田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌でしかできない50のこと〔10〕札幌芸術の森

2020-08-22 18:46:44 | 札幌でしかできない50のこと

 札幌の郊外に約40haという広大な森の中にアートに関するさまざまな施設をそろえた「札幌芸術の森」は、まさに北海道ならでは、札幌ならではの施設の一つではないだろうか?そこは薫り高い芸術作品が生まれてくる雰囲気に満ち満ちていた。

 「札幌でしかできない50のこと」の登録№045「札幌芸術の森」である。

 「札幌芸術の森」は、札幌青年会議所が「さっぽろアートパーク構想」を提唱したことに端を発し、さまざまな議論を経て1986(昭和61)年に札幌市芸術の森地区に開設した。

  

  ※ 「札幌芸術の森」の全体マップです。ウェブ上より借用しました。

 芸術の森には、下記の概要に記したようにアートに関する多くの施設が集積されている。私は今回、その全てを一応一回りしてレポすることにした。

   

   ※ 「札幌芸術の森」のエントランスです。

   

   ※ そのエントランスをまっすぐ進んだところに、伊藤隆道作の「空と地の軌跡」と題する作品が立っています。

 芸術の森の最奥部に位置しているのが「野外ステージ」である。私は毎年のようにPMF の野外コンサートを楽しんできたのだが、今年は中止となり残念である。人っ子一人いない野外ステージは寂しそうだった。

   

   ※ まったく人がいない野外ステージを初めて見ました。

 続いて、その手前にあるのが「アートホール」である。ここは主として音楽家たちの練習室、ホールなどを備えた施設である。

   

   ※ たくさんの音楽家たちが練習する部屋やホールを抱えた「アートホール」です。

 さらに一段下がったところに芸術の森全体を管理する「芸術の森センター」とその背後に「野外美術館」が存在する。

 野外美術館はちょうど札幌市の施設の無料開放に合わせて開放されていた。(入館料700円、65歳以上560円、中学生以下無料)「野外美術館」には深い森の各所に74の作品が展示されている。私は以前に冬季開放も含めて何度も訪れているので、今回はその一部を鑑賞するだけにとどめた。「野外美術館」はノルウェー人の世界的彫刻家グスタフ・ヴィーゲランの作品5体が展示されている。彼の作品がノルウェー以外に展示されているのは札幌だけだと作品の傍に説明があった。私は若き日にノルウェーの首都オスロを訪れた時に、ヴィーゲラン公園を訪れたことを懐かしく思い出しながら作品を鑑賞した。

   

   ※ 野外美術館前に立つ、ライモ・ウトゥリアイネン作の「昇」という作品です。

   

   ※ 野外美術館のシンボルレリーフとされる向井良吉氏の作品です。

   

   ※ ヴィーゲランの5作のうち2作を掲示します。写真は「トライアングル」です。

   

   ※ こちらは「母と子」と題する作品です。

また、アイヌ人の彫刻家砂澤ビッキ氏の作品「四つの風」は彼の代表的作品の一つだが、四本の木製の柱からできていた。しかし、年月の経過とともに朽ち果て現在は1本しか立っていなかった。ビッキ氏は木製の作品を敢えて戸外に展示することに対して、次のように言っていたという。

「人が手を加えない状態つまり自然のままの樹木を素材とする。したがってそれは生き物である。生きているものが衰退し、崩壊していくのは至極当然である。それを更に再構築していく。自然はここに立つ作品に風雪という名の鑿(うがつ)を加えていくはずである。」

   

   ※ 砂澤ビッキ作「四つの風」ですが、すでに3本の柱は朽ち果てて倒れています。

 「芸術の森センター」からつづら折階段をくだり下りると、そこに「工芸館」、「クラフト工房」、「陶工房」、「木工房」など各種の施設が並び、芸術の森の最北部には「札幌芸術の森美術館」が建っている。

   

   ※ 工芸館の建物です。

   

   ※ 工芸館の前の池の中にはマルタ・パン作「浮かぶ彫刻」が展示されています。

   

   ※ クラフト工房の建物です。

 「札幌芸術の森美術館」では現在「蜷川実花展」が開催されていたが、私は彼女の芸術の良さが良く分からないこともあり入場はパスした。

   

   ※ 「札幌芸術の森美術館」の建物です。多くの人が入場を待っていました。

 芸術の森には、そのほかに「有島武郎旧邸」や芸術家たちが練習や制作に励むアトリエなどが散在している。

   

   ※ 移築して展示されている「有島武郎旧邸」です。

 日本全国には、「札幌芸術の森」と同じような素晴らしい施設がたくさん存在しているものと思われる。ただ、「札幌芸術の森」のような広大な面積を有しているところは数少ないのではないだろうか?資料によると「札幌芸術の森」の面積は約40haだという。それは札幌ドーム約8個分の広さに相当する。これほど広い敷地の中に芸術に関するさまざまな施設が集積しているところは、それほど多いとは思われないのだが果たして実態はどうなのだろうか?そうした意味において「札幌芸術の森」は「札幌でしかできないこと」の一つにランクインするのは当然と思われる。札幌を訪れた他県の方々はぜひ一度訪れてみる価値のあるところだと思われる。

 

  ※ 野外美術館の作品を多くカメラに収めましたが、その中に一部を紹介します。 

   

   ※ 入場して直ぐに目に付く新宮晋作「雲の牧場」です。

   

   ※ ちょっと気に入った作品。朝倉響子作「ふたり」です。

   

   ※ 特別の人らしい作品。レイモンド・カスキー作「ポートランディァ」です。

   

   ※ 深緑の周りに異様な存在感を誇る福田繁雄作「椅子になって休もう」です。                           

《札幌芸術の森 概要》

〔住  所〕札幌市南区芸術の森2丁目75番地

〔電  話〕〈代表〉011-592-5111

〔開館時間〕9:45~17:00(6月~8月は9:45~17:30) 

〔休館日〕 4/29~11/3は休館日無 11/4~4/28は月曜日休館 12/29~1/3は年末年始休

〔駐車場〕 第1~第4駐車場まで多数あり(650台)

〔主な施設〕・札幌芸術の森美術館 ・クラフト工房 ・工芸館 ・有島武郎旧邸

      ・野外美術館 ・芸術の森センター ・アートホール ・野外ステージ 他



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