徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:池井戸潤著、『果つる底なき』(講談社文庫)~第44回江戸川乱歩賞受賞作

2018年02月18日 | 書評ー小説:作者ア行

『果つる底なき』も4年ほど前に読んだ作品ですが、当時のレビューを再発見したので、こちらに転載しておきます。

『果つる底なき』は池井戸潤のデビュー作。江戸川乱歩賞受賞作品だけあって、かなり完成度の高いミステリーです。

「なあ、伊木、これは貸しだからな」と、謎の言葉を残して坂本が死ぬところから話が始まります。死因はアシナガバチによるアナフィラキシーショック。

翌日、坂本が顧客の口座から金を引き出し、自分の口座に送金していたことが発覚します。伊木は、坂本の無実を信じ、坂本が生前何をしようとしていたのか調べ始めます。その過程で、自分が融資を担当した「東京シリコン」倒産の真の原因を突き止め、坂本が言っていた「貸し」の意味を理解し、痛恨の思いに駆られます。しかし、坂本の死には更に深い闇が隠されていた。真相を探る伊木の行動を邪魔する者が現れ、更なる死人・怪我人が次々に出ます。でも裏に誰がいるのかは最後の最後まで皆目見当もつかない、少なくとも私にはさっぱり分かりませんでした。

ミステリー好きには必読の書。


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