旅人ひとりー大阪大学探検部一期生のたわごとー

とこしえの精神(こころ)を求めて、さまよ(彷徨)う旅人ひとり。やすらぎを追い続け、やがてかなわぬ果てしなき夢と知るのみ。

大丸心斎橋店・北館屋上庭園のアゲハチョウ

2010-12-01 | 
長い歴史を誇っていた「そごう大阪店」が2000年に閉店。2003年に建物が解体され、2005年9月、新しいビルと共に「そごう心斎橋本店」がオープンした。地上72.5mにある屋上にはオリーブや日向夏(ミカン)が植えられ、憩いの広場として(画像)来店者に開放された。

2006年11月、僕は家族と一緒にここを訪れた。緑の木々の間を散策していると日向夏の細い枝に蝶の蛹の脱け殻が付いているのが眼にとまった。ミカンの樹だから、アゲハチョウ科の蛹、それも繁華街の真ん中だから、もっとも普通種のアゲハチョウ(ナミアゲハ)の蛹であろうと思った。それにしても大都会のこんな高い場所にアゲハがやってくるのだろうか? 周りのビルの屋上には樹木が植えられている様子はない。ひょっとするとこの屋上庭園に植えられる前からこの樹に付いていたのかも知れない。アゲハの成虫や幼虫などの生きている証拠を目にした訳ではないので、はっきりここで発生しているとの確証を得られなかった。

その「そごう心斎橋本店」も2009年8月末に閉店、数ヵ月後に「大丸心斎橋店・北館」としておめみえした(画像・奥のビル)。名前と経営主体は変わったが、幸い「屋上庭園」はそのまま引き継がれて残った。今年(2010年)10月、久しぶりに屋上庭園を訪れた。以前と同様、オリーブと日向夏が植わっていた。 ・・・と、アゲハがやってきて日向夏の間をせわしなく飛び回っている。ひょっとしたらと思って持参したカメラを急いで取り出した。あわててシャッターを押した数枚にアゲハの姿が収まっていた(画像)。

1分もたたない間にアゲハは飛び去った。「産卵したに違いない」、そう確信した僕は卵を丹念に探した。「あった!」(画像)濃い緑の葉上に真珠のように輝いていた。林立する高層ビル群に囲まれた高い場所でも食樹を植えてやれば、蝶は必ずやって来る。そう確信した瞬間であった。
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