白鷺だより

50年近く過ごした演劇界の思い出話をお聞かせします
     吉村正人

白鷺だより(38)「浪花女」のこと

2016-04-10 21:56:07 | 思い出
昭和53年11月梅田コマ 「浪花女」
翌54年12月御園座再演(  )は御園座配役

  中村玉緒 渡辺文雄(若山富三郎) 
  曾我廼家五郎八 芦屋雁之助 高田美和(長谷川季子)小島秀哉 新橋耐子(藤代佳子) 安井昌二(名和宏)

  溝口健二・依田義賢 川口松太郎 作品より 
   大西信行 脚本・演出

 お千賀役の玉緒さんがお嬢さん育ちなのを生かした前半、
 結婚してからの苦労は現在の玉緒さんのまま 
 うまく作ってある 

夫 豊沢団平は梅コマでは渡辺文雄 御園座では若山富三郎(三味線は本物だ)

ラストの壺坂霊験記の紗幕越しに
舞台(人形)、三味線(団平)、お百度(お千賀)が浮かぶシーンが美しい
(装置 有賀二郎)

この芝居から小島秀哉が小沢昭一の芸能座から商業演劇にカムバックした。
新喜劇時代の先輩 五郎八さんが花道を呼び込み「おーい 文吉 よう帰ってきた」
その声で秀哉さんが花道より出るという大西さんんの愛情あふれた演出であった。

初日 大西信行さんが勝さんと知り合い(競馬仲間)ということで ダメだしで勝さんに
同じ三味線の世界からの感想を聞いたら よく芝居を見ていたらしく1時間タップリダメだしが続いた・・

勝さんはこの芝居が好きらしく 次の年御園座12月再演した時もいらっしゃって舞台袖で座って見ていた。 
この時はお兄さんの若山富三郎さんが渡辺さんの役・・
お父さんの杵屋勝東冶さんもいらっしゃって 三人が三人とも意見が違う・・
玉緒さんも困った芝居馬鹿の兄、夫、父をもったものだ・・

なお勝東治さんの紹介でボクが文楽の口上を録音しに東京国立劇場に行っている間に
若山さんの三味線が壊れて(楽屋の暖房のせい)口三味線で芝居をした。

文楽指導で吉田玉松さんが人形とともに参加した。

小島秀哉さんに新喜劇時代に通い詰めた店に連れて行ってもらった。
平均年齢60は優に超えているゲイバーだった。

この年から吉村は毎年12月は御園座にいることになる。(昭和54年~57年)


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