ピアノの先生の生活

ピアノ講師、ブライダル奏者としての日常と
その都度のはまりものへの情熱を綴るくだらな雑記

エドの舞踏会

2008-02-23 00:32:57 | ジャニ
確かに自分はニシキマニアだ。
だが彼の踊りのマニアであって基本的に踊らない舞台は見に行かない主義だ。
しかし今回の舞台は「最後にちょびっと舞踏会のシーンがあるよ」とのこと。
うひょー!こりゃまたエスコート姿も絶品なんだわさー。相手が三田Y子さんであれ、
その手を取って大階段を降りて来る姿を想像したらそりゃ行くぜって気になるわな。
困ったことに明治座は「席とりくん」なるオンラインで座席を選んで買えるシステムがあるのだ。
ついポチってしまったのだ。そして今日に至る。

しかし開演は平日の4:30!OLさんには絶対行けない時間帯。
「誰が行くのだ?こんなに毎日二回公演やって席が埋まるのか?」などと思っていたのだが、
行ったら観光バスが停まっていた。なるほど観劇ツアーっていのもありなのね。
そして初めて入った明治座にドギモを抜かれた。
自分はどんな場所に行っても気後れなどあまりないのだが、ここだけはすごくたじろいだ。
なんか絶対浮いてるよ自分。いていいのか自分。それほどまでに高い年齢層。
ブラジャーにワイヤーが入っていない世代しかいない空間とでも申しましょうか。
売店では開運印鑑やガーゼタオルが売られ、お弁当の香りが立ち込める場内。
何より驚いたのはトイレに試供品として“尿漏れパッド”が無料配布されていた事。
カルチャーショックにクラクラしつつ席に着く。座席は花道際、前から5番目というマニア席。
最前列には同じマニアらしき人がいてちょっとホッとする。
しかし後ろの座席のおばさん二人組みはずーーーーっと孫や嫁の話を繰り広げていた。
本当にこんな世界があったのだ!

さて開演。ニシキの役はなんと三田さんの夫の海軍士官。薩摩弁だが猛烈に早口だ。
出てきた途端なぜか客席は拍手を忘れ「あっ、ニッキ」「ニッキだ」と驚嘆の声。
そうか自分はマニアなので一年に一度は見ているが、普通は見てないよな。レアモノか。
まあそんな彼、見かけはオヤジだがいくらなんでも三田さんのダンナってのは無理だろう?
っつーか三田さんが「だまされて女郎屋に売られてきた生娘」っていうのはどうよ?
確かにそのお年にしちゃお若くきれいだが限界がある。かわいらしい声を出してもなんかすごいぞ。
いやむしろかわいらしい声が怖いぞ。
話は意外にも面白く、役者さん達も上手なので楽しんで観ていたのだが、
やはり感じる一抹の違和感。
最初は「ニシキの気張ったつか芝居のせい?」と思っていたのだが、どうもこれは一重に
三田さんのせいだということが発覚。
とりあえず彼女が主役なのだが、最初くらいしか見せ場が無く、あとは他の役者さんの話を聞いて
アドバイスしたりするだけ。簡単に言えば別にいてもいなくてもいい役なのだ。そんな主役って…。
それがまた高い声でゆっくりした夢心地のような独特の台詞回しを展開しているものだから
一人だけ謎の小宇宙。まさにカオスだ。
最後に彼女に子供が出来たことがわかり喜ぶシーンがあるのだが、
「ええええっ!」と声が出るくらいとにかく私はビックリした。
どう考えても無理!あんなデカイ次男いるのみんな知ってるでしょ?!
こんな無理を通すのか?まさに三田カオス真骨頂!
しかし客席のおばさん達はやたらと素直に受け入れちゃうのだ。
後ろでは「赤ちゃん出来たの?よかったわねー」なんて心底つぶやいている声もしたぞ。
最後の期待のダンスシーン。私がバカでした。
海軍士官だもの、ヨーロッパ紳士のような優雅なエスコートなんてしないのよね…。
そしてワルツは三田さんのお相手で必死のご様子。踊りというには程遠かった。

三幕で長い休憩二回、四時半に始まったのに終わりは八時半だ。
三幕は途中で座っていることがつらくなった。だが奥様達はなぜこんなに元気なのだろう?
「次回の公演は“石川さゆり・マダム貞奴オッペケペー人生です”」という
身体の力が全部抜けるようなアナウンスを聞きつつ、「ニシキ、まだここは早過ぎます…」と
マニアとして初めての敗北宣言を心に浮かべてこの場を去る。
しかしさっさと帰ろうにも足の遅い皆様でちっとも進まぬ列に業すら煮やせない状態であった。

でもお芝居は楽しかったし、友人と来たらそれはそれで楽しんでくれたと思う。
もうちょっとチケット安かったらなあ。
コメント (9)