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「ラムズフェルドの最後のメッセージ:われわれはイラクで成功するだろう」

2006年12月09日 | イラク問題
ドナルド・ラムズフェルドは、昨日、国防省で、感傷的で大部分懲りない別れの言葉を述べ、イラクに関する超党派的委員会の提案を拒否し、米国はイラクとアフガニスタンの両方で成功する機会を持っていると主張した。
国防長官として六年間務めた間の唯一遺憾なことは、アブグレイブ・スキャンダルであったと述べた。彼はこの米軍が運営していた刑務所で囚人が虐待されたのが分かった日は、職務上最悪の日だったと述べた。
それ以外は、彼は国防省における彼の勤務を特徴づけた楽天的なレトリックに固執した。「われわれはイラクとアフガニスタンに成功するあらゆるチャンスを持っている」と彼は国防省の職員に語った。
「イラク研究グループ」の報告に対しては彼は、否定的だった。「私はペース大将やアビゼイド大将が、分析したり研究したり状況に適応したりするのに機能しなかったという意見には賛成できない」と述べた。
公の場での反抗的で自己弁護的なスタンスとは対照的に、ラムズフェルドは、11月に漏洩された大統領への私的なメモでは、もっと深刻であったことが知られている。そこでは、彼は軍事的戦略が十分に機能しておらず、「大幅な適応」が必要で、イラクにおける部隊や基地の数を減らし、特殊部隊にもっと多く依存することを提案していた。
昨日、英国と米国は、イラクで掃討作戦を行った。英国の軍事広報官がこの種の作戦では最大のものと呼んだのは、イギリス兵とデンマーク兵合わせて1千名が戦車とヘリコプターとボートの支援の下でバスラ北部のハルタ地区での5人のイラク人を逮捕した。イギリス軍の広報官チャーリー・バーブリッジは、「これらの人物は子供の誘拐、殺人、多国籍軍の攻撃などさまざまの犯罪行為に結びついてた」と述べた。彼は五人をバスラにおける悪漢的要素をもった軍事作戦の指導者であると述べた。
捜索された家屋では武器が発見されが、その中には、道ばた爆弾として止揚するために砲弾に電線が付けられていたと彼は述べた。
バグダッド北西部のタルタル地区では、イラクにおけるアルカイダを目標にした攻撃で、女性を含む20名の武装勢力が殺された。この地区の知事であるアミール・フェイアドによると、19人の民間人が殺されたが、その中には7人の女性と8人の子供が含まれている。
昨日の報道によると、サウディ・アラビアの民間人が、イラクにおけるスンニー派の武装勢力に数百万ドルを与え、それらの資金は、地対空ミサイル発射装置を含む武器の調達に使われた。AP通信の通信員に対するトラック運転手の証言によると、武装勢力に渡すために、サウディ・アラビアからイラクへ箱詰めの紙幣が運ばれた。
サウディ・アラビアの役人は、イラク政府と米軍と戦うための金がサウディから送られたということを否定した。
 IAEA(国際原子力エネルギー庁)の長官であるエルバラダイは、「イラク戦争は、外交的努力が十分尽くされる前に、武力行使に訴えるべきではないという教訓を与えた」と述べた。彼は自分の役所は、戦争前のイラクの武装計画についての評価が、大量殺戮兵器がイラクでは見つからなかったことで、証明されてほっとしている」と述べた。「みんながイラクの状況から学んでくれると良いと思う。」
ラムズフェルドは、形式的には、12月17日に後任のロバート・ゲイツ長官に事務を引き継ぐことになっている。国防省のクリスマス・パーティは、彼の在任中の12月15日に開かれるよていだった。『ワシントン・ポスト』紙によると、国防省が彼の辞任を祝っているという印象を与えることを恐れて、昨日に繰り上げられた。
[訳者の感想]私的なメモでは、悲観的で、公式の挨拶では楽天的というのもあり得ることかなと思います。クリスマス・パーティを繰り上げた理由が日本的だと思いました。
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