明治乳業争議団(blog)

働くルールの確立で人間性の回復を!

明治乳業都労委全国事件で審査課へ要請

2011年02月24日 17時26分53秒 | レポート
要請項目をしっかり会社に求めるべき審査指揮の発揮を


2月22日、支援共闘会議として都労委審査課・安藤課長に対し、2回目の要請を9団体21名の参加で行いました。合わせて、全国から寄せられている団体署名を合計で1,000団体を松本議長から手渡し提出しました。
要請主旨は、この間の審査課及び公益委員の理解と審査指揮により、要請内容の一つであった集中審理については前進が見られるが、以下のいくつかの点においては、明確な審査指揮が見られないことから、改めて要請しました。

その第一は、労働委員会が本件職分格差などを全面的に把握して、公正・公平な判断
を行うのに必要不可欠な資料である、「人事考課成績や職分・号給・基本給などの資料」開示を、会社に求めることの必要性として、これまでの事例、「北辰電機製作所事件」、「松陰学園事件」を示し説明しました。
その第二は、他の従業員との相対比較を抜きにした、申立人らに対するだけの「アラ
探し個別立証」を規制したうえで、迅速・正確な判断に必要な相対比較に基づく、格差の「合理的理由」立証を会社に求めること。この点においても「ラジオ関東事件」、「紅屋商事事件」の事例を示し説明しました。

 これらのことから、審査の長期化を避けて救済措置への正確な判断を求める立場から、
再度強く要請いたしました。

 参加者からも、①会社立証は、申立人らのミス以外、工場内・他の労働者の実態が見えない。平均以下なのか以上なのか何も立証していない。②何を立証しているのか、差別を語るのなら全体を見なければわからない。アラ探しが長時間やられることの苦痛を理解すべきだ。③明治HDの戦略的に見た場合、この争議の早期解決を図るべきと思っている。また、労働委員会として英断を取る必要があるし、人道問題になっていく立場からも見ていきたい。④相対比較ない立証ならば、やらせない指揮もできる。法律的に無意味なものならば時間を費やらせないこと。⑤市川事件で都労委は最大の過ちを犯している。会社の言い分に振り回されている内容で時間が長引いている。審査指揮の改善をすべきなど等の発言がありました。申立人当事者からも、仕事上からの評価でない、上司に対し「忠誠」を表しないと差別対象の部類にされてしまうなど、主任に言われた友達から聞いている事実などを告発しました。

 要請を受けた審査課長は、今日の時点でのコメントはありません。内容は、担当委員にも伝えますとして終了。次回3月29日、11時から要請することにしました。
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なぜ、松戸市の浅野茂太郎社長宅周辺で訴えるのか。(明治乳業争議の解決をめざし)

2011年02月21日 17時20分27秒 | レポート
浅野茂太郎社長が居住する町内くまなく宣伝


  明治乳業争議支援千葉県共闘会議と明治乳業争議団は2月20日、総勢37人の仲間が6班に別れ、争議解決をめざし松戸市の浅野茂太郎社長宅周辺での訴えと社長宅に要請行動を行いました。
明治乳業支援共闘会議の松本議長は次ぎのように訴えました。

 
 明治乳業は1960年代後半、まともな労働組合を潰し、儲けを増やすため「インフォーマル組織」をつくり、全国の工場の労組を次々と乗っ取りました。その後、労働者に「赤組」「白組」「雑草組」のレッテルを張り、まともな労組活動を行っていた「赤組」には徹底的に賃金差別を行いました。大阪工場で正社員で働いていた糸賀さんは、60歳定年時の基本給が15万円、手取り18万円で退職しました。もちろん一回も昇格していません。

 当然、労働者は東京都労働委員会や東京地裁に訴えました。東京高等裁判所は賃金差別を認め、和解提案をしましたが、浅野茂太郎社長が拒否したため長期争議になっています。高等裁判所も差別を認めながら、救済命令を放棄しました。
 浅野茂太郎社長が和解を拒否したのは、まともな労組を乗っ取った張本人だったからです。当時、インフォーマル組織をつくり、市川工場の労組の支部長選挙に会社の意を受けて立候補したのが、現在の浅野茂太郎社長です。まともな労働組合を潰し、会社いいなりのご用組合をつくり、会社に貢献した功績で社長になったのです。

 このように労働者をイジメ、人権侵害をくり返してきた明治乳業の体質はいまも変わりません。北海道の十勝工場が社員を募集しています。その条件は高卒、6ヶ月更新、基本給128000円です。まさにワーキングプア製造工場です。一方、社長はベンツに乗り、“億万長者”です。

 明治乳業の非正規労働者の比率は41%です。派遣労働者の数は、「カウントしていない」と、株主総会で答弁しました。労働者をモノ扱いしている象徴的な会社です。
 ですから、事件、事故が後を絶ちません。2010年5月9日、明治乳業関東工場で入社間もない21歳の臨時社員の山中さんが機械に潰されて亡くなりました。本来2人でする危険な仕事を1人でやらされていました。亡くなった当日は日曜日、しかも母の日です。「痛いよ!助けて!」の悲鳴を浅野社長は受け止め、家族に謝罪と責任をとるべきです。あきらかに安全配慮義務違反です。また、昨年は埼玉県の子会社でも51歳の臨時社員がホークリフトと壁に挟まれ押しつぶされて亡くなりました。

 食の不祥事でも昨年は商品名「ナチュラルチーズ」「帰ってきたえりまきトカゲ」で不祥事をだし、商品を回収しました。人命よりも儲けを優先させているから、食の不祥事が続発し、死亡事故があとを絶たないのです。

 このように長期争議を抱えている会社は疲弊します。現に明治乳業に対する評価は、「疲弊感が漂っている」(週刊東洋経済2010年10月2日)、「総スカンを食った!明治HD統合計画の発表」(プレジゼント 2009年8.17号)などと報道しています。ですから、大企業の労働争議はほとんど解決しています。私たちは4月の再編までに解決することを訴えます。
 私たちは明治乳業の浅野茂太郎社長に対し、「食の安全」と長期にわたる労働争議の解決を求め、要請行動を行っています。ところが、明治乳業は、本社への電話は取り次がない、要請書も受け取らない、話し合いにも応じない、誠意のない態度をとりつづけています。私たちはやむなく2月20日、松戸市幸田の浅野社長宅に要請書を届けに行きました。しかし、居留守です。

 すでに64人の争議団中、8人が60代の若さで亡くなっています。在職中の過酷な三交代勤務、「赤ダニ」「生産疎外者」などの人権侵害呼ばわりがストレス、病の原因です。これ以上の争議引き延ばしは人道上も許されません。市民のみなさん、私たちはこの争議が勝利するまでたたかいつづけます。お騒がせをしていますが、争議解決へのご支援をよろしくお願いします。 

写真は出発に先駆けて挨拶する松本議長と千葉共闘事務局長山城さん(中)
司会の市川・浦安労連の阿部さん(右)
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明治製菓→みずほ京橋支店→明治乳業本社定例宣伝実施

2011年02月19日 19時08分31秒 | レポート
2月17日(木)事業再編の問題と争議解決せよと訴える!

 
 この4月1日から、明治製菓の菓子部門を乳業に吸収し、新会社、「株式会社 明治」と「Meiji Seikaファルマ」という2つの事業を立ち上げると発表された。この「事業再編」から見られる問題点を整理し4回目の宣伝を行いました。
(HPからチラシ参照)

 新資格制度の「役割給」を導入することによって、賃金は基本給を廃止して全て、「等級制度、評価制度、報酬制度」に切り替える。前のブログでも紹介していますが、ネットからの情報によると、食品業界の年間における社員の平均給料は、明治製菓が14位、明治乳業が41位でその差額は120万円もあります。この格差を一本にしていくために、提案主旨では、「自らのチャレンジ」でやりがいある制度などと述べていますが、他の企業では見直しをせざるを得ない「成果主義制度」を敢えて導入するという、これは、将来的に技術を教えない、伝承しないなどの問題が発生し、労働意欲の低下につながり企業の発展にマイナスになることなども指摘しました。

 同時に、人員整理は行わないとしますが、明治グループの連結子会社などへの転籍・出向を行うとしています。まさに、賃金・労働条件の低下など雇用破壊に結び付く大きな問題であること、労働者への犠牲は許されないと明菓本社、明乳本社の社員に訴えました。

 通行人の青年は、かつて明治乳業に関連する仕事をしていたと言って、どのような宣伝なのですかと問いかけてきました。
一つは、明治製菓と明乳が経営統合し明治HDが親会社として経営活動をしているが、この4月から事業再編を行い、120万円からの賃金格差を一本していく矛盾を知らせていることと、明乳の中での賃金差別是正で闘っている争議を解決せよと訴えているのですよと話すと、ホールディングスにしていくことは今流行りですねと。労働者にかけられてくる問題を訴えることはすごいですね、がんばってくださいとチラシも受け取って行きました。
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東京争議団共闘会議・定例都庁前宣伝実施

2011年02月16日 14時31分51秒 | レポート
都労委審査課への要請内容を訴える

2月15日、一人の首切りも一切の差別も許さない、この一点で共同闘争を展開。
現在、都労委において係争中の賃金差別是正・明治乳業争議団、パワハラ・不当労働行為で闘う出版労連C&S関連労働組合、東京都団体交渉拒否事件・東京公務公共一般労組、キャノンの不当労働行為・偽装請負で闘う非正規労働組合の阿久津さん、名ばかり管理職で勝利したが引き続き組合差別・パワハラ攻撃に闘う東和システムなどの5労組・団体で前夜の雪の残る中で宣伝を展開しました。

 訴えの中で明治乳業争議団は、1月27日に、審査課への要請内容報告を行いました。
全国事件で深刻な賃金・昇格差別の実態や、生々しい不当労働行為の事実に対し、会社証人は格差の合理性を立証していますが、その内容は、「相対比較」抜きで極めて信憑性の疑わしい、申立人等だけの作業ミス事例を述べ、「無能力者」「怠け者」と描く異常なものになっていること。申立人等は、この異常な審査状況に対し、迅速・正確な審理と早期救済への審査指揮を求める中で、①審理・判断に必要な資料として、「人事考課成績・基本給」などの開示を会社に求めること。②相対比較抜き「アラ探し個別立証」を規制し認めないことの2点を強調し、会社に厳しく求める要請をした。

合わせて、1月31日の調査時間の中で、再度、公益委員に、資料開示など拒否する場合は、申立人等の立証内容に基づく格差などの事実認定を行い、事件終結への審査指揮を発揮を求めたこと、この日の内容を踏まえて、改めて、3月25日審問終了後に調査期日を設けたことなどを報告・訴えました。
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━━ 明治HD「社外取締役」の中労委公益委員選任外される ━━

2011年02月06日 09時16分13秒 | お知らせ
━━ 明治HD「社外取締役」の中労委公益委員 ━━
抗議・要請行動により、31期(10年11月)では選任されず!

明治HDの社外取締役として、09年度は取締役会13回中12回に出席など、経営に対し活発な助言、意見を述べている佐貫葉子弁護士は、労働者・労働組合の権利擁護にとって、極めて重要な職責にある中央労働委員会の現役公益委員でした。労働委員会は、労使の参与委員を含め三者構成で事件を扱いますが、審査・判断の権限は公益委員にあるのです。
佐貫氏は、30期(08年11月)公益委員に選任されながら、翌年09年4月には、それまでの明治乳業社外監査役から、親会社「明治HD」の取締役に就任したのです。残念ながら、明治乳業は1960年代から労働争議の絶えない企業体質であり、いまでも都労委で全国事件(9事業所32名)の不当労働行為・差別事件が審査中なのです。こんな異常体質の民間大企業の取締役に、中央労働委員会の公益委員が就任するなんて、とても信じられないことです。 


明治HD包囲と厚生労働省に「選考基準」の異常さを正す運動の成果!

昨年11月、中央労働委員会委員改選(第31期)に向け、労働委員会民主化対策会議は労働者委員の公平任命を求めると同時に、公益委員の選考基準について追及しました。「民間大企業の取締役が公益代表と言えるのか」等、労働委員会設立の趣旨に照らしての異常さを厳しく指摘し、31期での不選任を求めたのです。さらに、争議団は、中労委公益委員を承知で取締役に就任させた、明治乳業及び明治HDの異常企業体質を告発する大宣伝を取り組みました。その結果、第31期中労委公益委員に佐貫葉子氏は選任されず、1期だけで退任する異例の結果となったのです。この問題で明確なのは、①公益委員の職責を知りながら、取締役に据えている明治HDの企業体質、②公益委員の職責にありながら取締役に就任した佐貫葉子氏、③民間大企業の取締役を公益委員に選考した厚生労働省(行政)の責任だと考えます。
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