旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

浅葱斑蝶と水向日葵

2019-11-01 | 
浅葱斑蝶(アサギマダラ)は渡りをする蝶として長年にわたりマーキング調査の対象になっていて、日本人のみならず台湾や香港の人々の協力も得て、渡りのルートの調査が進められてきた。生物に関心を持つ友人がアサギマダラを観てみたいとのことで、阪急電鉄・今津線の宝塚南口駅にほど近い武庫川沿岸地域に出かけた。この辺りは著名なWさんがマーキング調査の報告をしておられ、時期さえ合えば確実に目撃できるはずであった。

台風19号が本州に接近しつつある10月10日昼過ぎ現地に到着。晴天でやや風が強く、気温はこの時期にしては高い28度まで上がっていた。強い日差しのもと左岸の河川敷を下流に向かった歩いた。中南米原産で特定外来生物に指定され除去の対象になっている水向日葵(ミズヒマワリ)を探せば吸蜜に来ているはずなので容易に見つかるものだとたかをくくっていたが、ミズヒマワリが目につかない。ようやく小群落を見つけたがアサギマダラはやって来ない。近くの野草にヒメアカタテハが時々とまりにくる(下の画像)だけである。


そこで対岸へ渡るために駅の方向に戻り右岸を目指した。川岸は住宅街になっていて河川敷に下りられる場所が見つからない。しばらく歩いて武庫川へ流れ込んでいる小河川沿いの小道を見つけ、置かれていた鉄梯子を降りて草むらを通りようやく武庫川の川岸に立つことができた。

左手、すなわち上流方向へ目をやると川岸そばの水中からミズヒマワリの群落が生えていた。あった・・・と思う間もなくスーッとアサギマダラが1頭やってきて花に止まった。
息をひそめて写真を撮った(下掲の上の画像)が、ゆっくり吸蜜せずに飛び去ってしまった。吸蜜中は翅を閉じていてオスならば性斑がある部分が破れているのか、葉に隠れて見えないのか、オス・メスの区別がつかなかったが、飛翔中の写真に黄色の矢印で示したように(下掲の下の画像)左後翅の黒斑が写っていたので、オスと分かった。ちなみにWさんの報文では訪花するのはほとんどがオスであるとのことであった。




またアサギマダラが戻ってくるか、新たな個体がやって来るか、待っていようと思っていたところに当のWさんがネットを持って現れた。気温が高くなる前の午前中が個体数が断然多いとのことで、昨日(10月9日)は100頭以上もマーキングしてヘトヘトになったと言っておられた。二人でしばらく話していたが、再びアサギマダラは姿を見せずじまいであった。
Wさんのおかげでミズヒマワリに来るアサギマダラを観るなら午前中・・・との貴重な教訓を得ることが出来た。Wさんありがとうございました。

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