海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国の軍事力増強に対して国防省は警戒」と題する『シドニー・モーニング・ポスト』紙の記事。

2006年05月25日 | 中国の政治・経済・社会
中国の軍事力近代化についての国防省の報告は、台湾を威嚇し、その重点を東アジアにかける中国の能力に対するアメリカの関心が増えていることを明らかにしている。
 火曜日に発表された報告は、中国が日本との対決を準備し、海軍、空軍およびミサイルの増強を要求していることに対する米軍の内部での恐れに照明を当てている。
「彼らは中国人が日本との海上で対決する姿勢を取りつつあることを憂慮している」とワシントンにある「情報研究と分析のためのセンター」の副所長であるジェームズ・マルヴェノンは述べた。
 多くのアナリストは、中国軍事力の増大が東アジアでの力の均衡を覆すかもしれないというブッシュ行政府の関心を共有しているが、報告による中国軍事費の推定は、いささか懐疑的に対応された。
 国防省は、2006年度の中国の軍事費支出が、1千50億ドル(11兆6550億円)であるとする「防衛情報局」の推定を引用した。マルヴェノン氏は、実際の数字は500億ドル(5兆5000億円)以上ではないようだと言う。
 アナリスト達は、中国の努力が太平洋におけるアメリカ海軍にとって直接の脅威となることを疑っている。「国防省は、中国の近代化が東アジアにおける支配的立場を作りだし、アメリカに取って代わることを目指していると思っている」とケイトー研究所で「防衛と外交研究」の副所長をしているテッド・ガレン・カーペンターは述べた。「それは長期の目標であるが、われわれはそれを年ではなくて十年単位で測らなければならない。」
 報告書は、中国との軍事競争について北京との調和的な関係に対する楽観主義を表現する慎重な言葉でバランスをとっている。
 昨年、報告書は、米国内からのひとわたりの分析と批判の火をつけ、それが逆に中国からの批判と分析の反応を引き起こした。
 今年の50ページに及ぶ記録文書は、台湾ではなくて東アジア全体を攻撃する中国の能力について延々と述べている。それは中国と日本の関係が悪化しており、それが大部分東シナ海にある潜在的なエネルギー備蓄を巡る対立に関係していると指摘している。
 「中国の軍事力増強のペースと範囲は、既に地域の軍事的バランスを危険にしている」と報告書は述べている」と報告書は述べている。
 報告書は、台湾に対して使用されるかもしれない短距離ミサイルを含む過去の中国の軍事力におけるいくつかの拡大を引き合いに出している。
 この報告書は、また、戦闘機の飛行範囲を拡大できる空中給油機の獲得について論じている。
[訳者の感想]アメリカ国防省も中国軍の近代化と増強が東アジアの力の均衡を破る可能性を憂慮しているようです。
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1 コメント

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韓国だけが (kts)
2006-05-26 11:12:48
現状を認識してないようですね。
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