旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

大阪市立自然史博物館・特別収蔵庫

2011-03-01 | 
僕が外来研究員をしている大阪市立自然史博物館の特別収蔵庫を紹介しよう。

僕が所属している昆虫研究室は本館の2階にあって、学芸員の方とおしゃべりを楽しんだり、時にはおやつを食べながらお茶をしたりするくつろぎの場でもある。

特別収蔵庫へは1階から大きなエレベーターで地下1階に下りた別棟にある。収蔵庫は2階建てになっているので、実際は地下2階と言ってもよいだろう。上掲の画像の左側に見えるのがエレベーターの扉で、右側の大きな円形のノブが二つ付いているドアが収蔵庫の前室への入り口である。



これが前室である。研究員用の机や顕微鏡が並んでいる。普段はここで標本を前にして作業をする。



画像左が特別収蔵庫へのドアで、万一の火災などに備えて分厚く頑丈に作られているのでとても重く、体重をかけて開け閉めしている。当然窒素ガスによる自動消火装置が設置されている。画像右が室内で、エレベーターと階段でわかるように2階建ての構造で、多数の金属製や木製のキャビネットの中に標本箱が収められている。もちろん貴重なホロタイプ、パラタイプの標本も多数保管されている。



上掲の画像のように収蔵庫の2階部分にも研究員用のスペースが確保されていて、嵩高い標本箱を前室まで持ち出さなくても作業が出来るようになっている。収蔵庫内の室温は常時20℃ぐらいに保たれているので、夏場は半袖のシャツで長時間いると肌寒さを覚えるほどである。標本箱は虫害を防ぐため、内部の両端に作ってある溝状の部分にたっぷり防虫剤としてパラジクロルベンゼンが流し込まれている。研究中は標本箱のガラス蓋を開けたままの場合が多いので、防虫剤臭に包まれての作業となり、帰宅して服を脱ぐと下着にまでパラジクロルベンゼンの匂いがしみ込んでいるのが悩みの種である。

最後に作業中の僕の画像を記念にパチリ。





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