タイミング的には「やや早かったかな?」といった印象だったが、多くの山野草の花たちに接することができ充実のトレッキングだった。それにしても同じ森の中で、場所を違えるとずいぶん様相が違ってしまったのはどうしてだろう?
※ いつもの「盤渓市民の森」の入口です。鎖の下でニリンソウが迎えてくれています。
※ 森の中は新春の若い緑に覆われていました。
※ 私はこの日は主として南側の散策路を歩きました。
昨年は5回も通い詰めて、ようやくサンカヨウの開花を目にすることができたのだが、 今年はじーっとタイミングを図っていた。実は8日(日)にも市民の森まで行ったのだが、入口付近の山野草の様子を見て時期尚早と判断して引き返していた。そこで昨日、満を持して出かけてみた。すると、入口のところでニリンソウに歓迎されたことで期待が高まり、市民の森の奥へと足を進めた。
※ 入口で迎えてくれたニリンソウです。
私が昨春サンカヨウの群落に出会ったのは盤渓市民の森の南側の最奥部である。そこへ向かってのトレッキングを開始した。すると散策路上にはたくさんの春の山野草が顔を出してくれた。◇タチツボスミレ、◇フッキソウ、◇ニリンソウ、◇サンリンソウ、◇ヒトリシズカ、◇エンレイソウ、そしてすでに花の時期は終わったと思われていた◇エゾエンゴサクまで顔を出してくれた。
※ 淡い薄紫色が爽やかなタチツボスミレです。(下の写真も)
※ フッキソウが花の時期を迎えていました。(下の写真も)
※ よく見ると、ニリンソウではなくサンリンソウでした。
※ サンリンソウをよく見てみると、葉の上に小さな葉柄が出ています。(ニリンソウにはそれがない)
※ こちらはどちらか分かりませんが、散策路の両脇を覆っています。
※ ヒトリシズカを大写ししました。普通に撮った写真が見つかりませんでした。
※ 森の最奥部では、このエンレイソウが最盛期を迎えていました。
※ エンレイソウとともに最奥部ではこのエゾエンゴサクが盛んに咲いていました。
そしてなんと目的の場所に着くはるか前になんと目的の◇サンカヨウが路傍に咲いているのを発見した。これには正直言って驚いた。さらにはたった一輪だったが、あの淡い薄紫色がなんとも言えない◇シラネアオイまで見つけることができた。
※ 散策路の思わぬところで出会ったサンカヨウです。
※ この日唯一目にしたシラネアオイです。
※ このカタツムリはエゾマイマイでしょうか?
森の奥部へどんどんと進み、標高もかなり高くなった。するとそれまで少なかったエゾエンゴサクやエンレイソウが辺り一面に咲いていた。私はちょっと嫌な気分になった。というのも、エゾエンゴサクは春早くに咲く花である。最奥部はまだサンカヨウの花が咲く時期にはなっていないのではないだろうかと…。
悪い予感は当たった。喘ぎあえぎ最奥部の群落があったところまでやってきたものの、サンカヨウの葉はたくさん目に入るもののほとんどは花を付けてはいなかった。「やはり早かったか…」と残念な思いだった。
※ 昨年見つけた群落で唯一見つけたサンカヨウの小さな花です。他は全て蕾か葉だけでした。
花のないサンカヨウの傍に長居は無用である。残念な思いを引きずりながら、私は周回コースを先に進んだ。すると!群落のところからそれほど行かないところでなあ~んとサンカヨウが数輪かたまって花を付けているではないか!私は喜んでカメラのシャッターを切りまくった。昨年見た群落のところでサンカヨウの花は見ることができなかったが、代わりのところで見ることができたことを感謝した私だった。
※ 思わぬところで出会ったサンカヨウの花です。
※ サンカヨウの花の魅力は雨に濡れると花びらが透明になるところです。
※ 写真のようにサンカヨウが固まって咲いていました。
さて、問題はその後である。私は最奥部に至るまでに唯一目にしたシラネアオイをもっと見たいとの思いで、森の中を進んだ。ところが森の散策路の様相が一変したのだ。私が森の最奥部に至るまでは比較的森の南側の散策路を歩いてきた。そこはけっして南斜面ということではなかったのだが、たくさんの山野草の花に出会った。帰路は森の中心部の散策路を下った。すると散策路の様相が一変してしまったのだ。まったく面白みに欠けた散策路だった。山野草の花はほとんど見かけることがなかったのだ。見かけた山野草といえば、花が付く前のマイヅルソウやクルマバソウの類くらいで、シラネアオイなど欠片も見ることができなかった。
※ クルマバソウの花はまだ蕾状態でした。
この原因は何なのだろうか?あるいは周りの森林に陽光を遮られるために山野草が生育しづらい環境になっているということだろうか?専門的なことはよく分からないが、同じ市民の森の中でこれほど生育している山野草に違いがあることを今回改めて教えられた思いである。
ちょっと山オヤジさんが怖いけど(この日も鈴2個を持参していた)私にとってホームゲレンデでもある「盤渓市民の森」にこれからも出来るかぎり出かけたいと思っている。