田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道を元気にする!? Part Ⅳ

2010-08-13 09:19:32 | 札幌学 & ほっかいどう学
 講師の木村俊昭氏は、ある時はスーパー公務員と称され、またある時は地域再生の仕事人とも呼ばれ、全国を駆け回っている。NHKTV「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演されたというスーパーな人だった。

        
 
 HTBの「北海道朝まで生討論」が放映された同じ8日に公開講演「北海道を元気にする!」と題する講演会が自治労会館で行われ、知人と共に参加した。
 講師の木村氏は全く未知の方だったが、案内パンフレットで小樽市から農水省に出向している方だということだけは予備知識としてあった。
 しかし木村氏は今や相当に有名な方であることを知り、私の不明を恥じた。
 木村氏は小樽市職員として、小樽の歴史的建造物を活用した全国初のライトアップに関わったり、「ガラスの街・小樽」のブランド化を成功させた手腕を買われ、2006年より内閣官房企画官として出向し、2009年小樽市に復職後間もなく再び農水省の企画官として招請され現在に至っている人である。

        

 主催者から紹介がなかったが、本当の講演題は「地域活性化の動向~農商工連携等の事例を交えて~」というものだった。
 木村氏は自らの事績について触れることはほとんどなかったが、全国で地域が活性化している事例を紹介する中で自らの理念を語っていった。そのいくつかを紹介したい。

《プラス思考でいこう》

 地域の活性化がうまくいっていないところでは、できない理由を並べ立てる傾向がある。自らの地域の可能性のあるところに目を向けよう。木村氏は全てのことをプラス思考で考えるようにしていると言う。

《如の心を持とう》
 「如」という字には「柔和に従う」という意味がある。この言葉の意味するところは、自らの意思はしっかりと持ちながらも、全体の意思にはしなやかに、柔和に従うことが地域の一体感を生み出すことに繋がるという意味ではないかと私は解釈した。

《エレベータートークを心がけよう》
 人に伝えていくときは「わかりやすさ」が一番である。エレベーターに乗っている程度の短い時間で言いたいこの要旨を述べ、相手に理解してもらうことが大切である。

《いい人で終わってはいけない》
 北海道人は「いい人」と言われる。つまり、北海道人は素晴らしい原材料を提供してくれるいい人だというのである。他府県はその素晴らしい原材料を用いて付加価値の高い製品を産出しているのである。

《街全体の最適化を考えよう》
 個別最適化をやっても地域は活性化しない。街(地域)全体がどの方向に、どのような方法で改善し、潤っていくかを考えねば地域の活性化はおぼつかない。

《行政に頼らない》
 木村氏はこうした語録を披露しながら全国各地のさまざまな実践を紹介した。
 その中で鹿児島県鹿屋市の柳谷(やなだん)集落の実践が印象に残った。
 柳谷集落は戸数わずか126戸、人口330人の小さな集落だが、一人のリーダー(豊重哲郎氏)を中心に行政には頼らず、集落としての生産活動を行い、住民の心を一つにし、さらには外から移住する人を迎えるなど注目すべき地域づくりを実践しているということだ。
 ここで学ぶべきは「行政に頼らない」、そして「強力なリーダーの存在」ということだろうか。
 「行政に頼らない」ということは理念としては理解できる。しかし「強力なリーダー」はそうそう簡単には出現しない。

 木村氏には「地域活性の伝道師」として全国を回り、全国の素晴らしい実践を紹介するとともに、全国各地にやる気のある「強力なリーダー」をたくさん育ててほしいと願った。

        

 さて、次回このシリーズ最終回として、このテーマについて現時点での私なりの考えもまとめなければと思っています。しかし、今の時点では何のアイデアもありません。今日これから一日かけて考えてみたいと思います。


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2 コメント

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木村氏の講義 (三四五白のヨン)
2010-08-13 13:05:20
 木村氏の講義の内容を分かりやすくまとめていただいて、ありがとうございます。たいへん勉強になりました。
 それから、エレベータトークでいこうというのが、なんとなく面白く感じました。わかりやすくというのが一番で、それが基礎になってどんどん話が積み重なって高度な内容もまでお互いが届くようになるということだと思いますが、初めて聞く言葉なので印象に残りました。
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Re:木村氏の講義 (田舎おじさん)
2010-08-14 11:58:04
 非常に精力的な木村氏はたくさんの事例とたくさんの言葉を知っている印象でした。
 あれもこれも紹介したいという木村氏の思いが一つにまとまった話として私の中で消化できなかったきらいはありますが、なんとか分かりやすく伝えよえうと苦心しました。
 また、伝えられなかった言葉に、地域活性化の方策の一つとして「エコノミックガーデニング方式」という言葉が紹介されました。その意味するところは説明すると長くなりますので、ウェブ上で調べていただけたらと思います。
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