旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

蝶と短歌・Ⅰ

2018-03-01 | 
僕の親戚に、齋藤史に師事し「原型」同人で日本歌人クラブ会員のI女史がおられる。彼女の
歌集には結構多くの蝶が詠まれている。それらを3回に分けて紹介したい。



  展翅箱の百余に蝶を蒐めたる従弟なほ追う南の島に

従弟とは、僕のことである。光栄の至りである。

☆ パラソルを傾けてゆく身めぐりに蝶のにほひがほのかにのぼる

☆ 口を出て片(へん)ぺんと言葉散りゆけり蝶の風(かぜ)道(みち)に誘はれながら

☆ 幾百の薄羽白蝶 展翅解かれ夢の最中(もなか)へ吸われてゆけり

☆ 紛れ入りし白蝶奥へとただよひゆく三十三間堂ほの暗し





     彼岸花の群がるなかを青く燃え言霊のやうに抜けゆく揚羽

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