旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

ミンダナオ キイチゴシジミ・Sinthusa mindanensis

2008-07-27 | 
香港でSinthusa属の一種が、幼虫時代にキイチゴ類を食草としているところから、属名にはキイチゴシジミという和名が用いられている。本稿のキイチゴシジミは当初、フィリピンのミンダナオ島からのみ知られていたので、Sinthusa mindanensis H. Hayashi, Sch-roeder & Treadaway ミンダナオ キイチゴシジミ と名付けられたが、今では、ルソン、ネグロス、サマール、レイテの各島からも知られている。標本写真では♂の前翅・翅表の色彩は黒っぽく見えるが、実際は濃い暗紫青色で、後翅の輝青紫色とのコントラストが美しい。

僕がレイテ島のBalocaue山に登った時、木洩れ日を浴びて、葉上にひっそりと憩う♂を撮影することが出来た。陽ざしがまるで日本の春先か秋のように、とても柔らかく写っているが、実は熱帯の強い直射日光の下での映像である。


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ダイビング用マスクを新調 !

2008-07-27 | ダイビング
長期間使っていたマスクを新調した。僕の場合、近視の度が強いので、レンズはオーダーメードになる。眼科医で処方箋を作ってもらって、ダイビング用品店へ行った。念のため、メーカーに確認してもらって、製作できるということだったので、今どきのマスク(上の画像)を注文した。マスクのフレームはきれいなオレンジ色なのだが、残念ながら、海中ではあまり分からない (-_-)

出来上がったマスクをつけてみて、愕然とした。以前のレンズより度がゆるくなっている  (>_<)店を通じてメーカーに問い合わせると、これ以上、度のきついのは作れないという 処方箋を付けて注文したのに出来ないのなら、作る前にいうのがビジネスの常識だろうが!!

仕方がないので、以前に使用したマスクのレンズを外して、そのレンズに合うマスクに入れてもらった。下の画像がそれで、マスクのフレームは黄緑色である。

・・・ということで、はからずもオーダーメードのレンズ入りのマスクを二つ持つというぜいたくを味わっている。もちろん度のゆるい方のマスクは、安全上、もっぱら透明度の良い海で使用している。

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水深40m・海底の花園・・オオカワリイソギンチャクの群棲

2008-07-15 | ダイビング
梅干しで有名な和歌山県みなべ(南部)町。六十代で亡くなった父の故郷である。
子供のころ、父と泳いだ黒潮洗う「みなべ」の海。また、自分の子供が小さかった時、夏休みに出かけて、家族皆で泳いだ「みなべ」の海。

懐かしくて、無性に潜りたくなり、7月初旬、「みなべ」を訪れた。早朝、ダイビングボートで沖合に出、ショウガセと呼ばれるポイントに到着。他にボートの姿は見えない。一番乗りだ。

タンクを背負い、海中に入る。海底を移動、深く切れ込んだ断崖に沿って、さらに下降して行く。青黒い海底にほの白い星状の物体が多数、目に入った。近づいてみると、黄緑色に美しく輝くイソギンチャクの群れである。

普通は水深150mぐらいの場所に生息しているのに、水深40mで見られるのは、世界でここ「みなべ」の海だけだそうだ。水温20.7度、5ミリ厚のウエットスーツを着用しているのに、肌に触れる海水はヒヤリと冷たい。触手を大きく広げて潮流に揺れるさまは神秘的で、秘密の花園に迷い込んだような錯覚におちいった。

オオカワリイソギンチャクとの出会いは、まるで月光を浴びて、一斉に花開くレモンイエローのお花畑を散策しているような幻想を僕に抱かせた。みなべの海にやって来て本当に良かった幸福感に満たされ、心が癒されたダイビングであった。



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海の危険生物:ウンバチ(海蜂)イソギンチャク

2008-07-03 | ダイビング
ダイビングをしていると、いろいろ危険な生物に出会うが、たいがいは事前に分かるので、近寄らないようにしている。ところが表題のウンバチイソギンチャクはカムフラージュが得意で、周囲の景観に溶け込んで見分けがつきにくいとされている。非常に強い刺胞毒を持っていて、刺された箇所に激痛と、火傷のような腫れを生じ、強い痒みが長時間残る。ひどい場合は患部の皮膚の壊死、吐き気、不快感、筋肉のけいれんが起こり、激痛のあまり呼吸困難になる場合があるという。まるで蜂に刺されたのと同じように感じるので「海の蜂」・・・「ウンバチ」と呼ばれているのだろう。

フィリピンの海で出会ったウンバチイソギンチャクは上掲の画像のごとく、見るからに毒々しいオレンジ色をしていて、近寄るなよという危険信号を発してくれていた。画像の中央に不鮮明で申し訳ないが、ホルトハウシナデシコカクレエビ)というエビが写っているのに気付いていただけるだろうか。

いわゆる共生の関係にあって、このエビは強毒のイソギンチャクによって外敵から身を守ってもらっているのである。ナデシコカクレエビはきれいな色彩のエビなのだが、さすがにこの強烈なオレンジ色がバックではその存在が薄れてしまっている。これも外敵の眼をあざむくカムフラージュと言えるだろう。

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