昨日のブログに早速コメントが届いた。感謝である。「22人集まれば22のドラマがあります。老人クラス会は下手な演劇より、うーんと味があり、最高のイベントですね」とあったけれど、まさにその通りだった。何十年ぶりかで参加した人もいたが、彼は、高校生の頃はクラスの中心的な存在だった。事務所を構えて仕事をしていたけれど、うまくいかなくて倒産し、妻とは離婚してひとり長距離のトラック運転手をしていたそうだ。「やっと借金が返せて、また元のカミさんと再婚しました」と言う。
彼を見つけたのは中のよかった友だちで、場所は病院だったと言う。すれ違った時、どこかで見たと思ったそうだ。それが会計の時に呼ばれた名前を聞いて、「やっぱりそうだ」と思い、近づいて声をかけたが、相手は「どなたですか?」と言う。名前を名乗って顔を見合わせるうちに、「おお!」と抱き合ったようだ。その友だちの方は「3回結婚し、3回離婚して今は独身」と言う。病気になって仕事を辞めたけれど、今は新しい仕事を見つけて働いている者もいれば、地域の消防団で活躍している者もいる。
クラウンやレクサス、ホンダの2000GTに乗ってくる人もいるし、本人の手作りのカヤックを積み込んできた人もいる。この不景気の中でも仕事がうまくいって、何人もの人を使っている人もいるし、ロータリー・クラブのメンバーになった人もいる。近況報告を聞いていると、それぞれが長い人生を送ってきたことがよく分かる。順風満帆のように見えた人も、逆に苦労の連続だったように見えた人も、きっと真剣勝負の時が何回もあったのだろうけれど、今は笑って話せる。
「3年間の思い出」を一言貼り出して、それを一人ひとりが説明する企画は面白かった。学校では体育祭の時にマスコット人形を科ごとに作って競い合うけれど、高さは6メートルもある巨大なもので、大きければいい訳ではなく美しさや工夫が評価される。このマスコット作りは一生の思い出であることがよく分かった。早弁をしたことやタバコを吸ったことなどが語られた中で、「Mの部屋」というユニークなタイトルがあった。
このクラスは女の子が少ないけれどきれいな人が多くて他のクラスから羨望の眼差しが注がれていた。中でも色は黒いが目がパッチリしていた人気者の女の子がいた。その女の子の部屋に入ったことがあると言うのだ。男子の連中は興味津々で、「それでどうした?」とはやし立てた。ところが本人は「部屋の様子は覚えているけど、何したかは覚えていない。初心だった」と言うので大笑いになった。みんなの憧れのマドンナはガンで亡くなったと言う。「美人薄命」と嘆く者もいたけれど、どんなおばあさんになっているか、会ってみたい気もしたが、高3のままの方が幸せかなと思い直した。
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