常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

仙人掌の花

2018年09月28日 | 

わが家に仙人掌の小鉢が五つほどある。仙

人掌を育てることを趣味にしているわけで

はない。随分と昔だだが、嫁いだ娘が何故

か仙人掌の蒐集にはまり、たくさん買って

ベランダに置いてあったものを貰ってきた

ものだ。大抵のベランダの鉢は、花を咲か

せて死に絶えていくが、この仙人掌だけは

丈夫で健在である。脇にでた子を植えてい

けば際限もなく増えていくだろう。水を与

えるでもなく、外に出しっぱなしだ。夏に

なると花芽を長く伸ばして花を咲かせる。

秋分の日を過ぎて朝夕が急に冷え込んでき

た。もう仙人掌の花も咲かないと思ってい

たが、三連休のあたりに花芽をつけた。さ

すがに、花は小さい。寒さで花が大きくな

れないのだ。ベランダに咲く花がなくなっ

た季節に、何か得をしてような気がする。

冬になれば日当たりのよい室内へ入れて、

保護していることへのお礼の花か。


仙人掌に跔まれば老ぐんぐんと 三橋鷹女

フォークソングに「サボテンの花」という

のがあって、いさかいで同居していた女性

が去って行った部屋に、残されていたサボ

テンが歌われている。

歳時記を開くと仙人掌の花とからめて老い

らくの恋などという句も見える。仙人掌を

育てるのは、やはり女性が似合う。棘を出

して世話を焼かれるのを拒否しているよう

な姿だが、どこかユーモラスな恰好が女性

に好まれるのかも知れない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする