インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

『ホット・ゾーン』を読む① エボラは如何に広まったのか?

2009-05-19 22:17:57 | 病気、新型インフル&エボラ・ウイルス
 まだ一巻の半分も読んでいないが、恐ろしく引き込まれた。

 Hot zoneは危険地帯という意。

 関西が今、ホットゾーンになっているが、エボラに比べれば全然大したことはない。

 エボラ出血熱ウイルスは、フィロ(ひも状)・ウイルスの一種で、それは「エボラ・ザイール」「エボラ・スーダン」「マールブルグ」の三兄弟に分けられるようだ。そのうち、エボラ・ザイールが最悪で90%の致死率で宿主を殺すらしい(感染する前に死ぬので広がりにくいらしい)。

 新型ウイルスをはじめ、「ほとんどのウイルスは胡椒の実に似た球状の形をしているのに、フィロ・ウイルスはもつれたロープ、髪の毛、蛆虫の形状にたとえられている…。人間の肉体のほとんど全組織を侵してしまうという点で、放射能にたとえられる」。

 生き残っても髪の毛は抜け落ちるようだ(黒色吐物…)

 エボラを運んだミドリザルにしても、豚にしても、鳥にしても、もともとウイルスを持っていたわけではなくて、大自然のどっかに棲んでいるウイルスが変異したようだ。

 エボラの場合、アフリカのヴィクトリア湖周辺の密林に潜んでいたようだ。

 ちなみにエイズもヴィクトリア湖の北西岸から来たようで、「アフリカの猿や猿人類から、エイズは何らかの経路で飛び火したらしい。その際、エイズは実に迅速な一連の突然変異を繰り返し、その結果人間の間に定着したのだ…」とある。

 ウイルスは全部、こんな感じか。 

 起源として、
 医学研究用のサルを先進国に輸出しよう!(ウガンダの外貨獲得)

 …ということで、サルと人間が接触するようになったようだ。そして檻の中に多種多様なサルが詰め込まれ、検疫をすり抜け、さらにドイツのワクチン製造工場などに紛れ、

 ついに1967年、マールブルグ・ウイルスに感染(未知の世界だった…) 

 とういうことは、「人間と動物が接触する」「動物と動物が接触する」というプロセスが、ウイルスの実験場ということになったのだろう。

 ウイルス的視点から考えて、学校とかの密室は「感染の実験室」みたいなものか?

 本書にもこうある。「たった一人の“人間ウイルス爆弾”がある日救急外来にやってきて、そこで“炸裂”する。その結果、病院は休業に追いやられてしまった。シャルル・モネ(最初のエボラ感染者)はまさしく病院の喫水線下に命中したエグゾセ・ミサイルのようなものだったのだろう」

 エボラも新型も潜伏期が7日?ぐらいあるから厄介だ。

 それにしても結局、人間の森林破壊や動物の乱獲が原因となっているので、やはり大自然が悪魔的な人間に対して、ウイルスで抵抗しているのかもしれない。もっとも人間は自然を破壊しなければ、金を稼がなければ生きて行けないのであるが。

 サルやら豚やら鳥やら、尊い命を人間が大量殺戮したことが、報いとなっているのかもしれない。 

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