徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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スペイン・アンダルシア旅行記 IV(3)メディナ・シドニア

2019年10月13日 | 旅行


小高い山の上の街メディナ・シドニアには2019年9月5日から14日まで滞在しました。メディナ・シドニア自体はそれほど有名な観光地ではありませんが、カディス県ではいい具合に中央に位置しており、ここを拠点に車であちこち行くには便利なところだと考えてダンナが選んだ場所でした。

メディナ・シドニアの略歴
カディス湾を見下ろせる小高い山の上(337メートル)にあり、カディス湾のバルコニー(Balcón de la Bahía)と呼ばれています。白壁の住宅、中世の城壁、狭く曲がりくねった小路が特徴です。街の歴史は古く、シドン出身のフェニキア人が作ったことから Sidonia (シドンの)が街の名前に残りました。
ローマ時代には、ヒスパニア・バエティカのムニキピウムであるアシド・カエサリナ・アウグスタ(Asido Caesarina Augusta)の名で呼ばれました。西ゴート王国時代、県都となって司教座が置かれました。
712年、ウマイヤ朝の将軍ムーサ・イブン・ヌサイールによって占領され、アルアンダルスの行政区画であるコラ(cora)がシドニアに置かれ、この時代にアラビア語起源のメディナの名がつきました。
1264年、カスティーリャ王アルフォンソ10世によって占領され、グラナダ王国にほど近いグラナダ辺境領とされました。
1440年以降、メディナ・シドニア公の所領となりました。 
また、ここはペドロ1世(残酷王、ドン・ペドロ)の正式な妻であったブルボン王家のブランシュ姫の最後の幽閉場所・亡くなった場所だそうです。青池保子のマンガ『アルカサル-王城』ではブランシュ姫はへレス城で亡くなったように描かれていましたが、実際にはへレスからメディナ・シドニアへ移されてから亡くなったようですね。

ホテル
宿泊先は Hotel Tugesa Medina Sidonia というところですが、Tugesa はホテルの看板には記載されていないため、違うホテルだと思って一度通り過ぎてしまいました😅 
すごい斜面のきついところで道幅も狭いため、車をホテル前まで乗り入れるのはかなりの冒険です。下の写真はホテルに至る道です。ただ歩くだけでも足腰に来ますよ😅 
 
ホテルのロビーはパティオになっており、私たちの部屋は2階でした。部屋は入ってすぐが居間になっており、赤いソファとテーブルが置いてありました。
バスルームも入り口近く。最新のではないですが、広くて清潔。
寝室は奥。
  
出窓もあり。
残念ながらホテルのWiFiは部屋全体をカバーしておらず、入り口付近でしか届かなかったので、赤いソファのところでネット接続しましたが、時々中断されたり、速度が遅かったりしたので、結局スマホのLTE接続を使用し、モバイルホットスポットを有効にしてSIMカードのないタブレット端末をホットスポット接続するという七面倒なことをせざるを得ませんでした。スマホは定額プランとはいえ月のボリューム上限があるので、写真をいっぱいアップロードして足りなくなる不安がありましたが、まあ、やむをえませんね。

観光&グルメ
初日は街の唯一の繁華街ともいえる Plaza de España に並ぶレストランのうちの一つ Bar Cádiz というところで晩御飯をいただきました。
ガスパッチョ
Salteado de perlas de alcachofas, jamón y gambas 小さいアーティチョークとエビと生ハムのサラダ
Ensaladilla Nico (Melva) ヒラソウダの入ったサラダ
Parrillada de verduras a la pancha グリル野菜
チップ込みで43ユーロでした。

翌朝の9月6日は Bar Plaza というレストランで朝食。ここには朝食用のメニューなどは一切ないのですが、席に座って「Desayuno(朝食)」を頼むと、丸いパンのトーストとチーズクリームやハムのクリームなどのパンに塗るものとコーヒーが出てきました。
  
お値段は2.50ユーロでした。清算を頼むまで値段もわからなかったのでちょっとした冒険でした。😅 
このレストランのお向かいは Mercado 市場で、その建物の中にツーリストインフォもあります。
奥が Ayuntamiento 市役所、左がレストラン Bar la Plaza、右が市場。ここはいつも強い風が吹き抜ける風の通り道のようです。

    
そこそこ繁盛しているみたい?

ツーリストインフォでガイド付きのツアーがあるか聞いたのですが、その日はないし、最低6人参加者が集まらないとやらないとのことで、私たちは一応9月9日のツアーを申し込みました。
9月6日は独自に観光。
まずはメディナ・シドニアの一番高いところに立っている要塞 el Castilloを目指しました。
要塞に至る前に Iglesia Santa Maria la Mayor la Coronada という教会があります。ゴシック・ルネッサンス様式の16世紀の建物です。

この教会の隣というか、境界線が不明だったのですが、Villa Vieja と呼ばれるお屋敷があります。
教会前広場 Playa de la Iglesia Mayor にはレストラン兼ホテルが1件のみ。

かなりの高台にあることはこのレストランのすぐ隣の階段を撮影した下の写真でお分かりかと思います。

要塞跡へは教会の裏を登っていくのですが、よせばいいのに車が通れる通りではなく、ろくに舗装もされてない道を行き、要塞がそびえたつ小山の周りを一周する羽目になりました。ダンナの好奇心・冒険心に付き合うとこういうことになります😅 
見晴らしは良かったんですけど、なかなかの冒険でした。風が強くて足元がおぼつかず飛ばされてしまうような感覚に襲われたのも1度や2度ではありませんでした。まあ、私の体重を飛ばしてしまうほどの強風ではなかったのですが(重いし)、気持ちの問題で😅 
 
乾燥して風がびゅうびゅうなのに、カタツムリが鈴なり!😲

山の裏側
そこから見下ろせるお屋敷
一周して見つけた多分要塞の門の跡
要塞跡の方から見た教会。手前はネクロポリス跡のようです。
教会拡大
とにかく風が強くて、ここでうっかりハンカチを飛ばされてしまい、回収できませんでした。Feilerの高くていいやつだったのに😭 
また山を少し降りて、教会広場を南の方に曲がると
 
Arco de Belén という門があります。
反対側から撮影した門
その続きの城壁+公園
広場にも公園にもベンチが置いてあるんですが、日影が少なくて暑すぎるため、昼間は座って休むという感じではありませんでした。
ここからさらに西の方に降りていくと、市役所や市場、レストランなどが並ぶ Plaza de España に着きます。その並びのレストラン Bar Simon というところのパティオ席でランチにしました。
 
bibeda
サラダ
 
マッシュルーム+ベーコン。前菜として頼んだのにポテトがついてました。

メインのグーラッシュみたいなの
 
ミートボール。こちらもポテト付き。

デザートの Natilla
Flan
飲み物、パン、前菜、メイン、デザートのランチセットで7.50ユーロは破格でしたね。
お味の方はすっごくおいしいというほどでもないけど普通に食べられるレベルでした。

この後は車で20分ほどの Embalse de Barbate バルバテ貯水池へドライブに行きました。
戻ってきた後の夕食は朝食を食べたレストラン Bar la Plaza でいただきました。
サングリアはメニューに載ってないのですが、頼むと当たり前のように出てきます。
突き出しのオリーブ
パン

ゴートチーズとツナのサラダ 8€
地元産のChicharrones(豚の脂身でいいのかな?)5€
ポテトとイベリコハム入りのかきたまご 6€

ガイド付きツアーの日、9月9日はすでにお馴染みになったレストラン Bar la Plaza でちょっと豪華に Jamón Iberico イベリコハムとオレンジジュース付きのトーストにしました。トマトペーストは頼むと出てきますがサービスです。
  
ツアーは12時にツーリストインフォからスタートします。博物館の入場料込みで6ユーロです。
最初の博物館は Museo etnográfico 民族博物館でご当地の伝統的な産業(かご編みと靴作り)や庶民の家とブルジョワの屋敷の部屋を再現したものなどが展示してあります。
      
メディナ・シドニアの最後の手作り靴屋が引退後に寄贈したという道具一式。
引退した時期はおそらく前世紀末あたりなんでしょうけど、もう民族博物館入りの価値があるのですね~。

この次はメディナ・シドニアのシンボルマークであるマウリヤ朝時代の城門 Arco de la Pastora。
この門につながる城壁は近年きれいに補修・再構されたそうです。
城壁の中にはツアー参加者のみが入れます。

ここからすぐ近くに Museo y Conjunto Arqueológico ローマ考古学博物館があります。
 
割と完全な形で残っているローマ時代の柱

中世の戦士の遺骨も
現在の街(青)にローマ時代の遺跡の場所を重ねた図
この図で示されているローマ時代のメイン通りの一部を見学できる博物館の分館のようなところがあります。ガイドさんが入り口のカギを開けてくれるので、ツアー参加なしでは入れないみたいですね。
 
2000年前の舗装なのでガタガタになっていますが、敷設当初は平らだったはず、とのことです。まあ、2000年も経ってればガタも来ますよね。そのうちの大部分は土に埋もれていたにしても。
当時の道路の様子を説明した案内板。まあ、私は絵しか分かりませんけど😅 
ローマ時代の街の地図。典型的な碁盤状。
ここでガイド付きツアーは終了しました。所要時間は1時間半~2時間。
というわけでランチにしました。Restaurante Bar Paco Ortega というレストランで9ユーロの Menu del día ランチセット。
 
ガスパッチョ。
 
野菜が玉葱の皮にちょんと乗っているのがかわいいですね。
メインは魚のフライ。ソースも玉葱の皮に!
ミートボール
デザートは二人ともプリン
お味は、まあ普通でしたね。盛り付けはちょっと凝ってますが。

この日はこの後 Playa de Zahora Barbate バルバテのザホラ海岸へドライブに行きました。
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