インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

シャーマニズム ~その深遠なる世界~

2008-12-01 21:15:39 | カスタネダ『呪術の実践』 !
p245 
 並の人間もまた過去は調べる。
 だがその人間が調べるのは、
 自分の個人的な過去に過ぎない。
 それも個人的な理由から調べる。

 自分の個人的な過去にしろ、
 自分が生きてきた時代に関する過去の知識にしろ、
 はたまた現在、あるいは未来の行状を正当化する理由を見つけるためにせよ、
 もしくは自分自身のためのモデルを構築するためにせよ、

 並の人間は、過去に照らして自分を測る。

p267
 日々の生活のある世界では、
 人の言葉とか、あるいは決心というものは、
 いとも簡単に引っくり返すことができる。

 その日々の生活のある世界で、
 唯一取り消すことが出来ないもの、
 それが死である。

 他方、シャーマンの世界では、
 通常の死は撤回も可能だが、
 シャーマンの言葉は取り消すことが出来ない。

 シャーマンの世界では、
 決定事項を変更したり修正したりすることは出来ないのだ。
 ひとたび決定が下されたなら、それは永遠にそのままである。


p269 
 理性的な人間は、
 自己イメージを不動のまま堅持することで、
 当人の救いようのない無知を保護する。

 彼はシャーマニズムが、
 呪いでも手品でもなくて、
 当たり前と思われている世界のみならず、
 およそ人間の成しうる他のあらゆることを感知する、
 自由のことであるという事実を、
 無視するのである。

 自由の可能性に、彼はおびえているのだ。
 すぐ指の先に自由があるというのに。


 『時の輪』を読みながら、インディオの現実的基準は揺らぐ…

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