旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

海を行く蝶・トビウオ

2008-11-05 | 
先日、NHKで「空飛ぶ魚を追って」という番組を見た。上掲の画像はその時のものである。もちろんトビウオを題材にしたものであるが、胸びれと腹びれを広げて海上を飛行する様は正しく蝶が飛んでいるように見える(

僕が見た限りでの話なのだが、普通、目にするトビウオの胸びれには模様は見られない。しかし番組で紹介していたミクロネシアやインドネシアではきれいな模様や色彩の胸びれを持っていて()、トビウオといっても色んな種類があるのだと、とても興味をそそった。

ミクロネシアのトビウオ漁は、夜、乾燥させたヤシの葉に火を着けて船上で大きなかがり火をたいて集まったトビウオを網ですくって取っていた。

何年も前、紀伊半島の沖合で半夜釣りをしていた時に、集魚灯に集まるトビウオを漁師さんに言われて、網ですくって取ったことを懐かしく思い出した。


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高山に舞う淡瑠璃色の蝶・マツタロウ タカネフタオシジミ

2008-11-01 | 
Tajuria (タカネフタオシジミ)属は東洋区のほぼ全域に分布し、多くの種を擁する大属で、本属各種に共通する特徴を拾い出すのはきわめてむつかしく、幾つかのグループに分けて考える、すなわち属をさらに細分化することが妥当ではないかと思われる。

マツタロウ タカネフタオシジミ ( Tajuria matsutaroi H. Hayashi )はフィリピン・ミンダナオ島のアポ山(3144m)を基産地として、僕の父、松太郎の名を付けて新種記載したのだが、後になってレイテ島にも産することがわかった。アポ山は日本アルプス級の標高を持つフィリピン最高峰である。太平洋戦争末期にはこの山麓一帯が日本軍と米軍の激戦地となったことでも知られる。

ミンダナオ島はルソン島に次ぐ大きな島であるにもかかわらず、アポ山にしか分布しない蝶が結構あり、アポ山の成り立ちにその原因があると推察される。アポ山は休火山であるが、いまだに硫黄臭い噴煙が各所であがっていて、温泉が湧出している。山頂からは世界で一番行政面積の広い市であるダバオ(Davao)市に面するダバオ湾を遠く望むことが出来る。

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