保健福祉の現場から

感じるままに

高齢者の糖尿病と地域包括ケア

2016年05月25日 | Weblog
キャリアブレイン「高齢者のための血糖管理目標値を初めて設定- 糖尿病学会と老年医学会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48827.html)。<以下引用>
<日本糖尿病学会と日本老年医学会は、高齢者の糖尿病に関する血糖コントロール目標を公表した。軽度の認知症を含めた認知機能や日常生活動作(ADL)の状態、薬剤の使用の有無などに応じて具体的な目標値を設定しており、高齢者の糖尿病を対象としたものは初めてという。血糖コントロール目標について、血糖の正常化を目指す場合は、HbA1cが6.0%未満、合併症を予防するには7.0%未満、治療の強化が難しい場合は8.0%未満とされている。しかし、糖尿病に罹患する高齢者が増加していることや、薬物療法によってけいれんや意識障害などを起こす可能性のある重症低血糖になるリスクが高いことなどから、両学会は65歳以上の糖尿病患者を対象とした新たな目標値を設けた。それによると、認知機能やADLの状態、年齢などに応じて目標値を7つに分類。具体的には、認知機能が正常でADLに問題がない人の場合、インスリン製剤などの薬を使用していなければHbA1c が7.0%未満で、使用していれば65―74歳が7.5%未満、75歳以上は8.0%未満とした。一方、軽度の認知障害がある人や軽度認知症の人、買い物や食事の準備などは難しいもののADLに問題がない人の場合、薬を使っていなければ7.0%未満、使っていれば8.0%未満とした。また、▽中等度以上の認知症▽ADLの低下▽複数の疾患の併存や機能障害―のいずれかに該当する人の場合、薬を使用していなければ8.0%未満、使用していれば8.5%未満と定めた。さらに、インスリン製剤などの薬剤を使用している人には、下限値も設けた。日本糖尿病学会の担当者は、「治療の際に役立ててほしい」と話している。>

日本糖尿病学会「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」(http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=66)は医療関係者だけではなく、介護関係者にも周知しておきたい。「保険者インセンティブの検討状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)p5「国保保険者努力支援制度の前倒し」は今年度からで、「保険者努力支援制度における評価指標の候補」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T160506S0020.pdf)には「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121902.pdf)のほか、国保固有の指標として、「地域包括ケア推進の取組;①地域包括ケアの構築に向けた医療・介護・保健・福祉・住まいなど部局横断的な議論の場への国保部局の参画、②地域包括ケアに資する地域のネットワークへの国保部局の参画、③KDB・レセプトデータを活用した健康事業・介護予防・生活支援の対象となる被保険者の抽出、④個々の国保被保険者に対する保健活動・保健事業の実施状況について、地域の医療・介護・保健・福祉サービス関係者との情報共有の仕組み、⑤国保被保険者を含む高齢者などの居場所・拠点、コミュニティ、生きがい、自立、健康づくりにつながる住民主体の地域活動の国保部局としての支援の実施、⑥国保直診施設を拠点とした地域包括ケアの推進に向けた取組の実施、⑦後期高齢者医療制度と連携した保健事業の実施」もあることを認識したい。高齢者では口腔機能低下や生活支援ニーズ(食事の用意ができない、買い物ができない等)などともセットで考える必要がある。高齢者の糖尿病は地域包括ケアのモデルの一つといえるかもしれない。ところで、一昨年3月の厚労省「医療法人の附帯業務の拡大について」通知(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/igyou/igyoukeiei/dl/140325-02.pdf)で、医療法人による配食サービスが可能になった。経済産業省「健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン」(http://www.meti.go.jp/press/2013/03/20140331008/20140331008.html)では、「医療法人が、配食等を通じた病院食の提供を行うケース」は類型の一つに位置付けられているが、地域での展開はどうなっているであろうか。「規制改革に関する第3次答申~多様で活力ある日本へ~」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150616/item1.pdf)(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/p_index.html)p20「とろみ調整食品などの新たな食品区分の追加【平成28年度結論】;とろみ調整食品を特別用途食品に位置付けることについて、品質及び安全性を担保する規格も含めて検討し、結論を得る。また、医療・介護現場等からの要望に基づき、糖尿病食等の新たな食品区分を追加する仕組みを検討し、結論を得る。」とあった。とろみ調整食や糖尿病食等は、病院・施設ばかりではなく、在宅でも普及すべきと感じる。
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