保健福祉の現場から

感じるままに

社会保障制度改革の誠実さ

2013年02月26日 | Weblog
19日の社会保障制度改革国民会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai4/gijisidai.html)での経済同友会資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai4/siryou5.pdf)はどれほど周知されているであろうか。p3では、74歳以下の公的医療保険制度の運営主体は道州で、3割自己負担・7割保険料、また、75歳以上の新・高齢者医療制度の運営主体は道州で、3割自己負担・7割税、p4では、介護保険制度の対象は要介護2以上で、運営主体は基礎自治体で、2割自己負担・8割税+保険料、の設計が提案されている。「社会保障制度改革推進法」(http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18001024.htm)第六条2項に「医療保険制度については、(中略)保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図ること。」、第七条に「政府は、介護保険の保険給付の対象となる保健医療サービス及び福祉サービスの範囲の適正化等による介護サービスの効率化及び重点化を図る」とあり、まさに、公的医療保険・介護保険の適正化・効率化・重点化である。現在、社会保障制度改革国民会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/)で、医療(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai2/siryou3.pdf)や介護(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai2/siryou4.pdf)が議論されている最中であるが、既に平成23年6月の社会保障・税一体改革成案(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/pdf/230701houkoku.pdf)p19では、平均在院⽇数の減少等(▲4,300億円程度)、外来受診の適正化等(⽣活習慣病予防、医療連携、ICT、番号、保険者機能の強化等)(▲1,200億円程度)、介護施設の重点化(在宅への移⾏)(▲1,800億円程度)、要介護認定者数:2025年に現行ベースより3%程度減少とされており、具体的な項目がある程度決まっているようにみえる。公的医療保険の道州運営についても、先日、時事通信「道州制法案、今国会提出へ=与野党各党と協議-自民」(http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013022100850)と報道されており、夢物語ではない。しかし、国民会議といいながら、住民認識との乖離が大きいように感じる。高齢化の急速な進展に伴って、増税だけではなく、保険料負担や自己負担の増大が避けられないということは、薄々感じられているであろうが、それが、いつ頃から、どの程度のものなのか、具体的な提案が周知されていない。政府が国会提出する道州制法案もそうであろう。その昔、平成12年度からの介護保険制度導入の際には、かなり以前から緻密な政府戦略が練られていたように感じる。誠実な姿勢で行政側からの丁寧な説明があった。しかし、後期高齢者医療制度(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E6%9C%9F%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%88%B6%E5%BA%A6)や障害者自立支援法(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%87%AA%E7%AB%8B%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%B3%95)では、雰囲気が異なっていたかもしれない。2005年の郵政解散(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E6%94%BF%E8%A7%A3%E6%95%A3)の頃、保健福祉の現場では、同年10月からの食費・居住費の保険給付対象外への変更や障害者自立支援法(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E8%87%AA%E7%AB%8B%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%B3%95)が大きな話題になっていたが、ほとんどの大手マスコミが、こうした生活に密着した事項をスルーしたことは記憶に新しい。今年7月の参議院選挙前に、社会保障制度改革国民会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/dai4/gijisidai.html)の協議内容がどれほど具体的に報道されるか、注目かもしれない。やはり、ネット情報は貴重である。
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地域精神医療福祉が変わる

2013年02月26日 | Weblog
精神保健福祉法改正案(精神障害の医療の提供を確保するための指針策定、保護者に関する規定の削除、医療保護入院の見直し等)が今年4月上旬に国会提出予定(施行日は退院促進は平成28年4月1日、その他は平成26年4月1日)と出ている(保健衛生ニュース2月25日号)。精神科医療の機能分化と質の向上(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ea3j-att/2r9852000002ea50.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ea3j-att/2r9852000002ea7d.pdf)、医療保護入院等の見直し(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e9rk-att/2r9852000002e9t1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e9rk-att/2r9852000002e9u6.pdf)によって、地域精神医療福祉が大きく変わろうとしている。障害者雇用の促進法一部改正案(精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える等)や労働安全衛生法一部改正案(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/179.html)も国会提出されるという(保健衛生ニュース2月25日号)。既に平成24年3月30日付厚労省通知(障発0330第11号)の「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」が出ているのであるが、精神保健医療福祉を取り巻く一連の動きを踏まえて、今後、保健所における精神保健福祉業務が機能強化される必要がある。その一つが「医療計画」である。新たな医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)では、保健所が中心になって、障害福祉計画を進める市町村と協働し、地域精神保健医療福祉全般を評価・推進すべきであろう。精神保健医療福祉の改革ビジョン研究ページ(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/index.html)で、630調査関連データ(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)が出ており、この資料(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/pdf/data_h22/h22_630_sasshitai.pdf)では平成22年6月30日現在の都道府県の詳細な実態が出ている。地域全体の実態を理解しておきたい。精神保健福祉にはますます「虫の目、鳥の目、魚の目」(http://www.happylifestyle.com/6210)が欠かせないであろう。


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