旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

ミンドロ島で発見、トシコツメアシフタオシジミ♂!

2014-09-01 | 
Hypolycaena toshikoae H. Hayashiトシコツメアシフタオシジミ) は僕によって1984年、フィリピン・ルソン島のAtimonan産の1♂に基づいて記載された。

当時♀は未知であった。その後、僕の知る限りではルソン島からの本種の採集記録は知られていない。ドイツのTreadaway氏による1995年の著作「Checklist of the butterflies of the Philippine Islands (Lepidoptra: Rhopalocera)」でも、本種の分布はルソン島となっている。ところが、私信によると、彼は1996年にミンドロ島・ハルコン山産の本種の♀と思われる個体を入手、続いて1998年、2002年採集の♀も同氏が入手した。しかし♂の個体は採集されなかった。

一方、高波雄介氏のホームページ上の「A Synonymic List of Lycaenidae (Lepidoptera) from the Philippines」(2001/04/01 revised) の標本写真には♂はホロタイプ標本(ルソン産)が、♀は上述のTreadaway氏のミンドロ島の標本が使われていて、2頭めの♂が採集されていないことが窺われた。

僕は2009年、本種の♂を求めてミンドロ島・ハルコン山へ出かけて、首尾よく♂を採集した。間違いなくトシコツメアシフタオシジミの♂であった。
♀の写真も参考のために掲げた。帰国後、念のため大阪市立自然史博物館に収蔵されているホロタイプ標本と突き合せて同一種であることを確認した。

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