海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国の損失が大きくなると、自信は恐怖に変わる」と題する『ワシントンポスト』紙の記事

2008年11月04日 | 中国の政治・経済・社会
深せん発:チョン・イク玩具会社が破産した時、社長は給与を払わないで雲隠れした。怒った労働者達は、街頭の抗議デモに加わった。72時間以内に、地方政府が助けにやってきた。900名の元従業員達が何とかやっていけるように、総額50万ドルが入った鞄で武装した会計係はお金を配分し始めた。10月21日の緊急給与支払いを行った中国の役人達は、それを「払い戻し保険基金」の「払い戻し金」だと称した。しかし、本当のことは誰もが知っていた。それは、政府の救済措置だったのだ。
グローバルな金融危機が起こった週に、中国の高官は、自分たちは大して影響は受けていないと断言した。だが、工場が閉鎖し、差し迫った企業の給与が報道され、株式市場の損失が大きくなると、中国共産党の自信は、別の感情、つまり恐怖にすっかり変わった。
中国が資本主義的変貌を初めたこの30年間で初めて、経済が本当に具合が悪いということが認識された。中国共産党にとっては、危機は、単に経済的なものにとどまらず、政治的危機になりつつある。政府の反応は、資本主義に対する中国の曖昧な関係をかいま見させる。具合のいいときには相対的に手を出さないが、下降の最初のサインがあれば、民衆の不安を予防するために、素早く介入するのだ。
最近、地方政府は、業績のふるわない会社のために特別の貸し出しを設定し、既に職を失った労働者のために退職金を支払い始めた。役人達は、彼らが「大量事故」(民衆の抗議のこと)と称するものを阻止するために、これらの努力が必要とされているということを認めるのにやぶさかでない。(後略)
[訳者の感想]企業の損害を政府が一生懸命償っているというのは、滑稽でもあり気の毒でもあります。この記事を書いたのは、アリアナ・ユンジュン・チャという女性記者のようです。
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