旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

蝶アルミ!

2014-07-01 | 
2014年6月21日、夏至の朝日新聞夕刊2面の「時事英語に挑戦」の内容が目を惹いた。奈良県葛城市の公用車に、見る角度によって色が変わる車が導入されたという。「これって玉虫色の塗装を施された車」。たちまち僕の好奇心に火が点いた。

早速ウェブサイトで検索してみた。葛城市の市制10周年を記念して、市内に工場がある「東洋アルミニウム」がクロマシャインという技術を用いて塗装した車を市に寄贈したのがニュースソースであった。5月下旬にあった贈呈式の様子がYou Tubeにアップされていた。公用車なので弔事にも使用されることがあるので市松模様の抑えた色彩を基調としていたが、本来様々な色彩に見えるような特殊な塗装技術であるらしい。蝶々の鱗粉を塗料にしたようなもので、光を反射して目に入る角度により色が変化する、いわば光る工芸品であるという解説にますます興味を覚えた。

東洋アルミのホームページにアクセスしてクロマシャインの詳細を調べた。上掲の画像がその説明である。「まさに、(超)アルミです」・・・僕の心をズバリ捕らえた。蝶の翅は鱗粉で覆われ、これにより蝶の色彩が発現するのだが、この色には化学的色彩と物理的色彩があって、前者は色素による鱗粉そのものの色彩を指す。一方後者は構造色と呼ばれ、鱗粉に入射する光とその反射光との間に、光の干渉が生じることにより、例えば光線の角度や見る角度によって様々な色彩が現れたり、消えたりする物理的現象で幻光色とも言われる。一般の方々も蝶展でよく目にするモルフォチョウの輝きがその代表である。

東洋アルミの「自然の美しさにも負けない、アルミだけで創り出す色彩の世界があります。」のキャッチフレーズ通りに、色んな用途に蝶の美しい色彩に肩を並べる製品があらわれて、僕の目を楽しませ、生きる喜びを与えてくれることを切に願っている。


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