残暑が厳しい。残暑というより真夏が9月になってもそのまま居座っている感じだ。昨日34℃、今日あ昨日より暑く感じる。それでも散歩道には秋の花が咲いている。秋の七草である萩の花が咲き、葛の花は咲き出して2週間もなる気がする。シュウメイギクのシオン、それから雑草にうもれるようにしてワレモコウが咲いていた。去年は同じ場所に咲くのでは探してみたが消えてしまったようであったが懐かしい花に出会えてうれしかった。
ところで、『源氏物語』に、源氏の死後二人の若宮が登場する。一人は薫る中将で、この人の体臭がすばらしい芳香で、どこにいてもすぐに知られてしまうので出かけるのもままならなかった。この人に対抗意識を燃やすのは匂宮である。薫のような体臭はないので、着物に香を焚きしめたり、庭で愛でる花も香りに関するものであった。「すべての人が老いを忘れるといわれる菊や、衰えていく藤袴、見栄えのしない吾木香など香りのあるものは、すっかり見る影もなく霜枯れになるころまでお見捨てにならない」といった風でワレモコウは吾木香の漢字で出てくる。藤袴の根が、乾燥させて着物に挟んで虫よけと香りをつけるのに利用したが、ワレモコウにはそんな香りがあるわけではない。地味な花に目をつけ、名に香が入っているため、これを愛ずることで気を引こうとしたのかもしれない。
高温障害が心配された秋の味覚、シャインマスカット。立派にできたののが店頭にならんだ。子どもや孫たちに少しづつ送った。十分の甘く、秋の味覚が堪能できた。田の稲も、穂を垂れて収穫を待つばかりになっている。一日も早く、暑い秋が去って欲しい。