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みけの物語カフェ ブログ版

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1087「人類絶滅」

2021-06-26 17:43:04 | ブログ短編

「では、次(つぎ)の課題(かだい)はこれにしましょう」
 先生(せんせい)らしき人物(じんぶつ)が言った。「私たちと同じ銀河(ぎんが)に属(ぞく)している恒星(こうせい)〈K052948〉の第三惑星(わくせい)についてです。以前(いぜん)、この惑星に知的生命体(ちてきせいめいたい)の存在(そんざい)を確認(かくにん)しました。しかし、最近(さいきん)の観測(かんそく)では生命体の存在を確認できなくなっています」
 生徒(せいと)らしき人物が発言(はつげん)した。「私たちの観測では、強いエネルギー反応(はんのう)を短時間に複数回とらえることができました。放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)も確認済(かくにんずみ)です。これは、生命体同士(どうし)で戦争(せんそう)が行われたのだと断定(だんてい)します。すでに絶滅(ぜつめつ)したことは間違(まちが)いないかと…」
 また別の生徒が、「あたしたちは、それ以前に、この星の環境(かんきょう)が急速(きゅうそく)に変化(へんか)していることを確認しています。それは、二酸化炭素(にさんかたんそ)の増加(ぞうか)による気温(きおん)の上昇(じょうしょう)です」
 うなずきながら話を聞いていた先生が言った。「なるほど…、興味深(きょうみぶか)いですね。では、これらのことを踏(ふ)まえて、何が起きたのかを推測(すいそく)してみましょう」
 いち早く手をあげた生徒が答えた。「これは文明(ぶんめい)の発達(はったつ)によって環境破壊(はかい)をまねき――」
 別の生徒が口を挟(はさ)んだ。「要(よう)するに、文明が未熟(みじゅく)で、自(みずか)ら滅(ほろ)んだってことだろ」
 また別の生徒が、「先生、この星に新しい知的生命体が生まれることってありますか?」
 先生が答えた。「それはないでしょう。もうすぐこの恒星は死を迎(むか)えます。第三惑星も恒星に呑(の)み込まれて消滅(しょうめつ)してしまいますから…」
<つぶやき>これは地球(ちきゅう)のことなのでしょうか? どこか遠くから観測されてるかもね。
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