場では、「重症化リスクのある患者には確定診断後早期からウイルスの増殖を抑制する治療が望ましい」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200512_10.pdf)のような意見は少なくないであろう。「重症患者に対するレムデシビル(ベクルリー®)」以前に、「軽症からのファビピラビル(アビガン®)治療」を推進できないであろうか。8.17「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について(その4)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659871.pdf)の添付「新型コロナウイルス感染症に対するアビガン(一般名:ファビピラビル)に係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659872.pdf)で「(問 10) 介護老人保健施設(老健)、重症心身障害児施設、精神科単科の病院において(転院が困難な)患者さんに対してアビガンによる治療を行いたいのですがどのようにしたらよいですか。(答) 転院が困難な症例は、医師の経過観察下で、各施設でのアビガン投与をお願いしております。」と示されているように、ファビピラビル(アビガン®)はすでに施設レベルで使用可能な薬剤である。しかし、観察研究である限りは、制約が大きすぎる。7.21厚労省「地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策(サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制)の移行について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000651071.pdf)p5「重症化しやすい方以外の方であれば、新型コロナウイルスに感染しても症状が軽いことが多いため、通常の風邪と症状が変わらない場合は、必ずしも医療機関を受診する必要はない」の受診抑制では、家庭内感染によって重症化しやすい方々に感染してしまう。8.14JBpress「新型コロナ「検査ですべてが解決」という大きな誤解」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61657)の「感染対策の基本は、「手洗い、ソーシャルディスタンス(3密回避)、マスク」と「体調が悪かったら休むこと」」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61657?page=4)は否定しないが、少なくとも有症状時には軽症であってもPCR検査につなげた方が良い。5.8共同「味覚や嗅覚の異常は「軽い症状」に該当」(https://this.kiji.is/631478622357701729)で「厚生労働省の担当者は、味覚や嗅覚の異常については専門家との検討により記載は見送った」とあり、5.8「相談・受診の目安」(https://www.mhlw.go.jp/content/000628619.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000628620.pdf)には、いまだに「味覚や嗅覚の異常」が記されていない。受診抑制、検査抑制、早期治療抑制からの転換が必要と感じる。
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