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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

イランカラプテ音楽祭2022を楽しむ♪

2022-03-12 17:01:51 | ステージ & エンターテイメント

 イランカラプテ♪…、この優しい言葉がリフレインされる優しいメロディーがカナモトホール(札幌市民ホール)内に何度も響き渡った。今回の音楽祭はトワ・エ・モアをはじめ故新井満氏に関わる人たちが集った音楽祭だった。

        

 当初、2月4日に開催予定だった「イランカラプテ音楽祭2022」はコロナ禍のために延期となっていたが、昨日11日(金)にカナモトホールで開催された。主催は「北海道伝統文化振興会」というところで、今回は釧路(阿寒)、南富良野、白老に続いて第4回の開催で、札幌では初めての開催ということだった。

 音楽祭のプログラムは、

 ◆アイヌ伝統楽器演奏と古式舞踊

 ◆秋辺デポ スペシャルライブ

 ◆李広宏 スペシャルライブ

 ◆トワ・エ・モア スペシャルライブ

といった構成だった。

 「アイヌ伝統楽器演奏と古式舞踊」は「トンコリ」と「ムックリ」という伝統楽器の演奏、「鶴の舞い」、「黒髪の踊り」という群舞、「弓の舞い」という独り舞いが披露された。これらは1月22日に開催された「アイヌ文化フェスティバル」でも目にした演目だったが、アイヌの代表的な芸能演目のようだが、音楽も舞いも独特の世界観を表現しているように感ずることができた。

 続く、三つのスペシャルライブは故新井満氏の追悼的意味も含めたライブだった。会場には故新井満氏の夫人も駆け付けていて、新井満氏が作曲した「千の風に乗って」、そして同氏と秋辺デポ氏の作詞、新井氏の作曲による「イランカラプテ ~君に逢えてよかった~」の2曲が、それぞれ3組の方々によって披露された。

          

 それぞれのミュージシャンの横顔は、秋辺デボ氏はいわばアイヌ民族を代表する文化人という位置付けの方である。今回の音楽祭においても全体のプロデュースは秋辺氏が担当していたようである。

 続いて李広宏氏はその名からも類推できるように中国人であるが、来日35年と長期間にわたって日本国内で音楽活動をされている方である。特に日本の童謡や叙情歌を中国語に訳して中国本国にも紹介する活動をされている方だと聞いた。

 トワ・エ・モアについては紹介の要もないだろう。二人の爽やかなメロディーで「或る日突然」、「空よ」、「誰もいない海」、「虹と雪のバラード」など数々のヒットを飛ばした私たち世代にとっては忘れられぬデュオである。「イランカラプテ ~君に逢えてよかった~」も彼らが最初にCD化して発売している。

 彼らが披露した曲目を順に紹介する。   

《秋辺デボ》

 ◇千の風に乗って

 ◇イランカラプテ ~君の逢えてよかった~

 ◇タプカラ(唄と舞踊)

     

《李広宏》

 ◇イェーライシャン

 ◇千の風に乗って(仏語、日本語、中国語で)

 ◇イランカラプテ ~君に逢えてよかった~(中国語で)

  ◇ふるさと(間奏で中国語の詩を紹介)

    

《トワ・エ・モア》

 ◇早春賦(李広宏氏と一緒に)

 ◇空よ

 ◇誰もいない海

 ◇この街で(新井満作詞)

 ◇翼をください

 ◇虹と雪のバラード

 ◇イランカラプテ ~君に逢えてよかった~(出演者全員で)

          

  今回の音楽祭はもちろん「イランカラプテ ~君に逢えてよかった~」がメインであることは言うまでもなく、それぞれの個性を発揮されて歌う曲にはそれぞれ味があって素晴らしかった。しかし私個人としては、トワ・エ・モアが歌う「虹と雪のバラード」に特別な思いがあった。この曲が発表されたのは札幌冬季五輪が開催された1972(昭和47)年である。札幌市も、私自身も、希望に満ちていた時代だった。そのことを象徴するような河邨文一郎氏の素晴らしい詩と、村井邦彦氏の爽やかで伸びやかなメロディーは一気に私をはじめ人々の心を捉えたのだった。その曲をオリジナルのトワ・エ・モアの二人の歌声で聴くことができたことは何よりの幸福感に浸ることができた瞬間だった。

 音楽祭が終わって気が付いたのだが、音楽祭には釧路、帯広、旭川、函館など全道一円から参加していることが分かって驚いたが、誰もが満足して帰路に就いたのではないだろうか? 最後に音楽祭のメインの「イランカラプテ ~君に逢えてよかった~」の一番の詩を紹介してこの項を閉じたいと思う。

 1. 遠い町から はるばると

    よく来てくれたね 旅人よ

    ここは 森と湖の大地

    鳥は歌い 風は大空を吹きわたる

    イランカラプテ イランカラプテ

    君の逢えてよかった

    今日はいい日だ

※ 使用した写真のほとんどはウェブ上から拝借しました。