しずくたちが研究所(けんきゅうしょ)まで来てみると、車が何台も玄関(げんかん)に横付(よこづ)けされていた。入口(いりぐち)には銃(じゅう)を持った男たちが立っている。しずくは千鶴(ちづる)とテレパシーをつなげると、
<千鶴さん、研究所の中で何が起こってるか透視(とうし)してみて>
千鶴は能力(ちから)を発揮(はっき)させて、<ああ…、すごく慌(あわ)ただしいわね。これは特殊捜査班(とくしゅそうさはん)かも>
<そう、思ったより早(はや)かったわね。つくねは、どうしてる?>
<ベッドで眠(ねむ)ってるわよ。部屋(へや)には、他(ほか)には誰(だれ)もいないわ>
<じゃ、部屋のイメージを送(おく)って。――受(う)け取ったわ。ありがとう>
しずくが一息吐(ひといきは)くと、「じゃあ、みんなで飛(と)ぶわよ。手をつないで」
柊(ひいらぎ)あずみが言った。「ちょっと待(ま)って。部屋がどこにあるか分からないのに飛べるの?」
しずくは微笑(ほほえ)むと、「心配(しんぱい)しないで、私に任(まか)せてよ。さぁ、行くわよ」
みんなで手をつないで輪(わ)になると、アキが楽しそうに声を上げた。
「あたし、こういうの初めてよ。何か、ワクワクしちゃう」
あずみがたしなめようとしたとき、みんなの姿(すがた)がかき消(き)えた。次の瞬間(しゅんかん)、そこは部屋の中だった。中央(ちゅうおう)にはベッドがあり、つくねが寝(ね)かされていた。あずみがドアの前まで行って聞き耳を立てた。そして、ドアを開けようとしたが鍵(かぎ)が外(そと)からかかっていた。
水木涼(みずきりょう)がつくねを起こそうとしたが、目を覚(さ)ます気配(けはい)はなかった。川相初音(かわいはつね)は、ベッドのそばのワゴンの上に薬(くすり)の瓶(びん)と注射器(ちゅうしゃき)を見つけた。
<つぶやき>果(は)たして助(たす)け出すことができるのか? 敵(てき)はすぐそこまで迫(せま)って来てます。
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