明治乳業争議団(blog)

働くルールの確立で人間性の回復を!

東京地裁「不当判決」(春名茂裁判長)に屈することなく、中労委命令に従い「話し合い解決」を求める行動

2018年12月12日 14時36分32秒 | お知らせ

12・6全労連・東京地評争議支援総行動 株式会社 明治に「話し合い解決」を求める行動に168名が結集。

全国労働組合総連合(全労連) 小田川義和議長の主催者挨拶

 全労連、東京地評の争議総行動の締めの行動、ここ明治本社前行動に参加いただいた皆さん、雨の中、寒い中での一日の行動参加、大変ご苦労様でした。すべての争議解決を求める総意をここに結集し、頑なな明治に、要請書さえ受け取らない傲慢な明治に、解決を迫る行動として成功させていただくよう、お願いします。

 働き方改革は生産性向上のため、安倍政権のもとでは多くの経済政策が生産性向上を目的としている、まるで新興宗教の呪文のようです。こんな言い方をされると、私などは身構えてしまう。とりわけ1960年代の半ば、大企業や国鉄、郵政などの公務職場で一斉に行われた、大合理化推進目的のマル生攻撃では、労働者の生活と権利をまもるためにたたかいに立ちあがった労働者を、徹底して差別し、排除し、今日に続く労務管理の源流となっていることはご案内のとおりです。

 国鉄でのマル生は、労働組合と市民、学者、政党などの共闘で一定押し返し、電力、電機などでの差別事件は、月日はかかった解決を見た。その中でも、なお誤りを認めず、裁判所の和解勧告にも、労働委員会での不当行為性や組合差別の事実の確認などの経過を経てもなお、解決姿勢を見せない明治の姿勢は極めて特異な企業です。その特異性を強く批判し、解決のテーブルに着くよう求めたい。後程もご報告があるかとは思うが、さる11月29日、明治乳業での賃金差別に関する中央労働委員会の不当な命令の取り消しを求めた行政裁判で、東京地裁は、中労委命令を追認する不当判決を出した。

その裁判の、最大のポイント、不当性は、継続した差別意志をもって、1969年から32名の原告の退職まで続いた賃金差別を全体として評価せず、申し立ての1年前、1993年の昇格昇給決定時のみを取り出して、不当労働行為はなったという判断を行ったことだ。 四半世紀を一連でみれば、その組合所属による差別性は明確だが、そのうちの1年では薄まってしまう、墨汁一滴垂らしても洗面器の水が黒くならない、その道理を理解しないものと言わざるを得ない。

 法的な制約はあっても、明治乳業が、労働組合活動を行う労働者らを差別し排除するために、労働者を紅組・白組・雑草組に分類して管理をし、働く者の人権や食品の「安全・安心」を求める労働者らに「紅組」のレッテルを貼り、昇給・昇格や仕事差別など人権侵害の限りを尽くしてきたことは疑いのない事実。この点を真摯に反省した対応を明治が行うよう、再度、求めたいと思います。

 コストカッターと異名をとった日産のゴーン会長が、報酬を少なく見せる有価証券報告書の改善を指示した罪で逮捕された。それ以外にも、投資の失敗を会社に付け回しし、私用の費用を会社に負担させていた背任も疑われている。労働者を使い捨てにしても、企業の収益を確保する企業経営が広く日本社会に広がっていることを示した事件。強欲資本主義病に、今だけ、カネだけ、自分だけの反社会的な経営病に取りつかれた日本の経営者が、今、求めているのが、安価で若い労働力を、それも5年以内で使い捨てにすることを前提に外国から受け入れるための入管法改悪でご承知の通りであります。外国人労働者、女性、そして高齢者をチープ労働力の供給先にしようとしている安倍政権と財界には、8時間働けばくらせるルールの整備も、労働者の権利と人権を守るための積極姿勢もない。ないだけでなく、企業利益が上がれば、株価が上がれば何をしても、というのが安倍政権と財界の姿勢だと思います。それだけに政治を変える闘いと、労働者使い捨て、労働者尊厳否定の結果である争議解決のたたかいは地下茎でつながっている。

 最後にその点を強調し、すべての争議解決のためにも、安倍政権の打倒の大きなたたかいのうねりを作り出し、来春の統一地方選挙、夏の参議院選挙にむけた働く仲間の奮闘を、と呼び掛けて、この場の主催者挨拶にしたいと思います。

11月29日全国9事業所32名へ、東京地裁の「不当判決」に対して弁護団・金井克仁事務局長から報告される

判決は一言で云って、極めて形式的、法律的に中労委命令を追認したに尽きます。

 3つの間違いがあります。1番目は、明治乳業の差別行為は30年を超えて毎年毎年継続され累積された差別ですが、それを裁判所は、平成6年の申立ての一年前の平成5年の時に不当労働行為があったかどうかを判断すれば足りると言ったことです。「継続する行為」として長い差別ではそう判断をすべきではないと主張しましたけれども、判決は納得できる理由もつけずに私たちの主張を否定しました。

 2番目は、その考え方によって平成5年にどうゆう不当労働行為があれば問題になるのかということについて、裁判所は平成3年から平成5年までの3年間の人事考課に差別があったかどうかと判断したことです。中労委はD評価については「やや高い」、B評価については「やや低い」という表現で、原告等には有意な格差がないと判断して不当労働行為はないと判断しました。判決もこれを追認し、やや高い、やや低いという中労委の屁理屈の補強を5~6ページにわたり述べて、人事考課に有意な格差はない、格差は有るんだとただそれは有意ではないと切り捨てました。

 3番目は、私たちは継続した累積した差別で平成5年にぶった切って判断するとしても、累積格差を将来に向かって一括して救済する方法を否定したことです。労働委員会はこの間、ずっとこのやり方で救済してきたではないかと私たちは主張しました。これに対して地裁は、平成5年の時に不当労働行為がなければ将来に向かっても過去に遡っても一切救済できないとする誤った判断をしました。累積格差の一括是正は、命令や判決の名前はいいませんけれども、20年くらいにわたって労働委員会が築いてきた救済方法です。救済の申立てをした1年前の年、そこに賃金の格差があり職務の格差があれば、将来に向かって救済してきたのがこれまでの考え方です。それをどうゆう訳だか、この争議に関して、中労委も地裁も平成5年の人事考課に明確に差別がなければ救済しないというとんでもない判決をだしました。

こうしたことから、我々弁護団は極めて形式的で法律論だけに縛られた判決だと評価したわけです。

 ただし地裁判決は、中労委が過去に差別があったこと、平成5年に格差があったこと、インフォーマル組織をつくって明治乳業争議団をいじめたということを認定したことについて、これを覆させることはできませんでした。それから有名な付言で会社に早期に和解に応じろと言った付言も取り消すことはできませんでした。また、この様な不当判決を書いた春名裁判長も裁判の前半の段階で、中労委付言に従って会社に2度にわたって和解勧告をしているのです。判決は確かに不当判決ですけれども、中労委の付言にもとづく早期の和解解決で争議を解決することに地裁ものったわけです。不幸にして不当判決になりましたけれども、今後高裁に控訴をする、あるいは今日の様な社前で会社に対して抗議を行って、早期の和解解決を勝ちとろうではありませんか。早期に和解解決を勝ちとることにもう一度奮闘したいと思います。

 明治乳業争議支援共闘会議 松本悟議長が社前で争議解決を求める。

 株式会社明治社前に明治乳業争議の解決を求め、お集まりのみなさん、ありがとうございます。

この争議の本質は、一言でいうと政財官によるユニオンジャックです。たたかう労働組合を潰すため、賃金差別・人権侵害を行った不当労働行為事件です。この争議の到達点は、差別も人権侵害も事実と認定した中労委命令、それを追認した東京地裁判決を勝ち取り、潮目は変わり、明治は追い詰められています。

  筆頭株主のみずほ銀行は、争議解決目指し明治とトップ交渉をしているとの情報があります。昨日、日経連と経団連の役員をやりながら明治乳業の社長をやっていた島村靖三名誉顧問宅を訪問し要請しました。島村名誉顧問は、小関団長に「早く終結するといいね」といいました。株主総会の答弁では、「この争議は終わっている」と報告していますが、名誉顧問の発言に見られるように、争議を終わらせたい、という共通の思いが確認できました。

 なぜ、このような到達点を築いたのか。それは、たたかいで明治を包囲したからです。 一つは、明治の目玉商品のr-1ヨーグルトや高カカオチョコチョコの薬事法違反などを国会質問し、メディアが取り上げ、消費者の不買にあいました。その結果、4~9月期の明治の決算は、統合後初めて、減収、減益になり経営責任が問われいます。 二つ目は、リストラの嵐です。根室工場、北陸工場、十勝帯広工場、北上工場の閉鎖を発表し、社員と地域社会の不満が高まっています。三っ目は、TPPが12月30日に発効し、明治に激震が走ります。乳業協会の分析では、北海道のチーズ工場などは壊滅、都府県の酪農業も壊滅に追い込まれると分析しています。争議にエネルギーを使っている場合ではありません。

という情勢ですから、明治は生き残りをかけ、オリンピック商戦と海外進出に未来をかけています。これまでも世界展開を計画してきましたが、中国から粉ミルク事業は、セシウム汚染を隠ぺいしたため撤退に追い込まれるなど、この争議がバリケードになって、失敗しています。国連が企業に求めている普遍的価値は、人権擁護、差別撤廃などです。この差別・人権侵害争議を解決しない限り、世界に通用しないということです。

  明治HDの川村和夫社長、明治の松田克也社長、食の安全と人権を守るまっとうな企業にならない限り、未来はありません。この争議解決は、名誉顧問も筆頭株主も消費者も社員も求めています。一日も早く話し合いのテーブルに着くことを求めます。私たちは、この争議が解決するまで、東京高裁、都労委を舞台に、断固たたかうということを申し上げ、訴えとさせていただきます。ありがとうございました。

日本婦人団体連合会 柴田真佐子会長が消費者の立場から訴える

 日本婦人団体連合会は、食の「安全・安心」を守り、子どもたちの安全と未来を守る立場で、明治乳業争議を支援してきました。

 明治グループのCSRに関する基本的な考え方の中の人権方針には、「私たち明治グループは、全ての人が生まれながらに自由であり、かつ尊厳と権利について平等であることを常に認識し、企業活動において公正かつ誠実に行動します」。「人権の尊重および差別の禁止」の項では、私たちは、国際社会の一員として基本的人権を尊重し、人権侵害に加担しないよう努めます。また、各国・地域の法令遵守・文化尊重はもとより、人種、性別、年齢、言語、宗教、国籍、障がい、社会的出身、財産、その他の地位等に関する一切の差別的行為を行いません」ハラスメントの禁止では、「私たちは、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど、人権を傷つける言動や行為を行いません」。その様にHPで公表しています。その明治グループが長期にわたって争議解決をしていません。

 この間、「学校給食牛乳」異臭問題もありました。「異臭」を「風味」と言い換え、発生原因を酪農家や子どもの感覚にすり替える等、自社の責任を認めようとしていません。一方「脳の若返り」を謳った高カカオチョコレートの問題もあります。この問題は国会でも追及されました。明治の企業モラルとコンプライアンス違反はどこまで続くのでしょうか。

 東京オリンピック・パラリンピックへの食材調達するスポンサーシップ契約を目指しています。資材を提供するには「食の安全」確保はもちろん、作業者の安全や人権尊重などで健全な企業でなければなりません。明治の多発する製品事故などの不祥事と労働争議、人件否定が絶えない以上体質がオリンピックのパートナーになれるのでしょうか。

 食の「安全・安心」は食品会社の命です。私たちは、食の「安全・安心」のためには、物言う労働者、労働組合が必要だと思っています。「働く者の人権を守れない企業には、食の安全を求める私たち消費者の安全も守れません」。長期の争議になっています。すでにお亡くなりになった方もいらっしゃいます。

 明治乳業争議の解決は働く者の尊厳を守ることと同時に、食の「安全・安心」にとっても大切なことです。争議の一日も早い解決のために、婦団連も微力ながら支援します。勝利の日までともに頑張りましょう。連帯の挨拶とします。

全国9事業所64名(内15名物故)を代表して決意表明 小関守団長

 皆さん、明治乳業争議は長期に及ぶ闘いですが、私たちは昨年1月の中労委命令を契機に、潮目の変化に確信を持って闘っています。そして、この潮目の変化は先月29日の不当な地裁判決によっても揺らぐことのないものです。中労委命令は、集団間差別の存在を「紛れもない事実」と断定し、不当労働行為についても、「会社は非難を免れ得ない」と断罪しました。

 この中労委命令「付言」の内容は、不当判決によっても否定されることなく、明治乳業争議の到達点として生きているのです。私たちは、この間、東京地裁を闘いながら、この同時に、この明治に対し「中労委命令の付言を真摯に受け止め、直ちに話合いに応じろ」という、道理ある申入れと包囲運動を強め、この本社の扉を押し開けることに総力を挙げています。

 皆さん、私たちはこの間の闘いで、明治の異常企業体質を告発し包囲する運動に大きな変化を作り出してきました。例えば、昨年9月に発生した「学校給食牛乳異臭事件」では、山添拓参議員が「消費者問題特別委員会」で「異臭の原因は特定されたのか」と追及し、これに対し、厚労省が「特定されていません」と答弁したことで、それまで原因を生乳生産地や子供の味覚に転嫁していた明治への不信と怒りが広がり、被害の多かった新宿区は今年度から明治との学乳契約を打ち切ったのです。皆さん、明治の「外にバレなければ何でもあり」の隠蔽体質が、マスコミ報道も含め極めて鮮明になっているのが現状です。

 そして私たちは、この明治が東京2020オリバラ組織委員会と契約を結び、食材提供企業を目指していることを問題にし、この間、7回に及んで組織委員会に対し明治の不祥事・不正行為や、労働争議をめぐる情報提供を丁寧に行い、二つの要請を継続しています。一つは、食材調達契約に当たっては、調達コードに基づき明治の企業体質を正確に見極めること。二つは、労働争議などのない健全な企業体質を調達契約の前提とすることです。

 皆さん、ご承知の通り、私たちは高齢者争議団となっています。齢を重ねることは避けられませんが、しかし「このままでは人生終えられない」の決意で頑張っています。私たちは、団員個々の可能な力を無理なく寄せ集め、粘り強く会社包囲運動に総力を挙げています。そして、不当判決に屈することなく控訴審を闘い、高裁審理の早い段階で「解決局面を切り拓く」目標で、争議団全体の意志を固め頑張っています。

 最後に、長期争議に対する皆さんの一貫したご支援に対し、必ず解決局面を切り拓く決意を申し上げ、結集して頂いたことへのお礼といたします。総行動へのご参加、本当にありがとうございました。

株式会社明治に向かって参加者一同がシュプレヒコールで意思表明

一、東京地裁・春名裁判長の不当判決は許さないぞ!

一、不当労働行為、格差を認定した中労委命令に従い、争議解決を決断しろ!

一、明治は、異常なる争議の全面解決に向け、直ちに話し合いに応じろ!

 団結ガンバロウ

労働法制の規制緩和反対!   憲法を職場とくらしに活かそう!  ストップ安倍改憲! 

企業の横暴と司法の反動を許さず、明乳争議と全ての争議の全面解決に向け

団結ガンバロウ、ガンバロウ、ガンバロウ

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全国9事業所32名、東京地裁・春名茂裁判長は明治乳業の不当労働行為認めない不当判決、しかし、過去の差別は否定せず

2018年12月02日 13時43分26秒 | お知らせ

明治乳業賃金等差別事件に関する  中労委命令の取消訴訟についての地裁判決に対する「声明」

 1 不当労働行為の救済を否定した中労委命令を追認した不当判決

 東京地方裁判所民事第19部(裁判長裁判官春名茂・裁判官西村康一郎・同関泰士)は、平成30年11月29日、長期の職分賃金差別の不当労働行為救済を否定した中労委命令の取消を求めた原告30名の行政訴訟(平成29年[行ウ]第149号、同第375号)について、不当労働行為の成立を否定した中労委命令を追認し、原告らの請求を棄却する不当な判決を下した。

2 長期の職分賃金差別を不当労働行為として救済しなかった中労委命令

 本件訴訟で取消の対象たる中労委命令(平成25年〔不再〕第61号、平成29年2月17日交付)は、全国9事業所で働いていた申立人32名が株式会社明治から長期間にわたって受け続けた職分賃金差別(以下「本件差別」という)に関するものである。本件差別は、申立人32名に対し平均97万円(月例賃金4~5か月分にあたる)に及ぶ大きな賃金差別があり、また基幹職1級への昇格で13年以上遅れるという際だった職分差別があり(平成5年度で他の従業員集団が「基幹職1級以上」に昇格している割合が85%以上に達しているのに対し、原告ら集団[63名]は30%に過ぎず追いつくに約13年かかる)、何より新職分制度が導入された昭和44年以降から退職まで続いた差別であった。にもかかわらず、中労委命令は不当労働行為にならないという不当な判断を下した。

3 地裁判決の3つの大きな誤り

 ところが誤った中労委命令を正すべき地裁は次の3つの大きな誤りを犯し、中労委命令を追認して、原告らへの長年にわたる本件差別を救済しなかった。

 まず第1に、本件差別が複数年度にまたがる「継続する行為」に該当して、遡って差別等を判断すべきとした原告らの主張に対し、地裁判決は中労委命令と同様にこれを否定した点である。地裁判決は申立て1年前の平成5年4月1日に行われた昇格昇給決定行為について(つまり平成3年~5年の人事効果成績)不当労働行為の成否を検討すれば足りると判断した。

 次に第2に、平成5年の昇格昇給決定行為の根拠となる人事考課成績について、例えば標準的人事考課分布で10%から20%とされるB考課について、原告らの多くが1名(3.1%)ないし2名(6.3%)であって、他の従業員集団と比較して原告らに対しては3分の1程度しか付けられていない(分布していない)にもかかわらず、地裁判決は「有意な格差」ではないとして不当労働行為性を否定した点である。

 そして第3に、平成5年度に会社による不利益取扱いの事実(職分格差)が認められれば、「累積差別の一括是正方式」で差別を救済することが従前の労働委員会命令及び判例であったところ、地裁判決はこの方式を適用するには、平成5年の昇格昇給決定行為の根拠となる人事考課成績に不当労働行為が認められることが必要だとして、中労委命令と同様にこの手法を否定した点である。

4 複数年度にまたがり累積した賃金差別等の救済の道を否定した判例

 労組法は1年間の除斥期間を定めているが、賃金昇格差別事件はほぼ例外なくこの除斥期間の範囲を超えて継続的・累積的に格差が形成されるという特質をもつ。そこで不当労働行為の結果の排除と除斥期間の定めの矛盾をどう調整し妥当な結果を導くべきかについて、労働法学界及び労働委員会は本件のような長期の職分賃金差別行為を「継続する行為」に該当すると解して救済したり、「累積差別の一括是正方式」で不当労働行為により生じた現存する差別を将来に向かって是正して救済するなど工夫してきた。例えば「賃金上の不利益取扱については、救済対象となる期間において、会社による不利益取扱の事実が認められ、かつ、現に存する差別について救済を求めているときには、その差別の是正を命じることは、労働組合法27条2項になんら抵触するものではない」として救済した新日本石油化学事件命令などである。

地裁判決(追認された中央委命令)はこうした中労委が積み重ねてきた救済を投げ捨てたものである。私たちはこの異常な判断に強く抗議する。

5 維持された中労委命令の付言等を活用して争議の解決を

 地裁判決が維持した中労委命令は、事実認定においてインフォーマル組織に会社が関与したこと等を認めた。また「第5付言」で会社の職制らが申立人らに対し「誹謗中傷と評価されるのもやむを得ない活動を行って」いたと認め、会社が職制らのこの「活動を抑制することはなかったという限度においては、非難を免れ得ない」と厳しく批判し、職分賃金格差が「存在していたのは紛れもない事実である」と強く指摘し、その解決を求めている。

 こうした中労委命令及びこれを追認した地裁判決を契機に、我々は会社に対し、長年にわたって行われた争議について、当事者間の交渉で早期に全面的な解決をするよう私たちは強く求めるものである。会社が早期に私たちと交渉してこの争議を解決することこそが、食品の安全・責任を尊重する食品企業としての会社に相応しい態度であると確信している。

2018年11月29日

明治乳業争議支援共闘会議

明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団

明治乳業賃金差別事件弁護団

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千葉県うたごえ協議会・プリマベラ合唱団が連帯して不当判決に「明乳争議団歌」を歌い激励をいただきました。最後に「ガンバロウ合唱」で次のたたかいに心を一つに確認しました。

    判決内容は中労委命令を追認したもので、求めた継続する行為・累積格差を認めない不当判決だと指摘し、その他の中労委命令の判断をしていない点は、過去の差別を否定していないことになる。このことに関しては重要とみて良いと考ます。すくなくとも解決に向けての運動につながることになると、判決・判断の部分から感想、報告がありました。

 

 

  明治乳業争議支援共闘会議・松本議長は、残念な棄却判決ですが、中労委命令を追認したものと報告でしたが付言を含めて判断をしていないことは、明治乳業に歴史的に紛れもない格差と不当労働行為・いじめがあったことに非難は免れ得ないと断罪していることに確信をもって運動で解決を図るため全力をあげていきますので、最後までのご支援を呼びかけました。

 

  判決言い渡しに、80名からの支援者が駆けつけていただいた皆さんに、小関団長は、証人4名を採用をしなかった春名茂裁判長の訴訟指揮から一面予想をしてきたこと、その中で一番危惧していた中労委命令の事実認定と付言に対し、あらぬ判断をしてくることを一番恐れていた。とそして、この判決を節になんとしても終結を見つけだすために、今一度皆さん方のご支援をいただき奮闘することを決意としました。

 

  参加者全員で、プリマベラ合唱団音頭で「ガンバロウ」を合唱して、判決にへこたれないぞと団結しました。

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