海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「メルケル首相の中国訪問の収支決算」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2006年05月24日 | 国際政治
上海:彼女の最初の中国旅行の終わりに、アンゲラ・メルケル連邦首相は、中華人民共和国における宗教の自由と人権のためにもう一つのシグナルを送った。最初のドイツ首相として、彼女は上海で中国におけるキリスト教的信仰の高位の代表者であるアロイジウス・ジン司教を訪問した。
メルケルは、1982年まで27年間牢獄に入れられていた91才の司教に会い、たっぷり半時間個人的な話し合いをした。それに続いて、司教は連邦首相を1千300万都市である上海の中心にある教会を案内した。ジンは、教皇を権威と認めない中国のカトリック教会の司教である。だが、彼はバチカンの祝福を受けている。別れ際に、ジンは、メルケルに、「私はあなたのために常に祈るでしょう」と言った。連邦首相は、流暢なドイツ語を話すジンとの出会いに際して「非常に心動かされた」ように見えた。
連邦首相は、人権に関する中国の国家と党の指導者との対話の決算を引き出した。彼女の相手はこのテーマが出た際、「注意深く傾聴した。」「民主主義と自由は社会にとって役立つという経験は、慎重にしか受け入れられないだろう。なお多くの対話がなされなければならないだろう」と彼女は述べた。
知的財産の保護の問題に関して、ドイツ連邦共和国は、将来とも強調してゆくだろう。彼女は対話において、「われわれは断固と明確にことを進める」ということを指摘した。「技術的ノウハウの保護は、ドイツにおける福祉の確保につながるだろう」と彼女は上海での経済フーラムで述べた。
来るべき数年を見越して、彼女はまた中国との交渉において連邦政府とドイツ企業はより厳しい態度を取るだろうと予告した。「中央ドイツ放送」に対して「われわれは批判的な調子で物を言う勇気をもたねばならない。われわれは何もただでくれてやるつもりはないということをはっきりさせねばならない。台頭しつつある国が普通の価格を支払うことをわれわれは期待している」と彼女は述べた。このことは中国で建設中の「トランスラピッド」にも当てはまる。すでに期待されていたいくつかの契約は成立しなかった。
[訳者の感想]中国は技術援助や経済援助を期待していたようですが、メルケル首相は、その点では譲歩しなかったようです。
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