旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

ルソン島のリカエニナニセキララシジミの斑紋異常型

2015-04-01 | 

フィリピンに分布する ニセキララシジミ は   エモルスニセキララシジミ  Anthene emolus Godart 、リカテスニセキララシジミ Anthene licates addenda Fruhstorfer 、 リカエニナニセキララシジミ Anthene lycaenina villosina Fruhstorfer の3種が知られている。

僕は翅裏が上記3種とは異なるオスの標本を入手したのでどの種に近いのか検討した。翅型と前翅裏面基部に斑紋が無いことからリカエニナニセキララシジミなのではと思ったが、念のため交尾器を観察した。

G.E.Tite の「東洋区のAnthene 属のレヴィジョン」のオス交尾器図と比較した結果、把握器の周辺基部の膨らみから中央部の凹みにかけてのラインが急傾斜している相違があるものの、種を決定するほどの違いは無いと判断して リカエニナニセキララシジミ の斑紋異常型であると結論した。

自然界では時々こういう異常型が見られるのが楽しみのひとつと言えよう。

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