田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 21 風不死岳

2011-09-29 23:38:27 | 北海道低山紀行 & Other
 何も情報を持たず風不死岳(ふっぷしだけ)に挑んだ私はあまりにも困難な登山にたじろいだ。単独行であったとしたらおそらく途中で引き返すことになったのではないかと思われるほどの厳しい登山となった…。 

 樽前山の外輪山で意気投合した三人は、70代前半の男性と30代前半の男性、そして私の3人だった。
 私にしてみれば外輪山の風不死岳分岐まで戻り、9時40分、風不死岳を目ざしての登山を開始した。そして目の前に鮮やかな稜線を描いている山は「932峰」という山だと70代の男性に教えられた。

          
          ※ 風不死岳の登り始め、写真に見えるピークは932峰の山頂です。

 その稜線から分かれて932峰の中腹を巻くようにして風不死岳方面に向かった。
 するとこれまでガレ場だった登山路に緑が目立ち始めた。植物相が完全に変わって樹木が背丈を覆うような登山路になり始めた。

          
          ※ ガレ場ばかりで樹木が見えなかった樽前山とは様相が一変しました。

 風不死岳分岐から歩き続けること50分、登山路横に「風不死岳登山口」の看板があった。「えーっ、ようやく登山口!?」というのが素直な感想であり、驚きだった。

          
          ※ なんだか不思議な字体で書かれた風不死岳登山口の標識です。

 問題はこれからだった。
 だんだんと山の様相が険しくなり始めた。登山路が長年の雪解け水や雨水で深く浸食され腰辺りまで掘られてしまい人一人がようやく登ることができるようなところがあったり、岩場が次々と出てきたりし始めた。

          
          ※ 雪解け水や雨水が登山道を深くえぐっています。

 そのうちとうとう本格的な岩場が登場した。まるで頭上に聳えるように岩場が立っていた。どこに手をかければよいのか、しばし悩むようなところもあり、岩場にかけられた鎖なども頼りながらようやく難所を切り抜けねばならないところもあった。

          
          ※ 2枚の写真から岩場の険しさは伝わるでしょうか?写真の男性は先頭を切った70代の男性です。

          

 難所を切り抜けた後、誰ともなしに「いゃ~、一人だったらきっと引き返したんじゃないかなぁ~」と語り合った。
 そしてピークを迎えたのだが、そこは頂上ではなかった。ピークからまだ下り始めたとき、上から下りてきた登山者と出会った。
 「頂上まであとどれくらいですか?」と私たちのベテラン氏が聞いた。
 するとその登山者は「あと1時間くらいかかりますよ」との声に、三人は思わず「うぇ~!」との声を上げてしまった。

          
          ※ 時にはこんな笹藪も越えながら…

 その後、さきほどのような厳しい岩場はなかったものの相変わらず難しい登山が続いた。
 いくつのピークを越えただろうか?確か三つのピークを越えて11時30分、ようやく「風不死岳山頂」(1102.4m)に到達した。

          

 樽前山外輪山の風不死岳分岐からでも1時間50分を要した登山はかなり骨の折れる登山だった。
 しかし、それに応えてくれるかのように山頂からの眺望も見事だった。支笏湖が眼下に見事に広がる光景は素晴らしかった。
 登山経験があまり豊富とは見えない30代男性が自分たちが登ってきた後を振り返り、「よく登ってきましたねぇ~」とつぶやいていたが、私も同感だった。


 ※ 頂上からの眺めをパノラマ写真に収めました。 

 昼食も兼ねゆっくりとしたいところだったが、天候が崩れはじめ風も吹き始めたので30分の滞在で山頂を後にした。
 下山時に一時小雨がぱらつき心配したが、大した雨にはならなかった。
 下山には1時間30分を要して「風不死岳分岐」まで還ってきた。

          
          ※ 行きの険しい岩場を下りるところです。写真の男性は同行した30代の方です。

          
          ※ 出発点の樽前山外輪山の風不死岳分岐を目ざしているところです。

 その後も三人で樽前山東岳、そして登山口まで一緒したが、同行した70代男性と30代男性も以前からの知り合いではなく、登山口の駐車場で意気投合したとのことで、結局三人はそれぞれ単独行のつもりで種前山(風不死岳)で意気投合した仲間だったというわけだ。
 登山口でお互いに名前も名乗らず、またどこかの山での再会を約して握手して別れた。

 私が昨年から取り組み出した札幌近郊低山紀行は基本的には単独行である。
 思い立った時、気ままに登ることができるのでこれからも基本的にはこのスタイルを踏襲しようと思っている。
 しかし、今回のように山で知り合うことによって単独行にはない心強さも体験した。いろいろな形で楽しむのもまた良いものである。

【風不死岳 登山データー(樽前山の外輪山の分岐から)】
標 高  1102.4m
駐車場  樽前山7合目登山口に30台程度停められる駐車場がある。
行 程  風不死岳分岐(外輪山上にある)→(10分)→932峰分岐→(15分)→風不死岳登口 → (35分)→風不死岳前ピーク→(50分)→風不死岳山頂→(40分)→風不死岳前ピーク→(25分)→風不死岳登山口→(15分)932峰分岐→(10分)→風不死岳分岐
時 間  登山(約1時間50分) 下山(約1時間30分)
天 候  晴れのち曇り、一時小雨
登山日  ‘11/09/25



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2 コメント

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風不死岳も制覇 (ちゃんこま   )
2011-09-30 08:00:16
 またしても制覇しました。次々と制覇してます。今回もすごいなあと思いました。登山口の標識の文字の様子はなんか不気味な感じですね。それは、登ってわかるとおりの人を苦しめるようなキツイ登りであることを暗示していたようです。それだけきついので登り切ったときの頂上での気持ちは爽快感いっぱいだったことでしょう。パノラマの写真がそのすっきり感をあらわしているようで安堵しました。
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Re:風不死岳も制覇 (田舎おじさん)
2011-09-30 21:54:49
 もしかしてこのブログを山登りのベテラン氏がご覧になっているとしたら「何を大げさに騒いでいるんだい」などとつぶやいているかもしれません。
 でもやはり初心者にはなかなか厳しい山でした。それだけに登り切ったときには嬉しさと安堵の気持ちが交錯しました。
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