徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

抗がん剤投与2回目(がん闘病記7)

2017年08月30日 | 健康

 

8月29日に2回目の抗がん剤投与を受けてきました。朝の8時にがん専門クリニックに行き、出てきたのは午後2時。

投薬プランは基本的に前回と同じでしたが、Emend という吐き気予防の薬は前回と違って抗がん剤投与前にもらって、服用しました。前回は薬が届くのが遅れて後付けになってしまったようです。

今回は残念ながら平穏無事には済みませんでした。Paclitaxel 300mgという抗がん剤の点滴が始まってしばらくすると、急に妙な咳が出て、おやっと思っている間に腰が痛みだし、世界がグルグル回り、動悸が激しくなり、息が止まるのではないかと思えるほど苦しくなって、死ぬんじゃないかとびっくりしました ( ゚Д゚)

すぐに看護師さんに知らせて点滴を止めてもらいました。

「深ーく息を吸って、吐いて、吸って、吐いて」という看護師さんの指示に従って呼吸をしている間にだいぶ楽になりましたが、血圧も高く、脈拍数も高いままでした。腰の痛みもすぐには取れませんでした。すっ飛んできたドクターが、生理食塩水の点滴の後に血圧が正常値に戻ったら、抗がん剤の点滴を半分の速度で再開するように指示しました。

抗がん剤点滴再開後、30分位経ってから点滴速度を上げ、またしばらくして元の速度に戻しましたが、それで問題は起こらずに済みました。猛烈な眠気に襲われはしましたが。「寝てていい」という看護師さんの言葉に甘えて、座ったままで1時間ほど爆睡してました。( ̄∇ ̄;)

今回持たされた薬は Emend のみで、他の吐き気対策用の薬 MCP や便秘薬の Movicol N2 は渡されませんでした。便秘薬は前回頂いたのがたくさん残っているので問題はないですが、MCP はどうなんでしょうね。飲まなくて済むならそれに越したことはありませんが。

点滴中に問題が起こった割には、投薬が終了した後の体の状態は比較的よく、お迎えの車のところまで階段を登って行くのもそれほど億劫には感じられませんでした。また帰宅後は、本当はすぐに寝たかったんですが、軽くパイナップルを食べた後、急ぎの小さい翻訳依頼(340語)が入っていたので、それを1時間弱で片づけてからようやく就寝。1時間ちょっと寝てから、また軽く食べて、メールを読んだり、フェースブックをやったりして、また夜の8時少し前位から10時くらいまで寝て、またフェースブックやったり読書したりして、夜中にまた寝るという感じでした。

その翌日の今日は、すでに散歩に出かけられるほど回復しました。

前回の抗がん剤投与後3-4日やたらと寝ずにはいられなかったのは、抗がん剤だけでなくてその前に受けた手術の疲れがまだあったのかも知れませんね。毎回寝込まずに済むなら、それはうれしい。


さて、治療手帳(Therapie-Pass)に記入される血液値が気になったので調べてみました。記入されているのは、Hb(ヘモグロビン、赤血球)、Leukozyten(白血球)、Thrombozyten(血小板)の三つ。

こうして見ると、白血球以外は正常値の範囲外にあり、ヘモグロビン濃度からすると、私は若干貧血気味で、血小板数は多すぎということになります。ただし、血小板増加症(Thrombozytose)と呼ばれるのは500,000以上の時らしく、私のは手術後間もない8月8日の値でも455,000だったので問題なし、ということみたいですね。その後は下がって来てますし。これも毎朝注射している血栓症予防薬 Clexane のおかげですかね。注射の手際がだいぶ良くなってきましたが、それも来週で終わりになります。

がん闘病記8


唐突ながん宣告~ドイツの病院体験・がん患者のための社会保障(がん闘病記1)

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化学療法スタート(がん闘病記3)

抗がん剤の副作用(がん闘病記4)

え、緑茶は膀胱がんのもと?(がん闘病記5)

ドイツ:傷病手当と会社からの補助金(がん闘病記6)

書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)


ドイツ:最新貧困統計(2016年度)

2017年08月30日 | 社会

ドイツにおいて、全世帯所得平均の60%以下の収入しかない世帯は〈貧困リスク〉に晒されていると見なされます。その貧困リスク率が最も高いのはブレーメン州で、22.6%に上ります。それに対して南ドイツのバーデン・ヴュルッテンベルク州は貧困リスク率が11.9%、バイエルン州は12.1%と、両州とも全国平均を下回っています。

東西格差も歴然としており、旧西ドイツ(ベルリンを除く)の貧困リスク率が15%なのに対して、旧東ドイツでは18.4% となっています。

貧困リスクが特に高いのは失業者で、旧西ドイツでは失業者の52.9%、旧東ドイツでは失業者の66.9%が平均所得の60%以下で生活しています。中でもザクセン・アンハルト州の失業者の貧困リスク率は群を抜いており、75.6%に上っています。

また一人親世帯とその子どもたちも平均以上に貧困リスクに晒されており、旧西ドイツで42.4%、旧東ドイツで46.9%の一人親世帯が貧困リスクラインを下回っています。

一人親世帯の貧困リスク率が意外に低いと感じる方も居るかもしれませんが、これは「一人親世帯」に両親が婚姻していないが同居している世帯も含まれていることが原因かと思われます。

合計  内訳
失業者   一人親世帯とその子ども(18歳以下)たち
%
 
バーデン・ヴュルッテンベルク 11,9 43,4 38,7
バイエルン 12,1 48,1 36,7
ベルリン(旧東) 19,4 63,8 34,5
ブランデンブルク(旧東) 15,6 63,8 46,8
ブレーメン 22,6 60,7 59,1
ハンブルク 14,9 45,6 41,0
ヘッセン 15,1 50,1 42,2
メクレンブルク・フォアポンメルン(旧東) 20,4 68,5 56,5
ニーダーザクセン 16,7 55,9 46,4
ノルトライン・ヴェストファーレン 17,8 59,0 45,2
ラインラント・プファルツ 15,5 55,5 46,0
ザールラント 17,2 49,5 42,1
ザクセン(旧東) 17,7 68,8 47,4
ザクセン・アンハルト(旧東) 21,4 75,6 60,0
シュレスヴィヒ・ホルシュタイン 15,1 53,6 39,2
チューリンゲン(旧東) 17,2 61,2 49,6
追記:
旧西ドイツ(ベルリンを除く) 15,0 52,9 42,4
旧東ドイツ(ベルリン込み) 18,4 66,9 46,9

参照記事:

Statistisches Bundesamt, Pressemitteilung vom 29.08.2017: "Armutsgefährdung in den Bundes­ländern weiter unterschiedlich"

Statista.de, "Armutgefährdung in Deutschland", 29.08.2017