徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:Kelly A. Turner著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんが自然に治る生き方)』(Irisiana)

2017年08月04日 | 書評ーその他

ケリー・ターナー著、『9 Wege in ein krebsfreies Leben(がんのない生活のための9つの道)』、日本語のタイトルは『がんが自然に治る生き方』。ダンナに説明したり、医者と話したりするのに、日本語だとまどろっこしいかと思って、ドイツ語版を購入しました。

がんサバイバーたちを直接インタビューして、症例を集めてとにかく記録するというスタンスで、学術的ではありませんが、「がん治療」にまつわるものとしてはかなり中立的に書かれた本だと思います。参考文献も実に豊富に紹介されています。

目次は以下の通り:

  1. Die Ernährung radikal umstellen 食事を根本的に変える
  2. Die Kontrolle über die Gesundheit übernehmen 健康に関するコントロールを自分で引き受ける
  3. Der eigenen Intuition folgen 自分の直観に従う
  4. Kräuter und Nahrungsergänzungsmittel nehmen ハーブおよびサプリメントを取る
  5. Unterdrückte Emotionen loslassen 抑圧した感情を解放する
  6. Positive Emotionen verstärken ポジティブな感情を強化する
  7. Soziale Unterstütztung zulassen 周囲のサポートを受け入れる
  8. Die spirituelle Verbindung vertiefen スピリチュアルな繋がりを深める
  9. Starke Gründe für das Leben haben 生きる理由を強く持つ

この9章のタイトルがそのまま「9つの道」に相当するわけですが、がんサバイバーの体験談として読む分にはいいのですが、自分はどうするかという段になると、5や8辺りに抵抗を感じますね。

日本語タイトルの「自然に治る」というのは著者の意をあまり汲んでないように思います。「自然に治る」というと何もしていないような印象を受けますが、ここで紹介されているがんサバイバーたちは並々ならぬ努力を自分でしています。その方法が西洋医学の標準治療(手術・化学療法・放射線療法)以外だったというだけの話です。なぜ標準的治療法では絶望的だった患者さんたちが「根本的寛解(Radikalremission)」を達成できたのか、それを探るのが著者の目的で、患者本人たちから聞き取った話から抽出できたのがこの9つの方法だったというわけです。

私自身はどうするか・・・私自身の直観に従って、取りあえず化学療法を受けます。食事はペスコ・ベジタリアンに変え、砂糖は殆ど取らないようにしました。そしてできる限りいろんなことを楽しもうと心がけてます。

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