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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

三浦雄一郎氏を支えた女医

2014-12-23 18:13:57 | 講演・講義・フォーラム等
 講師の大城医師は言う。三浦氏は細かなことにこだわらない、と…。三浦氏は楽観主義であると…。そのおおらかさが偉業を達成する背景にあったのだと大城医師は指摘した。 

             

 医師であり、国際山岳医の資格をもつ大城和恵医師は、いかにもスポーツウーメンという精悍な体つき、表情で我々の前に登場した。

 12月のかでる講座は、12月15日(月)午後、かでる2・7において「心臓病ってこわくないの? ~三浦雄一郎氏エベレスト登頂を支えた経験から~」と題して、心臓血管センター北海道大野病院の大城和恵医師が講師を務めた。

 講座の大半はテーマにもあるとおり、大城氏の専門である心臓病の予防に関するものだった。しかし、私の関心はやはり三浦氏のエベレスト登頂に際して大城氏がどのようにサポートしたのか、という点にあった。
 そこで私のレポートも、大城氏が講義の一部で触れた三浦氏の部分のみについてレポートすることとする。

 三浦氏の登頂にあたって、心臓突然死のリスクは次のように考えられたという。
 (1)登山は通常の生活と比べて4.3倍心臓突然死のリスクが高くなる。
 (2)突然死の90~95パーセントが男性である。
 (3)34歳以上に多い。
 (4)規則的な運動をしていない人が起こし易い。
 (5)ストレスが影響する。
 (6)初日が半数。
 (7)心筋梗塞、狭心症、糖尿病、高コレステロール血症、高血圧を持っている方が起こり易い。

 そうすると、三浦氏は(1)、(2)、(3)、(7)が該当したという。特に三浦氏の場合は(7)の症状を見事に備えていたのである。そのことが大城氏を帯同することになった要因でもあると思われるのだが…。

          
          ※ 講義をする大城和恵医師です。

 そこで大城氏は三浦氏の心臓突然死を予防するために7つの戦略を立てたそうだ。その7つとは…。
 (1)ゆっくり歩く。
 (2)30分毎に水分補給をする。
 (3)栄養を摂る。
 (4)降圧剤の内服についての留意点。
 (5)一度に歩く距離を短くする。
 (6)酸素を積極的に使用する。
 (7)上部キャンプを細かく設置する。

 どれも高齢の者が登山をする際に気を付けたい点ばかりであり、低山登山を続ける私にもレベルは違えども参考になる点だった。
 その中で(3)の降圧剤についてあるが、大城氏は登山中の降圧剤の使用については否定的な考えのようである。したがって、三浦氏があまり薬を好まず服用していないことが分かってはいても見逃していたという。高血圧対策としては戦略の中にあるようなことと共に、さらに詳細な対策を立てて挑み心配された事態を招くことはなかったそうだ。

 そして最後に、大城医師は心臓突然死を防ぐには「予防に尽きる!!」と強調した。その予防とは、「節酒、運動、減量、食事改善、減塩」ということだ。
 どれも私にとっては頭の痛いことだが、多少は意識しながら生活しなくては、と講義後には思ったのだが…。


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