田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

古館伊知郎トーキングブルース2021 in 札幌

2021-08-26 18:17:12 | ステージ & エンターテイメント

 一人喋りの最高峰と称される古館伊知郎のトークライブ…、2時間いっぱい一刻の休みもなく喋りつづける様はまさに天賦の才があってこそと思わせた。とても66歳とは思わせない若々しさで聴衆を魅了し続けた。

         

 トークでブルースを奏でる” をコンセプトとする古館伊知郎のトークライブが本日午後、札幌市民ホールで行われ楽しんできた。

 意外に思ったのは、以前から「古館伊知郎のトークライブ」は有名だったが、全国ツアーを実施するのは今年が初めてだったという。つまりこれまでは首都圏を中心に開催されていたということで、札幌では初めての開催だったようだ。だからだろうか?掴みの話で札幌のことを語った内容は、ヨーク松坂屋(札幌に以前からお住まいの方は良くお分かりと思う)の話や、中島スポーツセンターでのプロレス中継とちょっと古い話だった。

   

※ ライブはもちろん撮影はNG。写真はウェブ上から拝借したが本日も写真のように上下黒で統一した衣装でまったく同じ雰囲気だった。

 トークライブは大きく二つの話からなっていた。

 その一つは、最近のコンプライアンス(法令遵守、倫理法令遵守)重視の世相を皮肉った「民話 桃太郎伝説」を語った。古館は桃太郎伝説の一つ一つを皮肉った。例えば「昔、お爺さん、お婆さんがおりました」という最初の部分から、外見からお爺さん、お婆さんと決めつけることは現代では危険であると…。ここは「やや高齢な男性と女性…」と表現しなくては現代では通用しない、あるいは「お爺さんは芝刈りに、お婆さんは川で洗濯…」などと性によって役割を決めつけることは問題を呼ぶ、等々…、一つ一つを取り上げ面白可笑しく語り、聴衆を沸かせた。

 もう一つは「実況講談 猪木物語」である。こちらはプロレスラー猪木へのオマージュを込めたアントニオ猪木の物語を語った。その中に、アントニオ猪木にとって伝説的な対戦となった対ドリーファンクJr.戦、対ストロング小林戦、対大木金太郎戦をまるでリングサイドで実況中継しているかのように、古館独特の機関銃のような早口でその模様を喋りまくった。

 いずれもが古館でなければなしえない喋りの技である。

 上記二つの話以外で印象に残ったのは「切り取り」という単語だった。今の世の中は全てのことを “切り取って” 取り上げたうえで、批評することが横行していると批判した。なるほど、ニュースにしても、ネットの世界にしても、さまざまな事象を自分の都合の良いように “切り取って” 取りあげているところがある。古館の指摘は一考に値すると思えた。

   

※ ステージの上方に写真写りは悪いが「Tolking Blues」と書かれたものだけが掲示されていた簡素なステージだった。

 簡素な舞台装置(若干の光による効果装置はあったが)に古館一人が舞台に立ち、2時間いっぱい聴衆を魅了し続ける古館の喋りの技は、誰にも真似のできない境地にあると言える。あの喋り、あの活舌、あの記憶力…、彼の独壇場である。いつかまた彼の舞台を楽しみたい、と思いながら満足感いっぱいで札幌市民ホール(カナモトホール)を後にした。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。