健康を意識してか雑穀がブームになっている。麦はもちろんだが、キビ、アワ、ヒエなどを米に混ぜて食べることが、特に若い女性の間で盛んなようだ。我々の世代では、主食である米が不足したために、増量の手段としていわば負のイメージで食べられたのだが、昨今では雑穀を食べることがおしゃれな習慣としてブームになっている。もちろん、米に不足しているたんぱく質やミネラルを補う栄養源として魅力のある食品であることは間違いない。
雑穀ブームのなかで最近脚光を浴びているのがキヌアだ。南米コロンビアからボリビアにかけてのアンデス山脈が原産地で、野生のキヌアは5000年以上も前から食品として利用されてきた。キヌアに含まれるミネラルは驚異的である。キヌア100g中に、カルシウム47mg、鉄分4.6mg、カリウム563mg、マグネシウム197mg、リン457mg、亜鉛3.1mgという具合である。このブームを反映してか、近くのスーパーの売り場でキヌアが置かれるようになった。150g入りの小袋で、300円とやや高いが、少量を白米に混ぜて炊くためわが家でも購入した。
2013年をキヌア年として国際的な需要を喚起した結果注目されたが、まだ生産量が少なく価格が高騰し、生産地で食べられないという皮肉な結果を引き起こした。一時的なブームに終わるのでなく、その栄養価に注目して世界中で消費できる食品に定着することを望む。
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