旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

フィリピン・ミンドロ島バコ山のフィロタキララシジミ新亜種

2018-02-01 | 


キララシジミ属(Poritia)のオスの翅表は青~緑色の金属光沢を放つ、一方メスの翅表は金属光沢がない代わり黒・橙・紫・青・緑色と変化に富んでいます。
フィロタキララシジミ ( Poritia philota Hewitson,1874 )は北東インド~ミャンマー南部~マレー半島、シンガポール、ビリトゥン、シベルト、ボルネオ、フィリピンに分布しています。フィリピンには3亜種が知られていて、そのうちミンドロ島に分布しているのは亜種 mindora Osada,1994です。

この亜種は島の北部にそびえるハルコン山 (2587m)にのみ知られていましたが、最近、南南西に約50km離れたバコ山 (2488m)でよく似たフィロタキララシジミが採集されました。両方の山の個体を比較すると、オス、メスともに斑紋にかなりの違いがありましたので、バコ山の個体群はハルコン山の亜種とは別の亜種であると判断しまして、新亜種Poritia philota simoncolini H.Hayashi & N. Mohagan, 2017として記載しました。

関連の画像を示しているのが上掲の図版です。記載論文は昨年発行された「月刊むし」556号に掲載されています。

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