徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:池井戸潤著、『ようこそ、わが家へ』(小学館文庫)

2018年02月18日 | 書評ー小説:作者ア行

『ようこそ、わが家へ』も4年ほど前に読んだ作品ですが、当時のレビューを再発見したので、こちらに転載しておきます。

書き下ろし小説『ようこそ、わが家へ』は作者前期のミステリー・サスペンス要素に現在の登場人物一人一人の人生を掘り下げるという持ち味が加味された味わい深い小説。主人公は冴えない51才の取引先総務部長として出向中の銀行員で真面目なだけが取り柄の倉田太一。池井戸小説最弱のヒーロー、らしい。電車通勤中に割り込みを注意したことで逆恨みを買ってしまい、自宅までつけられた挙げ句に花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれ、さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかるという執拗な嫌がらせを受ける羽目に。出向先でも在庫と帳簿が合わないことを発端に色々なトラブルに見舞われます。平凡なサラリーマンの生活をおびやかす、実に身近な罠というかきっかけが空恐ろしいです。


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