海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「新彊ウイグル自治区での静かな死」と題する『ガーディアン』紙の記事。

2008年04月06日 | 中国の政治・経済・社会
中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす (NB Online book)
遠藤 誉
日経BP社

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ダライ・ラマは、いろいろに呼ばれた。ルパート・マードックは、一度、彼を「グッチの靴を履いて歩き回っている非常に政治的な坊主」と呼んだ。他方、CNNのアナウンサーのラリー・キングは、間違ってこのチベット人の政治的精神的指導者を有名なイスラム主義活動家だと述べた。しかしながら、先週まで、彼をテロリストと呼んだ人は誰もいなかった。
彼に非難を向けたのは、中国政府だった。中国政府によると、チベットにおける最近の暴動は、新彊ウイグル自治区から来た戦闘的なウイグル人と共謀したダライ・ラマによって指揮された。ウイグル人は、オリンピック競技会に対するテロ攻撃を計画していたというのだ。中国は最近二週間の間に二度、新彊ウイグル自治区出身の分離主義者を非難した。しかし、『ガーディアン』紙に載ったパラグ・カンナを別として、この話は、英国の新聞雑誌にこれ以上の報道を引き起こすのに失敗した。
 全く利己的な理由で、私はこのことに失望した。たまたま、私の新しい小説『タイフーン』は、アメリカの援助を受けて、北京のオリンピック競技会を吹き飛ばそうとするウイグル人過激派を扱っている。この種の陰謀が実際に進行中だという中国政府の示唆は、多くの小説家が夢見るたぐいの宣伝である。だが、ここには、もっと重大な点がある。仏教徒のチベットにとりつかれた英国のメディアは、新彊ウイグル自治区、特にトルコ系ムスリムに対する西欧の態度については多くのことを語っている。
 人々が新彊ウイグル自治区について無知である訳は、そこには、世界の注意を引き起こすのに十分な人物、つまりダライ・ラマや、リチャード・ギアがいないからである。もしこういう人物がいたら、われわれはウイグル人に対する野蛮な扱いについてもっと多くのことを知るだろうが。
 新彊自治区の分離主義的運動に対する中国政府の扱いは非常に偏執狂的なので、それは、非常に汚い口実で、無辜の市民を投獄している。
 ウイグル人たちは、彼らの独立の理由に対して同情的な新聞を読んだという理由で、投獄されてきた。ほかの人たちは、米国議会の基金による「自由アジア」というラジオを聞いたという理由で、拘留されてきた。公共の場で分離主義的な議論をするだけで、長期間、投獄される危険を冒すことなる。最近、シルク・ロードの町ホータンで、数百名がデモをしたために、百名のウイグル人たちが逮捕された。(以下省略)
[訳者の感想]ウイグル人の独立運動については、ヨーロッパでも、あまり報道がないようです。記事の筆者、チャールズ・カミングは、新彊ウイグル自治区の情勢に詳しい小説家のようです。
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