保健福祉の現場から

感じるままに

PCR検査の検出限界

2021年03月24日 | Weblog
R3.3.24山形新聞「済生病院の5人、再検査は陰性 山形市「クラスターではない」」(https://www.yamagata-np.jp/news/202103/24/kj_2021032400474.php)。<以下引用>
<山形市は23日、新型コロナウイルスに感染したと22日に公表した山形済生病院(同市)の20~40代の職員の男女5人について、再検査の結果、陰性だったと発表した。同病院職員の感染者は6人から1人となり、市はクラスター(感染者集団)ではなくなったとの認識を示した。市健康増進課によると、5人は21日のPCR検査で陽性と判定されたが、いずれも無症状で、ウイルスは微量だったという。病院と市が協議し、22日に同一検体で再検査、23日には新たな検体を用いて別の機関で再々検査をしたところ、いずれも陰性だった。同課は「いったん陽性の判定が出た原因は調査中」としている。PCR検査の感度は一般的に7割程度とされている。県新型コロナワクチン接種総合企画課によると、陽性といったん公表した後、陰性と修正するケースは県内で初めてという。感染者数については今回の5人を欠番として取り扱い、繰り上げはしない方向で検討中。同課は「他県では同じような事例はある」としている。>

国立感染症研究所「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200318.pdf)に出ている検査は、陽性一致率及び陰性一致率ともに90%以上である。新型コロナウイルス感染症に関する検査(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html)について、PCR検査(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html#h2_free1)、抗原検査(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html#h2_free2)の特徴を理解する必要がある。抗原検査(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html#h2_free2)では、全国各地で、R2.10.28NHK「コロナ抗原検査 簡易キットで「偽陽性」全国で少なくとも125件」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201028/k10012684281000.html?utm_int=news_contents_news-main_001_relation_002)、R2.10.3朝日新聞「コロナ感染してないのに「陽性」 誤判定続く簡易キット」(https://www.asahi.com/articles/ASNB163F5N9ZULBJ019.html)、R3.1.29読売新聞「感染と発表した3人「実は感染していなかった」…県が取り下げ」(https://www.yomiuri.co.jp/national/20210128-OYT1T50320/)のような取り消しケースが続出しているが、R3.3.3「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針第3.1版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000747986.pdf)p6「抗原定性検査;使用上の留意点としてライノウイルス感染症などで偽陽性となる可能性が指摘され検討されている。」は認識したい。また、PCR検査(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html#h2_free1)について、「台湾のコロナ感染増加で浮き彫り、日本政府との「決定的な対応の違い」とは」(https://diamond.jp/articles/-/263072)の「台湾はPCR検査のCt値が35未満で陽性に判定すると発表されている。ちなみに、日本の国立感染症研究所の「新型コロナ検査マニュアル」ではCt値が40以内で陽性と定めている」(https://diamond.jp/articles/-/263072?page=4)とあり、また、R3.1.22「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」(https://www.mhlw.go.jp/content/000725922.pdf)p2「例えば、感染研法による場合、検体プール検査法による検出限界を100コピー/テストとすると、Ct値では35程度になることから、CT値30~35付近の陽性検体をCt値に偏りなく混ぜて20以上のプール化検体を作成し(陰性検体も同数)を作成し、一致率(陽性検体を混合したプール化検体は陽性になること、陰性検体からなるプール化検体は陰性になること)が85%以上であるか確認することが適当である(FDAでは、プール化した検体数(例えば、5つの検体を同時に混合してまとめた検体)を20以上(カットオフCtに近い検体(前述の場合であれば35)を25%以上含めることが推奨されている)として評価することを推奨している)」とある。Ct値のカットオフ値の設定によって、検査結果が変わるであろう。「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00216.html)のR3.2.11資料6「「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」報告書(期間:2020年10月3日―2021年1月13日)エグゼクティブサマリー(暫定版)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000737690.pdf)p2「検出限界」に大きな違いがみられており、p3対策の一つに「判定基準の設定」が挙げられている。R2.10.29新型コロナウイルス感染症対策分科会「検査体制の基本的な考え・戦略(第2版)」(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kensa_senryaku_13.pdf)p6~9「② b 無症状者 感染リスク及び検査前確率が低い場合」では、p8「偽陰性」のデメリットが強調されているが、Ct値の検出限界を上げれば良いというものではないように感じる。そういえば、R3.3.18「新型コロナウイルス感染症対策本部」(https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r030318.pdf)のp95~「資料5-2 緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルス感染症への対応(案)」p6「民間検査については、国が年度内を目途に示す精度管理マニュアルを参考に適切な精度管理を行う」とある。
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