海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国公安警察の長い腕」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2005年11月03日 | 中国の政治・経済・社会
副題:二人の脱出者は、どのように海外在住の中国人がスパイされ、嫌がらせをうけているかを報告している。
ベルリン発:自分は知識人でも反体制派でもないと、ハオ・フェンジュンは言う。「私は国家機関の出身です。」だが、彼が北京のそばの天津市の「機関」のためにしなければならなかったことに、公安警察の警部はますます我慢できなくなった。「われわれは犯罪の容疑者を追跡したのではなく、全く普通の人を追跡しました。--彼らの宗教心のせいで」と公安警察のために働いていた32才の男は言った。公安警察は、中国で禁止されている法輪功という宗教運動を迫害するために作られた。ハオの課題は、海外に居住する疑わしい中国人についての情報の価値を判定すること、つまり、姓名、住所、職業、どこで買い物をするか、誰と友達か、これらすべてが、記録されると、現在ベルリンに住んで、中国のスパイ活動に対して警告するハオは述べる。
2月にハオは、妻と飛行機に乗り、観光ビザで、オーストラリアに向けて旅だった。公安警察の200件の重要書類を携帯して。シドニーに駐在した中国政府外交官チェン・ヨンリンが外国における中国の広範なスパイ活動を公にした後、--そのことは、中国に政治的地震を引き起こしたのだが、--ハオは、勇気を振るって、チェンの告発を裏書きした。それによると、中国では1,000名の情報部員が軍事情報を集め、産業スパイを働き、海外在住の中国人の動静を探っている。疑わしい中国人は、5つのグループに分けられている。1.独立を企てる台湾人、2.民主主義活動家、3.法輪功の信者、4.チベット人、5.モスレム色の強い新彊省のウイグル人である。この事実を、北京の中国外務省は、否認している。ベルリンにある中華人民共和国大使館は、ドイツで登録されている7万2千人の中国人は、決してカタログ化されていない」と述べている。「告発にはただ一つの目標しかない。つまり、中国の悪口を言うということだ。」
これに対して、チェンは、「中国政府は、世界中の中国人をコントロールしようとしているのだ。どの小さなグループにも、一人のスパイがいるに違いない。」10万人の情報提供者がグループを把握するために、何百万元も支出されている。これに基づいて、「対抗措置」が取られている。つまり、海外在住の中国人の間に不安を広め、個人を誹謗し、争いの種を蒔く。「分割して統治する」という古い原理が明らかに機能している。その証拠に、少なくともこれまで、中国の反体制派は共同の力を形成するのに成功しなかった。
[訳者のコメント]キルスティン・ヴェンク記者の記事です。中国政府も反体制運動を抑えるのに懸命になっているようです。
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