旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

インドネシア・コモド島の蝶

2009-10-20 | 
コモド島地域は世界自然遺産に指定され、一切の採集行為は禁止されているので、捕虫網はもちろん持っていかなかった。コモド島でオオトカゲを探して歩きながら、蝶にお目にかかれることを多少は期待していたが、ご覧のとうりのサバナ気候に加えて、乾季の真っ最中ということで蝶相はきわめて貧弱であった。

小さな島とはいえ大阪市の面積(222㎢)より広い280㎢もあるので、もちろん全島を歩けるわけはなく、レンジャー同行のごく限られた山道での見聞にすぎないが、アゲハチョウやタテハチョウなどの大型の蝶影にはついぞお目にかかることはなかった。数種の小型の蝶の飛翔に気が付いてカメラのレンズを向けて見るのだが、近くに止まることはなく、急ぎ足で飛び去ってしまう。レンジャーから離れて勝手な方角へ行くことは禁止されているので、深追い出来ず、結局撮影出来たのは上掲のシロチョウ科の普通種、それさえなかなかとまってくれず、飛翔中(右)と一瞬小さな花に止まった(左)のをあわててシャッターを押したピントのあっていない2枚の画像だけという体たらくに終わった。

しかし、コモドオオトカゲの映像は珍しくないが、コモド島の蝶の生態写真はちょっと無いだろうと思われるので、不満足な映像ではあるが、紹介しておく価値があると思う。

前翅長22~3mmというごく小さなシロチョウである クロテンシロチョウLeptosia nina Fabricius)はLeptosia属の東洋区における代表種で、西はインドから大スンダ列島、チモール、台湾にいたる東洋区全域に広く分布し(わが国には分布しない)、12の亜種に分けられている。原名亜種はインドより記載されたもので、コモドの本種はロンボク島からフローレス島に分布する亜種 fumigata Fruhstorfer に属するので、正確には上掲の画像中に記されている学名となる。 

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コモドオオトカゲ 4、 オトナ(大人)オオトカゲとコドモ(子供)オオトカゲ

2009-10-10 | 探検
コモドオオトカゲはコモド島周辺の島々に約2500頭が生息している。最大の個体では体長3.16m、体重は130kgにもなり、世界にいる約3400種のトカゲの中で最も大きくなる。

変温動物なので、気温が高くなる日中は動きが鈍くなり、日陰などでゴロゴロしているが、気温の低い朝夕は彼らの食事時間でエサを探して活動する。エサは野生の鹿、水牛、豚、馬などである。獲物が近付くのをじっと待ち、近くまで来たところを素早く飛びついて噛みつくという。おとなしくしているから大丈夫だと油断してはならない所以である。

産卵期は僕の訪れた8~9月で、卵の孵化には6ヵ月を要し、初めの3ヵ月ぐらいはメスが見守るが、後はほったらかしだという。オオトカゲを探して島内を歩いていた時に卵をいているメスに出会ったことがある。無事卵からかえった子供は木の上で2~3年を過ごす。これは外敵から身を守るためで、特に大人のオオトカゲに共食いされないようにだという。

従って子供のオオトカゲにお目にかかることはむずかしいのだが、幸運なことに、地上をすばしこく走る子供オオトカゲに出会って写真に撮ることが出来た。おまけに赤い舌まで出してくれている。体長は7~80cmで、レンジャーによると1才ぐらいだろうという。体型はスマートで体表には大人には見られない模様があり、画像を比較してみると、当たり前だが、いかにも新鮮で、初々しい。

画像、「上」の大人のオオトカゲもサービスに舌をちょっとだけだが、見せてくれている。残念ながら瞬間的だったので写真には撮れなかったが、赤い舌は数十センチも伸び、その上、ヘビと同様に、先が二つに割れていてなかなか見ごたえのあるものであった。

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コモドオオトカゲ 3、 孤高!オオトカゲとツー・ショット

2009-10-01 | 探検
ほとんど緑の見られない乾燥しきった山道を登る。丘の上に珍しく丈の低い樹木が繁っているのが見えてきた。手前の岩肌が露出しているところに一頭のコモドオオトカゲが寝そべっている(画像右下)。今まで海岸近くや平地でオオトカゲを見ていたので、へぇ~、こんな高いところにもいるのだ!と意外な感じがした。

彼の視線の先は低い丘の連なりとコモドの碧い海だ。なにか物思いにふけっているように見えるこのオオトカゲ、コモドオオトカゲならぬココウ(孤高)オオトカゲと呼びたくなるような威厳が備わっていた。厚かましくも彼と同じ格好をして(いるつもり\(^o^)/)、ツー・ショットを撮ってもらった。同行のレンジャーは木の枝で作った刺股(さすまた)で、万が一、オオトカゲがこの無鉄砲な男に向かって来た時のために、防御役をしてくれていた。

ちなみに左下の画像はボルネオ北東部のセレベス海にあるシパダン島でドイツのダイバー・カメラマンがかの地のオオトカゲを撮影している場面だが、コモドのオオトカゲに比べると何とかわいらしく見えることか!

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