保健福祉の現場から

感じるままに

疫学調査と検査の積極度合い

2021年03月18日 | Weblog
R3.3.18朝日新聞「菅首相、21日宣言解除を表明 5本柱で「再拡大防ぐ」」(https://www.asahi.com/articles/ASP3L6339P3LUTFK029.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<政府は18日、新型コロナウイルス対応で首都圏4都県に出している緊急事態宣言について、期限の21日までで解除すると決めた。東京都などで新規感染者数が下げ止まりを見せるなかでの判断。リバウンド(感染の再拡大)への懸念は強く、政府は変異ウイルス対策強化など「5本柱」の総合的な対策を決めた。東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県への宣言は、2度の延長を経て、2カ月半で終了する。菅義偉首相は18日の記者会見で「新規感染者数はもちろん、病床の逼迫(ひっぱく)状況も解除の目安を下回っている」と強調した。一方で、「リバウンドが懸念されている」とも指摘。対策として、①飲食を通じた感染の防止策継続②変異ウイルスの監視体制の強化③感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査④安全・迅速なワクチン接種⑤次の感染拡大に備えた医療体制の強化、を掲げた。具体的には、変異ウイルスの感染状況を把握するため、全陽性者の10%程度を抽出して行っている検査を、40%程度に引き上げる。無症状者に繁華街などで幅広く行う検査を4月には1日5千件規模に拡大。高齢者施設などへの集中的な検査も今月末までに3万カ所で行うとした。緊急事態宣言が必要な状況になる前に、飲食店に営業時間の短縮を命令できる「まん延防止等重点措置」の適用の目安は示さなかったが、「必要であれば実行に移すのは当然」と語った。会見に同席した政府分科会の尾身茂会長は再拡大に備えて、重点措置の適用を含めた対策発動の目安を、来週から検討する方針を示した。4都県での感染防止策について、緩和は段階的とするよう求める。全国的な対策として、観光支援策「Go To トラベル」や外国人の新規入国を停止する措置は、当面続ける。首相は会見で飲食業などの事業継続の支援のため、「金融面の対策を早急にまとめる」ことにも言及した。4都県の知事は時短要請を「午後9時まで」として1時間緩和したうえで、22日から31日まで続けることを確認。4月以降は改めて判断する。>

R3.3.18東京新聞「専門家「リバウンド必ず来る」 宣言解除、夏までの感染拡大抑制がカギ」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92345)。<以下引用>
<1都3県の緊急事態宣言は解除されることになったが、専門家たちは「(感染の)リバウンドは必ず来る」と断言する。政府は新たに感染拡大防止の「五本柱」を打ち出したが、ワクチン接種が本格化する夏まで対策を徹底し、感染拡大をどこまで抑制できるかがカギを握る。「4月中にも感染拡大の可能性はある。(宣言解除は)決して、普段の生活に戻るという誤ったメッセージではない」。18日、田村憲久厚生労働相はそうくぎを刺した。2カ月半の宣言期間中、時短要請を柱に外食産業を「急所」として狙い、一定の効果を得た。東京都の一日当たりの新規感染者は、ピーク時より8割以上減り医療体制は危機を脱した。だが、これ以上の効果は見込めないとし、釜萢敏・日本医師会常任理事は「次のステージで対策を講じる」と話す。宣言解除を容認した政府の諮問委員会は解除にあたり、感染源が隠れている「見えにくいクラスター」をあぶり出す積極的疫学調査や、変異株のPCR検査、高齢者施設の感染予防対策など「七つの提言」をした。それを受け、政府は「五本柱」を決めたが、諮問委メンバーは「新しいことはないが、難易度が高いものが残っている」と明かす。舘田一博・東邦大教授は、感染再拡大の予兆を感じたら、ただちに特定地域で「まん延防止等重点措置(まん防)」を取れるような「サーキットブレーカー」導入の必要性に言及。「だらだら宣言を続けるよりも一度解除し、新しい定義のもとに(感染源を)たたく。ハンマー&ダンス。まん防を繰り返し、ワクチンを待つイメージだ」と言う。諮問委メンバーの竹森俊平・慶応大経済学部教授は「6月あたりからワクチンの供給数が増える。東京五輪も控える中、国力を集結し、再度の緊急事態宣言は避けたい」としている。メンバーたちは「第4波」回避のため、市民に対し、「3密」回避やマスク着用など感染防止対策の基本に立ち返るように呼び掛ける。>

R3.3.18NHK「宣言解除へ 小池知事「新しい段階 この機会に総合的な対策」」(https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210318/1000061820.html)。<以下引用>
<首都圏の1都3県の緊急事態宣言が今月21日で解除される見通しになったことについて、東京都の小池知事は「新しい段階に入ったと考え、この機会に総合的な対策を進めていきたい」と述べました。このなかで小池知事は「宣言が解除されて以降、何をしてもいいのかと言えばそうではなく、新しい段階に入ったと考えていただきたい」と述べ、感染防止対策の継続が重要だという考えを示しました。また、「医療の受け皿をステージ2に持っていくべく準備を重ね、その結果はだいぶ出てきている。感染者数は増えるかもしれないが、国とも連携して検査を進めるなど、この機会に総合的な対策を進めていきたい。みなさんとともに感染を抑え込んでいきたい」と述べました。>

R3.3.18NHK「宮城 感染1日100人超 知事が対応発表へ」(https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20210318/6000014008.html)。<以下引用>
<県内での新型コロナウイルスの感染確認が、17日、初めて100人を超え107人にのぼった状況を受け、村井知事は、18日、会見を開いて、対応を示すことにしています。県内ではこれまで、1日に発表された新たな感染者数は、ことし1月14日の87人が最多でした。その後、先月、いったん勢いが弱まりましたが、今月2日以降、ふた桁が続き、16日の69人から、17日、一気に107人と初めて100人を超えました。このうち、仙台市だけで75人で、市は、濃厚接触者を特定できないおそれがあるとして、仙台市若林区のカラオケ喫茶「ブロードウェイ」を公表し、今月8日から13日の、午前11時から午後5時の間に、この店を訪れた人はコールセンターに連絡してほしいと呼びかけています。電話番号は、022−398−9211です。感染拡大の状況を受けて、村井知事は、実効性ある対応を検討し、18日、記者会見で発表したいとしています。一方、西村経済再生担当大臣は、宮城県の人口10万人当たりの新規の感染者数などが「ステージ3」に近づきつつあると指摘し、緊急事態宣言が解除された地域で実施している、無症状の人を対象にしたPCR検査を、宮城県でも行う方向で調整を進めていることを明らかにしています。>

R3.3.18NHK「宮城 村井知事 独自の緊急事態宣言を発出 感染者急増で」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210318/k10012922091000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_024)。<以下引用>
<宮城県内で17日、初めて新型コロナウイルスの感染確認の発表が100人を超えるなど、急激に感染者が増加していることを受けて、宮城県と仙台市は、独自の緊急事態宣言を発出しました。飲食店などへの時短要請は行いませんが、仙台市内の繁華街で集中的なPCR検査を実施することにしています。宮城県内では17日、新型コロナの1日の感染確認の発表が107人と過去最多となったほか、18日も98人の感染確認が発表されるなど感染者が急増しています。また、患者1人が17日に死亡したことも発表され、県内で感染が確認され亡くなった人は27人となりました。宮城県の村井知事と仙台市の郡市長は緊急の記者会見を開き、このまま感染拡大が続けば医療提供体制がひっ迫するおそれがあるとして、県独自の緊急事態宣言を発出しました。期間は来月11日までで、範囲は全域です。飲食店などへの営業時間の短縮要請など、県民に対して新たな要請は行わず、歓送迎会や花見での大人数の宴会の自粛などを引き続き求める形となっています。ただ、特に仙台市内で感染が拡大していることから、市内の繁華街で集中的にPCR検査を実施するということです。村井知事は会見で「特措法による宣言ではないが、持っている意味は同じだと理解してほしい。県民全体で不要不急の外出は控えてほしい。旅行も自粛してもらいたい。感染が拡大すれば飲食店の営業時間の短縮要請を行うことも十分ありえる」と述べました。また、郡市長は「リバウンドを抑え込むために、国や県に職員の応援をお願いし、感染の連鎖を断ち切りたい。市民の方には会食における細心の注意と、一人一人の最大限の努力、協力をお願いしたい」と述べました。>

R3.3.18朝日新聞「北海道のコロナ感染じわり増 1カ月半ぶり高水準に」(https://www.asahi.com/articles/ASP3L5R1RP3LIIPE019.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<北海道では18日、新型コロナウイルスの感染者が新たに96人確認された。新たな死者はなかった。1日あたりの新規感染者数は2月4日(120人)以来、約1カ月半ぶりの高水準となった。感染者数が50人を超えるのは4日連続。また、札幌市で9人が変異ウイルスに感染したことが確定した。道内での変異株感染確定は計22人(札幌市21人、小樽市1人)となった。新規感染者が確認された内訳は札幌市65人、函館市4人、小樽市1人、その他26人。札幌市では感染者数が再び増加傾向にあるとして、秋元克広市長が19日に臨時で記者会見を行い、感染拡大への注意を呼びかける方針。北海道では昨年10月末から感染「第3波」に襲われ、道は集中対策期間を設定して札幌・ススキノ地区の飲食店への時短要請などを行ってきた。集中対策期間は今月7日に終了したが、その後10日に変異株感染が道内で初めて確認され、その後も新規感染者数は下げ止まり、やや上昇傾向にある。>

R3.3.18日刊ゲンダイ「宣言解除の障壁 感染リバウンド招いた東京限定「3つの災厄」」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286593)が出ているが、R3.2.18DIAMOND「「PCR検査を無症状感染者にも」が可能になった理由、墨田区保健所長に聞く(上)」(https://diamond.jp/articles/-/263131)、R3.2.19DIAMOND「コロナ対策「墨田区モデル」の立役者が語る、入院待ち患者ゼロ持続の理由 西塚至・墨田区保健所長インタビュー(下)」(https://diamond.jp/articles/-/263248)をみると、同じ都内でも区によって随分対応が異なるのかもしれない。基本的対処方針(https://corona.go.jp/news/news_20200411_53.html)のR3.2.12方針(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_h_20210212.pdf)p27「より効果的な感染拡大防止につなげるため、積極的疫学調査を実施する際に優先度も考慮する。」とあり、積極的疫学調査(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html)の縮小は政府公認であったが、R3.3.5「新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえた積極的疫学調査等保健所業務について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000750756.pdf)で「保健所における積極的疫学調査については、「新型コロナウイルス感染症に関する保健所体制の整備と感染拡大期における優先度を踏まえた保健所業務の実施について」(令和3年1月8日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)において、全国の感染者数と重症者数が高い水準で推進している状況を踏まえ、業務の重点化の検討をお願いしてきたところですが、感染状況の推移を踏まえ、改めて感染源の特定も含めた後ろ向き調査も含め、積極的疫学調査の強化を行っていただきますようお願いいたします。」と方針転換されている。R3.1.22時事「「積極的疫学調査」を縮小 高齢者らの対応優先―東京都」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012201286&g=soc)について、R3.2.28日刊ゲンダイ「首都圏“宣言”解除に暗雲 都が積極的調査で陽性掘り起こし」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/285763)で「小池都知事は26日、積極的疫学調査を再開する方針を示した。」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/285763/2)とあった。R3.3.18「新型コロナウイルス感染症対策本部」(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r030318.pdf)のp95~「緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルス感染症への対応(案)」p6「各保健所では、昨年11 月20 日に厚生労働省の事務連絡で示した優先度を踏まえて積極的疫学調査に取り組んできたが、感染状況の改善に伴い改めて対応を強化していくことが必要であり、その際には変異株への対応も必要となる。このため、IHEAT の積極的な活用も図りながら、変異株への対応といった観点も踏まえつつ、感染源の推定のためのいわゆる「深掘積極的疫学調査」(濃厚接触者等の探索のため患者の感染可能期間の行動歴等を調査する「前向き積極的疫学調査」に加えて行う、感染源の推定のため患者の発症前の行動歴等をさかのぼって調査する「後ろ向き積極的疫学調査」。)を含めた積極的疫学調査の強化を図る。」とある。R3.3.4日本医師会「新型コロナウイルス感染症に関する最近の動向について」(https://www.med.or.jp/nichiionline/article/009910.html)の「積極的疫学調査が可能なステージ2のレベルまで感染者数を抑え込む必要がある」について、「ステージ3・4では積極的疫学調査ができない」と誤解されないようにしなければいけない。ところで、「緊急事態措置、まん延防止等重点措置等」(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kinkyujitaisochi_20210212.pdf)について、緊急事態宣言(https://corona.go.jp/emergency/)は柔軟に対応すべきで、今後、「まん延防止等重点措置」では、R2.9.15「新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた指針」(https://www.mhlw.go.jp/content/000672623.pdf)p5「クラスターの発生など地域の感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合は、地域の関係者への幅広い検査」「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域において、その期間、医療機関や高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象とする一斉・定期的な検査」が普及されても良いかもしれない。R2.5.8共同「味覚や嗅覚の異常は「軽い症状」に該当」(https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/239077)で「厚生労働省の担当者は、味覚や嗅覚の異常については専門家との検討により記載は見送った」とあり、厚労省「相談・受診の目安」(https://www.mhlw.go.jp/content/000628619.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/000628620.pdf)には、いまだに「味覚や嗅覚の異常」が記されていない。「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2021年1月8日暫定版)」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html)p2「新型コロナウイルス感染症を疑う症状」は「発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など」とされ、ここでも「味覚や嗅覚の異常」が記されていないが、何とかならないのであろうか。当初は、日本感染症学会(https://www.kansensho.or.jp/)と日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の連名発出のR2.4.2「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_rinsho_200402.pdf)(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_rinshotaio.pdf)p1「PCR検査の原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とする。軽症例には基本的にPCR 検査を推奨しない。時間の経過とともに重症化傾向がみられた場合にはPCR法の実施も考慮する。」とされていたが、R3.2.18日本感染症学会「花粉症患者の中に紛れ込む新型コロナウイルス感染症のリスク― “あやしい” と感じたときには積極的な検査を ―」(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_kafunsho_210218.pdf)と全く変わっていることを周知すべきと感じる。R3.3.18現代「緊急事態宣言、“解除前夜”に最前線の専門家がどうしても伝えたかった“ある”メッセージ コロナとどう対峙する?」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81094)のように「感染予防徹底」も重要なのであるが、R2.5.29新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/jyoukyou_bunseki_0529.pdf)p23「検査体制の拡充とあわせ、早期診断により患者を軽症段階で確実に捕捉し、早期の介入によって、重症者・死亡者の発生を防ぐ。 ⇒過度に恐れずとも済む病気に変えていく。」にどれだけ近づけるか、であろう。
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