保健福祉の現場から

感じるままに

甲状腺検査の行方

2015年02月12日 | Weblog
東京新聞「2巡目で1人がん確定、福島 甲状腺検査で報告」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015021201001706.html)。<以下引用>
<東京電力福島第1原発事故の影響を調べる福島県の「県民健康調査」の検討委員会が12日、福島市で開かれた。全ての子どもが対象の甲状腺検査で、事故から3年目までの1巡目検査で「問題ない」とされた1人が、昨年4月からの2巡目で、がんと診断が確定したと報告された。また、がんの疑いは7人に上った。2巡目でがんの確定診断が出たのは初。委員会で星北斗座長は「新しい結果が出たが、これまでの考えを変える必要はないと思う」と述べ、放射線の影響を否定した。調査主体の福島県立医大によると、確定と疑いの計8人は事故当時6~17歳の男女で、腫瘍の大きさは6~17・3ミリ。>

福島県「県民健康調査」検討委員会資料(http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-18-siryo.html)が出ている。「資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査(本格検査)」実施状況」(http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/101600.pdf)では、甲状腺検査は「平成26年4月2日から検査を開始し、平成26年度及び平成27年度の2か年で検査を実施する。その後は、対象者が20歳までは2年ごと、それ以降は5年ごとに検査を実施し、長期にわたり検査を実施する。」とあり、今後の調査結果が注目される。しかし、コントロール群がなければ、放射線の影響は論じにくいであろう。
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地域医療構想の行方

2015年02月12日 | Weblog
地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=216011)の12日資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000073913.html)には目を通しておきたい。「2025年の医療需要と各医療機能の必要量の推計方法(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000073906.pdf)p9では、療養病床の入院患者については、医療資源投入量とは別に、以下の考え方で慢性期機能及び在宅医療等の医療需要について「医療区分Ⅰの患者の○%は、将来時点で在宅医療等の医療需要とする」とあるが、○の数字がポイントであろう。「病床機能報告制度において報告される情報の公表のあり方等(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000073907.pdf)p2では「具体的な医療の内容に関する項目は、原則大項目のレセプト件数のみ公表(※)※ 手術件数のうちの臓器別件数、リハビリテーション件数のうちの疾患別件数等について、患者等の選択に資する観点から公表する。」とあり、別紙2「公表しなければならない項目の整理について(案)」が出ている。日本病院会「地域医療構想(ビジョン)ガイドライン策定に関しての要望」(http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20140917_01.pdf)では「病床機能報告制度により渉猟したデータは地域医療構想、(ビジョン)の作成、評価に必須のものであり、協議の場に参加するものに限らず、すべてのものに公開すること。」とあったが、地域医療構想では、地域における関係機関・職能団体との情報共有がカギになるような気がする。しかし、診療実績は各都道府県の医療機能情報HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)でも公表されており、あまり絞ることはないように感じる。それよりも医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB分析の情報共有こそが必要と感じる。とりあえず「地域医療構想策定ガイドライン(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000073912.pdf)を理解しておきたい。p17「がん、脳卒中及び急性心筋梗塞については、医療計画を踏まえて構想区域ごとに改めて確認・検討することとし、同様に、認知症疾患医療センターや難病医療拠点病院(予定)といった関連する法・制度に基づく医療提供体制についても、構想区域ごとに確認・検討することが望ましい。」とあるように、地域医療構想は一般病床、療養病床の機能区分だけではない。それぞれの地域において、p22「病床の機能分化・連携に係る具体的な取組例」、p25~26「在宅医療の充実に係る具体的な取組例」の検証が必要であろう。
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緩和ケアの普及啓発

2015年02月12日 | Weblog
キャリアブレイン「まちかど「がん相談室」in大阪が開催- セミナーや個別相談などで緩和ケアを啓発」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44930.html)。<以下引用>
<まちかど「がん相談室」in大阪が11日、JR大阪駅北側の複合施設「グランフロント大阪」で開催された。緩和ケアを正しく知ってもらおうと、7人の講師がセミナーを実施したほか、近畿圏にあるがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターの相談員らが個別相談に応じるという珍しい試みもあった。同イベントは厚生労働省から委託された日本緩和医療学会の緩和ケア普及啓発事業の一環で、同学会初の試み。開催場所が祝日の買い物客でにぎわう商業施設とあって、多くの人が立ち止まって耳を傾けた。セミナーは、▽緩和ケアってなに?▽がんで痛いときどうすればいいの?▽がんの治療ってどうするの?▽がんの不安や心配はどうすればいいの?▽いろんな生活の心配はどうすればいいの?▽お薬の心配はどうすればいいの?▽仕事やお金の心配はどうすればいいの?-という7つのテーマで、医師、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーがそれぞれ専門職の立場から分かりやすく平易な言葉で解説した。セミナーの中では、がんと分かった時点から緩和ケアを受けることの重要性や依然として根強い医療用麻薬への誤解の解消、痛みやつらさを訴えることの大切さなど、緩和ケアの有用性が繰り返し強調された。また、個別相談はプライバシーに配慮し、パーテーションで仕切られた8つのブースで実施され、朝11時から常時ほぼ満席の状態だった。1日で90組の相談を受け、相談内容は今後の治療方針に関する悩みや家族としての対応などをはじめ、中には「相談窓口が分からない」という相談もあったという。>

緩和ケアの普及啓発事業であるオレンジバルーンプロジェクト(http://www.kanwacare.net/formedical/)を普及する必要がある。「がん対策に関する世論調査」(http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-gantaisaku/index.html)では、緩和ケアに対する認知度が上昇(http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-gantaisaku/2-4.html)しているが、自分たちの自治体で行われている緩和ケアの状況はどれほど知られているであろうか。住民に対する普及啓発は、地域住民が、①在宅医療・介護にかかる地域の実情を知る、②在宅医療・介護に従事する職種の機能や役割を知る、③在宅医療・介護で利用できるサービス内容(コスト含む)や相談場所を知る、④療養場所として「在宅」が選択肢にあることを理解する、⑤自分のこととして終末期医療について考えられる、を目的(「24時間365日 安心して暮らし続けられる地域に向けて ---看護がすすめる地域包括ケア」参考(http://mokuseisya.com/pg339.html)とし、それぞれの地域における継続的な事業展開が必要と感じる。平成26年3月20日の新たな財政支援制度にかかる都道府県担当者会議(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226651633445)で例示された54事業の中で、11番の「住民に対する広報活動」があるが、それぞれの地域において、積極的な実施を期待したい。そういえば、がん対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-gan.html?tid=128235)の1月15日資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000068684.html)で、「緩和ケア分野」の進捗管理指標(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000068671.pdf)が出ていた。
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気になる薬事監視

2015年02月12日 | Weblog
朝日新聞「薬歴の未記載、3年前に情報 厚労省、調査に入らず」(http://apital.asahi.com/article/news/2015021200018.html)。<以下引用>
<薬局チェーン「くすりの福太郎」(千葉県鎌ケ谷市)の薬局で大量の薬剤服用歴(薬歴)が記載されていない問題について、福太郎の元薬剤師が厚生労働省の複数の出先機関に3年前から情報提供していた。厚労省は現在も福太郎の調査に入っていない。情報提供していたのは、福太郎の薬局に勤めていた元薬剤師。2012年3月ごろ、関東信越厚生局千葉事務所に電話し、名前は伏せたが福太郎の元薬剤師であることを伝えた。勤めたことがある福太郎の複数の薬局で薬剤師が薬歴を書いていない状況を30分ほど説明したが「文書にして送って下さい」と言われた。すぐに文書を千葉事務所に郵送したが、その後も厚生局の動きがないため、約1カ月後に電話で確認すると「いただいた情報をどうするかは答えられない」という返事だった。翌13年3月、福太郎本社は薬歴の記載状況を調べ、約17万件の未記載を把握した。この調査結果は各店舗の従業員が閲覧でき、未記載の薬歴数が担当の薬剤師ごとに示されていた。>

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html)第69条の国、県の薬事監視員(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E4%BA%8B%E7%9B%A3%E8%A6%96%E5%93%A1)による立入検査がどうなっているか、である。薬事行政関係資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001xvh7.html)に注目したい。以前、「11年度末現在で薬事法上の許可・届け出があった62万2538施設の約3分の1に当たる21万1432施設に立ち入り検査を実施。その結果、9980施設で1万6303件の違反が見つかった。」(http://www.yakuji.co.jp/entry29196.html)と報道されていたが、都道府県では薬事監視指導計画(http://www.pref.chiba.lg.jp/yakumu/jouhoukoukai/shingikai/yakujishingikai/documents/kyougisiryou.pdf)に基づく薬事監視と結果の公表が必要であろう。そういえば、平成25年度から医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S35/S35HO145.html)(39条2項、39条の3第1項、69条2項、70条1項、72条4項、72条の4、73条、75条1項)の保健所設置市及び特別区へ移譲がなされている。
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成田医学部の行方

2015年02月12日 | Weblog
M3「成田・医学部、有識者4人のヒアリング
「国際的医療人材」「医師不足」の視点で提言」(http://www.m3.com/iryoIshin/article/293576/)。<以下引用>
<国家戦略特別区域の「東京圏」の成田市分科会の第2回会議が2月9日に開催され、4人の医師からヒアリングした(資料は、内閣府のホームページに掲載)。成田市分科会は、成田市と国際医療福祉大学による、特区での医学部新設を検討するために、昨年12月、設置された(『成田・医学部、「国際」全面に、定員140人』を参照)。東京大学大学院医学系研究科教授の渋谷健司氏をはじめ、4人をヒアリング対象者として選んだ理由について、内閣府地方創生推進室は、「今回の医学部新設に当たって、地域医療への影響があるか、また(国際医療福祉大学は)国際的医療人材の育成を掲げているので、これらの視点から有識者の意見を聞くことにした」と説明する。ヒアリング対象者は、渋谷氏のほか、奈良信雄・東京医科歯科大学医歯学教育システム研究センター長、大学院医歯学総合研究科臨床検査医学分野教授、福井次矢・聖路加国際大学理事長・聖路加国際病院院長、湯地晃一郎・東京大学医科学研究所、国際先端医療社会連携研究部門特任准教授の4人。内閣府によると、渋谷氏は、グローバルヘルスの観点から国際的な人材を養成する医学部の必要性を指摘。奈良氏は、医学教育の研究を進めている立場から、日本と海外の医学教育の現状を比較しながら紹介。いわゆる「2023年問題」、つまり2023年以降は、世界医学教育連盟(WFME)で認定された医学教育を行うことが求められるが、日本の臨床実習の少なさなどの問題も指摘したという。福井氏と湯地氏は、資料を用いてプレゼンテーションした。福井氏は、「医師の数」と「医師の質」の両面から、「新たな医師養成機関の設立」を提言。(1)優れた臨床医、(2)拡大する医師の役割(研究者、プライマリ・ケア医、国際性)、(3)先進的カリキュラム(導入、開発)――といった観点から、その必要性を指摘した。湯地氏は、人口1000人当たりの医師数の国別・都道府県別の比較、地方間の医師移動などの現状のデータを紹介。千葉県の医師数について、2010年と2035年の推計を提示。「千葉県については、今も、今後も医師数が少ないことから、地域医療の担い手を養成する観点からも、医学部の新設が必要との意見だった」(内閣府)。次回の開催時期や議論の内容は未定という。医学部新設は、2003年の文科省告示で制限されている。新設するには、特区における告示の特例を策定する必要がある。>

国家戦略特別区域会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/kuikikaigi.html)の東京圏(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken.html)の成田市分科会(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken/naritashi.html)の9日資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken/naritashi/dai2/shiryou.html)が出ているが、東京圏国家戦略特区における医学部新設問題について、全国医学部長病院長会議の反対声明(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141224_g2.pdf)、日本医師会の記者会見資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141224_g1.pdf)に対しては答えていない感じである。そういえば、先般の総務省「医師等の確保対策に関する行政評価・監視<調査結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/91719.html)の勧告(http://www.soumu.go.jp/main_content/000334420.pdf)p1「二次医療圏別人口10万対医療施設従事医師数を都道府県ごとに平成20年と24年で比較したところ、)47都道府県中32都道府県において医師数の較差(最大値/最小値)が拡大し、)33都道府県において医師数の変動係数が大きくなっている。このように、都道府県内の医師の偏在は拡大しており、依然として解消されていない。」、p2「26年度の地域枠入学定員は500人となっている。」とあった。現在、東北薬科大学(http://www.tohoku-pharm.ac.jp/new/index.cgi)で医学部新設が進められ、東京圏国家戦略特別区域会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken/dai2/shiryou.html)では成田市における「国際的な医療人材の育成のための医学部等の新設に関する検討について「極めて重要かつ緊急性が高い」とされているが、医師養成がいくら増えても偏在が拡充してはいけないであろう。ネット記事(http://yoshiko-sakurai.jp/2013/05/09/4677)では「2023年までに日本の医学教育が国際標準に改められない限り、日本の医学部の学生は米国の医師国家試験を受けられなくなる」とあるが、米国からの外圧があるとすれば悲しいことである。法科大学院定員割れ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%AE%9A%E5%93%A1%E5%89%B2%E3%82%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C)と同じ轍を踏んではいけないであろう。
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急性期⇒慢性期は多い

2015年02月12日 | Weblog
平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)の概要資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039378.pdf)p9~10で示されるように、急性期・回復期を含む在宅医療・介護連携である。従来から、急性期⇒回復期⇒慢性期の構図が描かれるが、実際には、急性期⇒慢性期も少なくない。診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)p30「7対1入院基本料における自宅等退院割合75%要件」があることがそれを示している。例えば、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/siryou1_1.pdf)p11~13にある「都道府県医療介護連携調整実証事業」は現在9府県の二次医療圏において、保健所保健師が中心的な役割を果たして、病院ネットワーク+ケアマネネットワーク+病院・ケアマネ協議によって、適切な退院支援を行い、要支援・要介護の入院者をケアマネにつなぐよう図られているが、医療介護連携は急性期病院の退院支援ルールがポイントになっている。この際、診療報酬での地域連携診療計画は、急性期⇒慢性期も評価すべきである。急性期病院における医療介護連携を考慮すれば、地域完結=市町村完結ではないであろう。
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認知症と危険な運転

2015年02月12日 | Weblog
朝日新聞「「認知症と危険な運転、関係不明」 学会が警察庁に意見書」(http://apital.asahi.com/article/news/2015021100005.html)。<以下引用>
<警察庁が75歳以上の認知機能を調べる検査の機会を増やし、認知症の人の運転を防ぐよう努める道路交通法改正試案を公表したことに対して、日本精神神経学会(東京)は「認知症と危険な運転との因果関係は明らかでない」とする意見書を同庁に出した。改正試案は拙速だとして、通常国会への法案提出を見送るよう求めている。意見書は3日付。認知症と危険な運転との因果関係が明らかではない理由について、「認知症の診断は短期記憶の障害を重視しているが、記憶障害自体が運転に与える影響は小さい」とした。さらに、認知症の診断をする医師が確保できていないことや運転免許を失った後の生活への影響などを改正試案の問題点として挙げた。学会は精神科医ら約1万6千人がつくる公益社団法人。>

キャリアブレイン「高齢運転者、「認知症疑い」で診断義務化へ- 警察庁、道路交通法改正試案を発表 」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44837.html)について、先週、日本精神神経学会「「道路交通法改正試案」に対する意見」(https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/files/20150203.pdf)が出ているが、「認知症と危険な運転との因果関係は明らかでない」「診断する医師の確保がなされていない」「運転を奪うことによる生活障害への保障がない」「困惑している家族を救わない」の理由で否定的である。しかし、認知症が進んだ状況での運転は避けるべき、の意見の方が多いであろう。そのための仕組みづくりは必要と感じる。例えば、とりあえず、要支援・要介護認定者について優先的に対応する方法もあるかもしれない。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12304500-Roukenkyoku-Ninchishougyakutaiboushitaisakusuishinshitsu/01_1.pdf)p9で認知症の急増が予測される中で、「認知症と運転免許」の社会的関心を高める必要がある。全国各地の自治体で実施された日常生活圏域ニーズ調査(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-2.pdf)をみれば、要介護認定を受けていない一般の高齢者でもいかに認知リスクの割合が高いかわかるが、あまり知られていないように感じる。日本医師会「道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20140910_1.pdf)、日本精神神経学会「患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン」(https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/car_crash_penalty/guideline.html)はどれほど活用されているであろうか。
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