全国高校野球の出場校が新聞に載っていた。3日に組み合わせ抽選が行われ、いよいよ6日から阪神甲子園球場で開幕する。私の母はラジオで野球中継を聞きながら、ひとりで興奮していたし、娘たちはテレビにくぎ付けになって応援していた。
球児たちの真剣なプレイが、聞く人見る人に感動を与えるのだ。高校野球はプロ野球より稚拙に見えるが、真剣さでは遥かに勝っているので、つい見入ってしまう。出場校を眺めていたら、初出場は3校しかない。名前の知られた常連校が圧倒的に多いのだ。
常連校は私学が多いから、全寮制で朝から晩まで練習してきているのだろう。愛知県大会を見ていた時、選手の出身中学校が表記されていたが、県外の子がけっこういたし、県内でも通学は無理と思われる地区の子もいた。
これが学費免除で集められた特待生なのか。この子たちはスカウトから声をかけられ、学校の名誉をかけて甲子園を目指す選手として育成される。甲子園で活躍すればプロ選手の道が待っているという訳だ。
でもなあー。それでいいのだろうか。炎天下で少年野球やサッカーの子どもたちが練習をしている。有力な中学校を目指しているのかも知れない。プレイを楽しむというより、歯を食いしばって練習に打ち込み、末はプロ選手を目指しているのだろう。
一握りのプロ選手を作り出すために、計り知れないプロのなれない選手がいる。部活の在り方が問題になっているが、私学の特待生制度を問題視する人はいないのだろうか。勝利至上主義は暴力行為を容認したり、スポーツの楽しさとは真逆の苦しみしか与えない。
千葉県大会で1回に相手チームから32点も取ったチームがあった。5回コールドで82対0だった。それでもこのチームは千葉県代表にはなれなかった。子どもたちが満足ならそれでもいいが、これほどの大差がつくような試合はフェアではないと感じるのは私だけなのか。